ブレイクスルー感染

　電子顕微鏡で見た新型コロナウィルス、綺麗ですね。金メダルみたいですね。でも、この色なのですが・・・電子顕微鏡写真は本来白黒ですから、この綺麗な色は[適当に」つけていると思ってください。

これは、チョークの断面だそうです。(炭酸カルシウムの結晶？）

適当に色を付けた画像がこれです。

こっちの方が断然見栄えがしますよね。だから、最近の電顕写真は、テキトーに色の付けてある写真ばかり。なので・・・、電子顕微鏡の写真が白黒なのだと大学教授が講義で説明しても「そんなことはない。いつも見ている電顕写真はカラーです。」と、信じてくれない学生が多いとのことです。

新型コロナウィルスの電顕写真をもう一枚

スパイクが緑だったり、赤だったりするのは、着色した人またはソフトの気まぐれ？と思っていただいて良いと思います。赤くなったり、緑だったりするのは、ほんと、テキトーなんです。

　ところで、ブレイクスルー感染について考えましょう。ブレイクスルー感染とは、ワクチン接種した人が、稀にウイルスに感染すること。ほとんどの場合は無症状や軽症ですが、入院したり死亡したりする人もおられます。

　東京都では12日、新型コロナウイルスの感染者6人の死亡が新たに確認されました。そのうちの1人は2回のワクチン接種を済ませていた60代男性でした。ワクチン2回接種後に陽性となる「ブレークスルー感染」による死亡が都内で確認された例は初めてでした。

 　都によると、この男性は6月の上旬と下旬にワクチンを接種。8月6日に陽性と診断されて入院し、10日に死亡されました。感染経路は不明。死因は新型コロナによる感染症で、がんの基礎疾患があったということです。

　反ワクチン派の方々は、鬼の首でも取った様に、「だから、ワクチンなんて意味がない」「副反応に耐えて2回接種して死ぬのか？」などと言われるのでしょうが、ブレイクスルー感染をする方は稀です。そして、重症化する方、死に至る方はその中でも非常に少ない。ワクチン接種しないで亡くなっても、今時、ニュースにはなりませんから。

　新型コロナワクチンを2回接種しても、COVID-19に罹患する可能性はゼロではありません。特に、主流がデルタ株に代わってからは、感染予防率が9割以上から7割程度にまで低下している様です。しかし、効果は低下はすれどゼロになっているわけでは全くありません。通常の免疫力を持っている方だったら、少なくとも半年程度は十分効果が期待できると思われます。

　亡くなった60代男性は、担癌状態であったとの事です。免疫力の低下もあったでしょうし、ステロイドを服用されていた可能性もあります。ステロイド服用中は、ワクチンの効きが悪いようです。この男性の場合、ワクチンの効果が低かったのか、効果はある程度あったが、ご本人の免疫力が新型コロナ感染に耐えられなかったのか。そのような特殊事情があったのだと思われます。

　新型コロナワクチンを2回接種して、10日以上経過して、十分に抗体が出来たと思われる状態であるにもかかわらず、新型コロナに罹患してしまうブレイクスルー感染、あり得ます。特にデルタ株なら。

　ですが、殆どは無症状か軽症で済むようです。（周囲に感染を広げる可能性はあります）担癌状態など、免疫力が低下している状態だと、稀に重症化、そして死に至ることもあり得ます。

　ですが、新型コロナワクチン接種は無駄では全くありません。私はワクチン接種を進めています。自院（坂根医院）での個別接種、田原本中央体育館での集団接種、そして施設における施設接種、往診先での個別接種　いずれも出来る範囲で推進しており、今後も12歳以上の全ての方に接種したいと強く思っております。

　ブレイクスルー感染はあります。ですが、現在のところ例外的です。時間経過とともにブレイクスルー感染が増加し、例外ではなくなってきたら、3回目の接種が現実化せざるを得なくなるのでしょう。

　とりあえず、12歳以上の皆さま、2回のワクチン接種を受けてください。自分のために、周囲のために・・・・私は、その方が良いと考えています。