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命のカウントダウン(健康余命3605日)

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高齢者の熱中症

2021-08-30 00:52:11 | 病気の予防
大雨が去って、夏の暑さがぶり返してきましたね。
暑さと共に、熱中症の患者さんが増えてきました。

環境省の熱中症警戒アラートマップ

本日夕に高齢者の発熱でお呼びがかかりました。
このご時世、休日の発熱患者を診てくれるところがなかなかありません
磯城郡休日診療所は16時まで、コールがあったのは17時過ぎでした。

元々、COPDという慢性呼吸不全をお持ちの90歳男性。38度台後半の発熱と食欲不振、倦怠感
発熱外来に苦労して渡りをつけるよりも、自分で行った方が早いと判断、往診しました。

行ってみると、応接室まで患者さんは出て来られました。何とか独歩可能ですが、肩で息をされています。意識清明、血圧も正常でした。SPO2は、最初は80台前半でしたが時間が経つと93%まで上昇しました。もともとこの程度の方ですし、肺炎は無さそうです。呼吸音も特に異常を認めませんでした。SARSーCoV2抗原検査(新型コロナ抗原検査):陰性を確認しました。
手の甲の皮膚をつまんでみると、戻りが悪いです。
ハンカチーフ兆候と呼ばれる脱水症のサインの一つです。
生理食塩水250mlの点滴を施行、カロナール500㎎も服用してもらいました。
この患者さんとのお付き合いは14年になるそうです。昔話をしているうちに点滴が終わりかけて、だいぶん良くなったと言われたのですが、ご家族の方に点滴の抜き方を説明してからもう一本点滴を追加して、帰路につきました。

熱中症で亡くなる方は、高齢者が殆ど(60歳以上が8割)です。そして、その半数以上が屋内です。
 
こまめな保水、エアコンを適宜使用する(エアコン切らないようにしましょう!)、無理をしない、必要の無い所ではマスクを外すなど、熱中症に気を付けてくださいね。兎に角、こまめに水分を取って下さい!!
この90歳男性も、トイレに移動するのがしんどいので、ご家族に口うるさく保水を勧められていたにもかかわらず、水分摂取を控えられていた様です。
皆さま、夏の午後、そして夜は熱中症に注意してくださいね!!





正常性バイアスについて(その2)

2021-03-04 21:44:07 | 病気の予防
前回、正常性バイアスについてお話をさせていただきました。
次回、正常性バイアスの権化のごとき爺様のお話をさせていただきますと申しましたが、現在進行形であることもあって、上手く話しをまとめる事が出来ません。勝手に予告したのですが、勝手に延期しちゃいます。今回は正常性バイアスに関する余計な話です。

前回は、正常性バイアスについての説明と、正常性バイアスが「災害時に避難が遅れて災害被害を拡大する原因」として悪者扱いされることが多いけれど、ヒトには必要不可欠なものではないかという私見を述べさせていただきました。

今回も似たような話です。正常化バイアスは、心の免疫機能ではないかと、思いつきました。調べてみてもそんなたとえ話は見つかりませんでしたので、つたない自分なりの解釈を展開させていただきます。

免疫機能の重要さは、広く認識されていると思います。
正常に働いていた免疫機能が破壊される病気が 後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome, AIDS, エイズ)です。
ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus;HIV)感染によって生じます。以前は手立てなく死に至る病というイメージがありました。が、近年飲みやすく、副作用も少なく、治療効果が高いART(antiretroviral therapy、抗レトロウイルス治療)の普及 などにより、治りはしませんが、感染してもAIDS発症に至らない様に治療を継続しながら日常生活を維持できる時代となりました。

 逆に言うと、破壊されてしまうとAIDSを発症してしまう、無くてはならない免疫機能。風邪をひいたり、新型コロナに掛かったりした時も、治癒に向かって働く主役は薬ではなく、感染者ご本人の免疫力です。今話題になることの多いワクチンですが、当該ウィルス等の病原体に対する個人の免疫力を上げるためのものであって、特効薬ではありません。

 話を正常性バイアスに戻しましょう。正常性バイアスとは、予期しない異常事態が発生した時、または、そうなりそうな時、殆ど根拠なく「自分は多分大丈夫だ」と思ってしまう心の方向性を言います。
 これが、外敵と思われる異常物質(ウィルスなど)が体内に侵入してきたときに無毒化しようと働く免疫機能と相似だと、私は感じました。

