茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

茶を煮る

2009年09月26日 | Weblog
「独り愛す清間夏日の長きことを
 千株の松下石炉を香じ
 人間の炎熱複何ぞ到らん
 洞裏の風光豈是を望まん
 水は麗泉を擇んで音羽に汲み
 茶は唐製を家郷よりす
 此生尤も喜ぶ煩累を脱することを
 世上笑う吾心うたた狂することを」

これは
「夏日松下に茶を煮る」と題する
売茶翁の偈語です

1973年9月発行の『別冊太陽No.4』には
河原に無造作に広げられた煎茶道具が
ちょっとおもちゃのように写っています
なんか
メリーポピンズの一コマのよう
そっとその画の中に入って
一煎いただきたい感じ

詩が添えてあります
「松樹雲を穿ちて碧空に従え
 萩花露を帯びて秋風に傲る
 茶を煮て渓畔清冷を汲めば
 孤鶴翩翩として此の中に来る」

清冷とした風を感じて
あ~なんて素敵としびれて
さっそくここにご紹介しようと思ったのに
漢字がまず読めなくて
次に変換ができなくて
おとぎの絵の世界に雨が降って
一気に現実に引き戻されてしまいました

暑い夏も寂しい秋も
お茶を煮てしあわせ
そんな気分に共鳴するには
お勉強が必要です
美しい詩をすらすら読みたい
漢文をもう一度勉強したいと思うなんて
これも
お茶のおかげです