命のカウントダウン(健康余命3605日)

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天理よろづ相談所病院新館東西棟

2022-06-09 22:24:50 | 緩和医療
「退院時カンファレンス」と言う会議に出席してきました。
退院時(合同)カンファレンスとは、退院後の患者さんの自宅での療養生活の設計図を描く会議です。

下咽頭癌で6年以上色々と治療を重ねて来られた80代男性、いよいよ癌に対する治療は手札が無くなり対症療法となっています。そこに、気胸を発症されて2か月前から入院されていました。

天理よろづ病院の新館、眺めが良いです。でも、患者さんは景色を楽しむどころではないですよね。


入院後、気胸に対して、脱気、縫縮術、自己血液や複数の薬剤を使って胸膜癒着術を試みられたのですが、いずれも功を奏さず、しかし、挿入しているチューブをクランプ(閉じて)してしまうと気胸が数日で悪化してしまうので、チューブの抜去は出来ない。

致し方なく、チューブを挿入し続けた状態での退院(居合わせた誰もがそんな状態での退院は経験がありませんでした)と、なったのです。

ご本人の帰宅願望が非常に強く、病院にこれ以上留まる事が耐えられない。しかし、このような状態での退院、在宅療養は、誰も経験したことが無い。それ故の在宅生活に対する覚悟の再確認と在宅を担う在宅医 訪問看護師 などと、病院医療スタッフの問題点の再確認のための「退院カンファレンス」でした。

病院側の医師、看護師(複数)、作業療法士と、在宅側のケアマネージャー、看護師、医師(私)、患者さん本人、ご家族(息子さん)が最初から同席の上での話し合いでした。通常の退院時カンファレンスでは、患者さん、ご家族抜きで最初に大まかな事項を話し合って、最後に患者さん達を招き入れて価値観の再確認などをすることが多いのですが、今回は最初から最後までオープンでした。それだけ、皆の価値観を同じくすることが重要な、「何が起こってもおかしくない病態」だからだと感じました。

患者さん、息子さんと、隠し事なく皆で話が出来て、非常に有用な会議だったと私は思いました。

患者さんの胸部に挿入されている、脱気チューブです。
 

チューブの先は、この装置に繋がれています。
患者さんは、どうしても家に帰って(昼間は独居です)何かあっても仕方がないと言われています。
勿論、最善の努力はします。でも、人間いつかは逝くのです。
何が大切なのか 
私は、患者さんが大切に思われているものを守りたいと思っています。
ACP(人生会議)やはり、これが重要です。
追いつめられる前に、一度考えてみませんか?
ヒトはいつか必ず逝くのです。
貴方は、何を大切にしたいですか?


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