茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

化学

2008年10月08日 | Weblog
先週末に熊本で釜炒り茶フォーラムが開かれました。
九州在住の茶坊主様がご参加なさり、
追ってご報告があるものと楽しみにしておりますが、
届きました速報が、
湯温を測る放射温度計の画像でした。
「すごい!」って。
それは棒温度計でない、
化学の実験で使うみたいなカッコイイものでした。

え?そっち?
釜炒り茶はどーしたんだーと思いつつ、
そういうリアクションがとても楽しく感じられました。
私も確かにそうでした。
この画像は、
東京で行われた、
水質と湯温と茶の味に関する勉強会の時のものですが、
部屋に入ったとたん、
見たこともない温度計や硬度計やリトマス紙などがあって、
わ~かっこいい~と感激したものです。

その後、「計る」ことにはまって、
お茶のお稽古の時も、
お釜の中に温度計を入れてみたり、
(棒温度計ですが)
柄杓で掬った時の温度を計ってみたり、
それがお茶碗に落ちた時は何度なのか計ってみたり、
いろいろ遊びました。

お抹茶は熱湯で点てないほうが、
甘味が出てよいはずなのに、
茶道ではお釜からアツアツのお湯を取ります。
でも、特に苦くなるわけでもありません。
竹の柄杓で掬うということ、
それが少しづつ、10センチくらいの高さから落ちていくということ、
この過程を経て、温度はしっかり下がっているのでした。
素晴らしきかな、茶道。

煎茶のお点前でも、
お茶碗を並べたり、清めたりしているその「間」が
お湯の温度を下げるのにちょうどよくなっているのです。
化学という目で見ても、
日本の茶道文化は素晴らしい知恵にあふれています。