 免疫機能が必要以上に働いてしまう現象の一つにアレルギー反応や自己免疫疾患と呼ばれる疾患群があります。正常性バイアスも、必要以上に働いてしまうと災害時、非常時に逃げ遅れる原因になってしまいます。

 いい面もあれば悪い面もあるという事です。

 逆に、免疫機能が低下すると、普通ではかからないような感染症に罹患したり(日和見感染症)します。基礎になる免疫力が弱いので、薬で病原体を退治しても、次から次へと異なる病原体が出現する「連続もぐらたたき状態」になって、体力が低下して死に至ることが多いです。
 正常性バイアスが低下すると・・・・すべての変化に対して心理的に対応困難となります。不安障害、パニック障害、強迫性障害などが起こりやすくなるでしょう。

ワクチン接種は、特定の病原体に対する免疫機能を強化します。これは、災害に対する避難訓練、防災訓練が相当するのでしょう。災害時の対応能力を向上させ、心理的にも「体力」が生じます。

 ヒトは、免疫機能無くして生き続けていけないのと同様に、正常性バイアスで外界からの刺激・変化から心を守らなければ、生き続けていけないと思います。災害時に逃げ遅れないよう、かつまた不安で心をさいなまれる事の無いように、良い加減に?心配しましょう。それが病の予防につながるとも感じています。すべてにさじ加減が肝要です。重要なのは 良い加減さ???の様に思えます。


 

花粉症の予防について

2021-02-11 20:59:12 | 病気の予防
前回、花粉症の治療の中のマイナーな減感作療法について説明および体験談を記させていただきました。

治療法の中のマイナーな減感作療法なんて話をする前に、花粉症全般に対するお話をすべきでした。頭の整理が出来てなくて申し訳ありません。

花粉症は、スギ、ヒノキ、ハンノキなどの樹木花粉、オオアワガエリ、セイタカワダチソウ、ブタクサ などの雑草花粉によるものがあり、それぞれ飛散するシーズンが大体決まっています。
春先は、スギ、ヒノキなどの樹木系の花粉が、その後カモガヤ、オオアワガエリなどのイネ科雑草、夏から秋にかけてブタクサ、ヨモギなどのキク科雑草花粉が主体となるようです。原因花粉がどれか知ることは、減感作療法には必要ですが、一般的に施行されている薬物療法においては、原因がスギであろうがブタクサであろうが治療薬や治療法に関係ありません。アレルギー検査、食物アレルギーに関しては役に立つことが多いですが、花粉症に関して、マイナーな減感作療法を受ける気が無ければ、殆ど役に立たないと私は考えています。

花粉症に対して自分でできるセルフケアとしては、外出時にマスク、保護めがねをかけて、原因の花粉を少しでも体の中に入れないようにする努力が必要です。新型コロナ予防と同じですね。花粉症用のマスクでは花粉が約1/6、花粉症用のめがねでは1/4程度に減少することが分かっているそうです。また花粉情報に注意し、花粉飛散が多いときには無駄な外出は避けるようにしてください。 新型コロナも、多発地帯への外出は可能な限り避けましょう。

 新型コロナ予防と、花粉症予防で、唯一違うところは換気です。花粉の飛散が少ない時間帯を考慮して換気しましょう。花粉の飛散が多いのは、昼の12時前後、夕方の6時前後です。風の強い日は、風下の窓から換気してください。空気清浄機、加湿器は、花粉症、新型コロナのいずれに対しても効果があると考えます。

 新型コロナウィルス感染症、皆さんの意識が向上したからでしょう。外出は増加傾向と言われているにもかかわらず、新規陽性患者数は、はっきり減少に転じていますし、重症患者数、死者数も減少してきている様です。

 外出、人流?を減らす必要などありません。減らしたいのは新規陽性者、重症者、死者です。花粉症対策をしっかり行う事が新型コロナ予防にも繋がります。原因物質である花粉に暴露されない様、マスク、保護メガネを着用し、家に帰ったら、家に入る前に花粉を払って、帰宅後の手洗い、洗顔、しっかりしましょう!!
 花粉症の薬物治療の話は・・・・次の機会にね!1