カプチーノノート cappuccino note

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『本陣殺人事件』を読む

2016-12-05 | 本を読む

『獄門島』に続いて『本陣殺人事件』を読みました。というか、横溝正史全集を読んでいるんですけれどね。

すっかり横溝さんの文体に慣れてきたのか『本陣殺人事件』はおもしろく読めました。

もともとネタはわかっていて読んでいるので、その分おもしろみは欠けているんでしょうけれど、そのかわりより深いところまで読むことができるのかもしれません。

さて、今回も出てくる人はびっくりするほど死んだ(殺された)人に冷淡なのがびっくりします。

金田一のパトロンの久保銀造なんて自分の姪が殺されたのに謎解きの方に夢中になっています。

今回おもしろく感じたのは、金田一がもっともわかりたかったことは犯罪のトリックではなく、なぜ犯人がそういう犯罪を犯したかということなのだということがわかったからです。

そして今となってはばかばかしいとしか言えない犯人の動機が、金田一の説明を聞くと思わず納得してしまうのです。

さらに潔癖症の犯人なんてまさに現代の病理を先取りしているように感じます。

そういう病をメインテーマにすれば『本陣殺人事件』を映像化しても現代に共感を呼ぶ作品になりそうです。


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