じいたんばあたん観察記

祖父母の介護を引き受けて気がつけば四年近くになる、30代女性の随筆。
「病も老いも介護も、幸福と両立する」

今日は全力疾走の日。

2005-07-22 07:37:34 | じいたんばあたん
じいたんの、声がおかしい。
気管支炎を起こしているんじゃないかと思う。
ばあたんの、アルツハイマーの症状の進行も
最近、坂を転げ落ちるようだ。

幸い主治医はもともとの専門が神経内科で、かつ内科の開業医である。
私も、少し診察してもらいたいので
今日は、三人仲良く病院へ向かうことにする。

いつもは、病院の日は、帰り、三人で外食するんだけど、
私の怪我があるので今回は行き帰りタクシーで往復。
午後1時にはヘルパーさんが来るから、とりあえず中休みもあるし

元気に、今日一日また、楽しく過ごします。
いってきます
皆様にとっても良い一日でありますように…

今日の終わり「介助犬ばう」がくれた幸せ。

2005-07-22 01:05:54 | 介護の周辺
記事をUPし終わった午前0時過ぎ、電話が鳴った。

残業と風邪でへとへとのはずの、介助犬ばうからだった。

「ごめんね遅くに。
 あのね、たまちゃんのために是非、予約したいところがあってさ。
 メッセ立ち上げてくれない?URL送るから。」

…なんだろう?

「二人で、行こうよ。」

いぶかしく思いながら、
メッセの画面に表示されたURLをクリックする。

そしたら、それは、こんなところだった


横浜音楽院 レンタルルームのご案内


さっきエントリしたばかりの記事を読んで、
熱が出てる身体で、探してくれたのだ。
ピアノを弾ける場所を。

「ばうちゃん…」

あまりに嬉しくて、言葉を失う私に、

「横浜・ピアノ・レンタルで検索してみたら、あったんだよ。
 ばうは、これくらいしか、できないばう…
 でも、たまが、ちょっとでも喜んでくれたら、うれしいばう」

嬉しすぎて言葉がでない。

「いやかばう?」

介助犬ばうが、訊ねる。

「いやじゃないよ。いやなわけない。うれしいよ。
 すっごくうれしいよ。ありがとう」

ばうばうの体調が悪いので、すぐに電話は切り上げた。


そして改めて画面に向かう。
そんなに費用は高くない。
実は祖父母宅のマンションにはピアノがあるけれど、
人目につきすぎて、弾かせていただくなんてとんでもないから…
いつも、ガラス越しに、恨めしい思いで眺めていたのだ。

だから、週に一回でも、弾けるかもしれない。
それが、とても、泣けるほど、うれしい。

(筋肉が失われているので、完全に弾けない曲も多いけれど、
 それはまた、考えたらいい。
 何かいいトレーニングのしかた、ないかな)

そして何より、ばうばうの、好意も。



…でも、私は、こんなふうに抱きしめられてもいいのか、
良く、わからない。
こんな誠実な人から、こんな極上の好意を頂いてもいいのか、
わからない。

本当にもらっていいの?
すごく贅沢な「こころの贈り物」、本当にもらっていいの?

まだ、男の人に心を抱きしめられるのが怖い私だけど、
お薬が手放せない私だけど、
最近、少しだけ、大丈夫かなって思えるようになってきている。
ばうばうのおかげ。

気長に気長に、そばにいてくれるばうばう。
ありがとう。
もう少しだけ、お願い、待っていて。

ばうのおかげで私はやっと、明るいところへ出られるかもしれない…