正常性バイアスってご存じでしょうか?聞かれたことはあるでしょう。災害があるたびに逃げ遅れた人々に働いていた心理を分析して使われることの多い用語です。
Wikipedoaより抜粋
正常性バイアス(せいじょうせいバイアス、英: Normalcy bias)とは、認知バイアスの一種。社会心理学、災害心理学などで使用されている心理学用語で[1][信頼性要検証]、自分にとって都合の悪い情報を無視したり過小評価したりするという認知の特性のこと。
自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる。「正常化の偏見」、「恒常性バイアス」とも言う。
今日、具体例を目撃し、愕然としました。
具体例
「検査結果が出ました。新型コロナのPCR検査、陽性でした」
「えっつ?」
「コロナ陽性です。指出してください、酸素飽和度97%ですね。何か病気お持ちですか、無いですか。タバコ吸われますか?吸われませんか。それなら、重症化因子の無い軽症患者さんに分類されます。」
「え、言われている意味が分からないです。」
「うーん、重症化する要因を持っていない軽症の患者さんです。ですから、症状に対する薬だけをお出しします。解熱剤以外、何か必要な薬はありますか?」
「えっつ、えっつ??」
「解熱剤以外必要な薬が無い様でしたら、カロナール処方しておきますね。」
「・・・・・」
そして、カロナールの用意が出来て、
「はい、解熱剤です。一度服用したら、次は6時間くらい開けて服用してくださいね」
「あのう」
「はい?」
「僕、コロナじゃないです」
「はい???」
「僕コロナじゃないと思います。もう一度検査してもらえますか?」
「あの、PCR検査で陽性なので、疑いようが無く陽性です。もう一度検査は保険診療では出来ません。自費なら出来なくもないですが、無駄ですので、私はしません」
それからしばらくして、精算させていただきました。その時は何も言われなかったので、受け止められたのか、それとも、こいつには何を言っても無駄だと思われたのか・・・
「とりあえず、周囲に感染を広げない様、一週間は自宅謹慎してくださいね。」
「とりあえず、周囲に感染を広げない様、一週間は自宅謹慎してくださいね。」
「一週間は今日からじゃないですよね。」
えっつ、冷静やんか!!
「そうですね。症状が出てきたのが3日前でしたか」
「そうです。3日前です」
「でしたら、3日前がゼロ日、一昨日が1日目、昨日が2日目、今日が3日目です。それで7日目に振り返って24時間以内に発熱などの症状が無ければ、その日で療養は終了します。」
「分かりました」
物わかりの良い人なのか、悪い人なのか、分からなくなった私でした。
まっとうな人でも、正常性バイアスは機能してしまうという事なのでしょうね!!
この方に関しては、その後もひと悶着あったのですが、暫し時間経過してからご報告させていただきます。