茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

香木

2009年12月09日 | Weblog
香木って無くならないの?
学校茶道のお稽古の時に質問が出ました
ほんと
香木って無くならないのかしら
切り取っては焚いてばかりで
実は何年か後には
石油のように無くなる日がくるのでしょうか

炉の季節に使う練り香は
香木の粉末を
蜂蜜や梅酢などで練り上げたものです
風炉の季節には
香木のかけらをそのまま焚きます
どちらもほんの少しですが
さて香木は大丈夫?

よく使う白檀は
インドをはじめ太平洋諸島で産出される常緑樹で
栽培も可能なため
これは安心して使っていられそうです
ただ
土地によって香りに違いがあり
価値の高い香木は
既に伐採制限や輸出規制が行われているようです

一方
お値段の張る伽羅などの沈香は
「偶然と時の産物」であり
無尽蔵というわけではありません
ジンチョウゲ科の沈香木という植物は
それだけでは香らないのですが
病気や害虫により傷つくと
防御策として樹脂を分泌させます
その樹脂化した部分が香るのです
木は水に浮きますが
樹枝化した部分は重くて水に沈むので
こう呼ばれています

ですから
人工的に傷をつけるということで
これも作り出すことは可能なのでしょう
ただ
やはり香りは神のつくりたもうた物だそうで
樹脂の結び方や熟成の過程が
香気の由来に大きく影響するので
香りの再現は不可能と言われているそうです

貴重な伽羅は
1グラム2万円なんて
お値段がついていました
一度体験してみたいものですね~