カプチーノノート cappuccino note

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「鼠穴」考 その2

2018-10-13 | 日々雑記

について

「鼠穴」を聞くと、まず弟の視点で物語を体験します。

弟から見ると兄は怖い人で、弟は兄に人生を翻弄されてしまいます。

兄の言動で弟は天国から地獄へ、地獄から天国へ上下を繰り返します。

ひどい兄です。

でも、弟の視点から外れてみると、兄より弟の方がひどいのです。

遺産を分けてもらったのを蕩尽し、無一文で兄を頼ります。

兄の仕打ちに怒り、日夜働き、財産を築いたまではよいのですが、風の強い日に鼠穴のことを番頭に任せて兄のところに行きます。

兄に引き留められて酒に酔い、家に帰らず、財産を失います。

商売がうまくいかなくなり、兄に借金を頼みに行き、断られてしまいます。

挙句の果てに娘を売って、得たお金は掏られてしまう。

もう、考えが甘いとしかいいようがないのです。

弟の運命は自業自得としか言いようがありません。

と書いてきて、弟はまさに普通の人なのでした。

だから、聞いていて共感できるということなのかな。

だいたい、みんなが賢かったら、噺になりませんもんね。


つづく。

コメント
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