厳しい練習の成果を確実に出すためには、休みをしっかりとるということが非常に大切です。
厳しい練習であればあるほど、休みをとって体力が十分に回復していなければ、オーバーワークになってしまいます。
豊山水泳部では長年にわたって、日曜日を休日としています。
練習時間を考えれば授業のない日曜日に練習をするほうが、たくさんの練習時間をとりやすいことは言うまでもありません。
それにもかかわらず日曜日を休みにしている理由は、日曜日に練習した場合、授業のある平日を休みにしなければならないからです。
例えば6時間も授業のある月曜日を休みにした場合、本当に十分な休息ができるでしょうか。
やはり1日ゆっくりと休息できる日があるということは、身心の回復にとって重要です。
回復というのは身体だけでなく、精神的な部分の回復も含まれます。
月曜日から土曜日まで厳しい練習を行い、日曜日にゆっくり休むことで身心共にリセットし、また次の月曜日から頑張りやすくなるのです。
休日の前の練習も明日が休みだと思えば、いつも以上の力が出せるものです。
以前はシーズンが終了した9月から10月にかけて1か月にわたるOFFをとっていたこともあります。
さすがに今はそれだけの休みはとれませんが、豊山水泳部の基本的な方針は、「やるべき時にやり、休むべき時に休む」です。
2011年にインターハイで男子総合優勝を果たしましたが、私は最終日である4日目の朝に選手たちにこのように告げました。
「優勝したら1か月間の休みにしよう」。
選手たちの表情にみるみる輝きが生まれました。
そして本当に優勝し、私は約束通り、全員を1か月間OFFにしました。
メリハリをつけた練習計画は、特に男子にあてはまるのかもしれません。
高校生にもなるとそれなりに強い力を発揮して練習ができるようになりますから、休息が充分でなければ疲弊していまいます。
休みの効用というのは、身心の回復だけでなく、家族や友人との有意義な時間の過ごし方にとっても重要なはずです。
日頃は朝練習やご家族の仕事の関係でなかなか一緒にできない食事も、日曜日であれば皆でとりやすいはずです。
また、たまには水泳のことから離れて友人と遊びに行くことも学生時代には必要です。
学生時代の思い出が水泳しかなく、家族や友人たちと食事したり出かけたりというのがまったくないというのは、少し寂しいのではないでしょうか。
そのようなことを考えても、休みを日曜日にするということは良い選択であり、これからも継続していくべきであると考えています。
今までOFFをとりすぎていることで練習不足になってしまったと感じたことは特にありません。
「やるべき時にやり、休むべき時に休む」というこの原則はこれからも継続していきます。
竹村知洋