第2025話 おばあちゃんの味

2018年10月21日 08時00分00秒 | Weblog

街でテナント募集の広告を見ると、

立ち止まってしまう。

そのたびごとに、ここにお店を出したらどうなるか

考えてしまう。

 

84歳で亡くなった祖母の夢は、

母とふたりで お店を出すことだった。

沖縄出身の祖母は、

ずっと作り続けてきた「サーターアンダギー」を

売りたいと語り、頻繁に作っていた。

 

子どもの頃から お盆に、お正月、

おばあちゃん家に行くと、

サーターアンダギーを食べることとなり、

いつも「これ、持って帰り」と言われ続け・・・

正直、私は飽きていた。

 

ところが、祖母が亡くなって・・・

出先でサーターアンダギーを売っていると、

買って食べては、おばあちゃんの味と違う・・・

と肩を落とす。

なぜ祖母と一緒に台所に立って

作り方を教えてもらわなかったのか

嫌と言うほど 後悔を味わっている。

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