福島の子どもたち「保養」の現実 猛暑の夏の寒いレポート
連日連夜、オリンピックでの日本選手の大活躍をめぐるTVのヒートアップ状態を考えるといかにも地味で、しかももはや旧聞に属するのですが、17日(水)朝のNHK・TVのニュースが福島原発事故に関して注目すべき調査結果を報じていました。
あいにく朝は音声だけ聞きながら洗顔するのが日課なので内容についてはイマイチ把握できていなかったので、いまようやくWEBサイトから記事を拾いました。何かと政権寄りの偏向?が懸念されるNHKなのですが、報道を評価し、とりあえず勝手に引用させていただきます。
原発事故 ふるさと離れて“保養”9000人余
8月17日 4時55分
東京電力福島第一原発の事故を受けて、放射線への不安から一時的にふるさとを離れて過ごす「保養」を行った人が、去年10月までの1年間にのべ9000人余りに上っていたことが分かり、調査を行った民間団体は「費用面などで支援が必要だ」としています。
5年前の原発事故のあと、幼い子どもがいる親を中心に、放射線への不安から夏休みなどを利用して一時的にふるさとを離れて過ごす「保養」が広がりました。
「保養」について情報提供を行っている民間団体、リフレッシュサポートは、その実態を把握しようと、保養を受け入れている234の団体を対象に調査を行い107の団体から回答を得ました。それによりますと、去年10月までの1年間に保養を行った人は、福島県の居住者を中心にのべ9301人に上っていたことが分かりました。
滞在先は北海道から沖縄まで全国29の都道府県にわたります。受け入れの課題を聞いたところ、「活動の資金不足」が28団体、「原発事故や支援に対する関心の低下」が18団体などとなっています。原発事故のあと、福島県は子どもたちの自然体験活動などに対して宿泊費や交通費を支援する制度を設けていますが、県外では対象が6泊7日以上に限られています。リフレッシュサポートの疋田香澄代表は「実際にはもっと多くの人たちが保養を繰り返しているみられ、家族と受け入れ団体の双方に費用面などで支援が必要だ」と話しています。
■「福島5年」……経済大国ニッポンの現実
旧警戒区域内に取り残された被ばく牛300頭が今も生を長らえている。2016.8.20M&M
(福島第一原発から14キロ、浪江町のはずれにある希望の牧場=吉沢牧場で)
わが「ぶんぶん」の仲間も日々の活動の延長線上で、様々な形でこの夏も各地各グループそれぞれの保養ステイ活動に参加してきたので、NHKの指摘は他人事ならず。
で実は、ブログの13日付け「チェルノブイリ30年、福島5年」というタイトルは『文藝春秋』9月号の巻頭エッセイ、医師で松本市長の菅谷昭(すげのや・あきら)さんのタイトルをそのまま引用したもので、このNHKニュースの裏の現実を示すものなのですね。
菅谷医師は1996年1月から2001年6月まで5年半にわたりベラルーシで医療支援活動に身を投じてきた人。今年は事故後30年という節目の年で、この夏、あらためてベラルーシの姿を確かめるための旅に出て、高度に汚染されたゴメリ州の地区病院の院長から発しられた質問に絶句した……という内容なのです。さて、そのまま転記します。
「ベラルーシは必ずしも経済的に豊かな国ではありません。しかし、汚染地に住む子どもたちの命と健康を守るために、夏期休暇時には1カ月ほどの健康保養を国の責任として無料で実施しています。経済的に裕福な日本では福島の子どもたちに国家の対策として、そのようなプログラムを行っていないのはどうしてですか。日本は国が狭いので保養をさせる場所が無いのでしょうか」
菅谷さんが一瞬絶句したことは言うまでも無い。そしてぼくもまたこのエッセイを読んで絶句。東京オリンピックにかける厖大な予算の100分の1でも、子どもたちの健康のための対策に費やしてほしいと願うのですが……。
いまだ県の内外に約9万人もの避難者をかかえる福島県。
南相馬市では7月12日、東京電力福島第一原発から20キロ圏内の避難指示が居住制限区域と避難指示解除準備区域において解除され、市のHPは「避難指示の解除は本格的復興に向けてのスタート。市民の誰もが安心に暮らすことができ、子どもたちがこの地で育ったことを誇りに思えるまちづくりに邁進してまいります」と綴るのですが、市民とりわけ子どもたちの健康面の不安はなお置き去りにされたままのようです。(ぶろぐ制作本舗広報担当:M&M)
連日連夜、オリンピックでの日本選手の大活躍をめぐるTVのヒートアップ状態を考えるといかにも地味で、しかももはや旧聞に属するのですが、17日(水)朝のNHK・TVのニュースが福島原発事故に関して注目すべき調査結果を報じていました。
あいにく朝は音声だけ聞きながら洗顔するのが日課なので内容についてはイマイチ把握できていなかったので、いまようやくWEBサイトから記事を拾いました。何かと政権寄りの偏向?が懸念されるNHKなのですが、報道を評価し、とりあえず勝手に引用させていただきます。
原発事故 ふるさと離れて“保養”9000人余
8月17日 4時55分
東京電力福島第一原発の事故を受けて、放射線への不安から一時的にふるさとを離れて過ごす「保養」を行った人が、去年10月までの1年間にのべ9000人余りに上っていたことが分かり、調査を行った民間団体は「費用面などで支援が必要だ」としています。
5年前の原発事故のあと、幼い子どもがいる親を中心に、放射線への不安から夏休みなどを利用して一時的にふるさとを離れて過ごす「保養」が広がりました。
「保養」について情報提供を行っている民間団体、リフレッシュサポートは、その実態を把握しようと、保養を受け入れている234の団体を対象に調査を行い107の団体から回答を得ました。それによりますと、去年10月までの1年間に保養を行った人は、福島県の居住者を中心にのべ9301人に上っていたことが分かりました。
滞在先は北海道から沖縄まで全国29の都道府県にわたります。受け入れの課題を聞いたところ、「活動の資金不足」が28団体、「原発事故や支援に対する関心の低下」が18団体などとなっています。原発事故のあと、福島県は子どもたちの自然体験活動などに対して宿泊費や交通費を支援する制度を設けていますが、県外では対象が6泊7日以上に限られています。リフレッシュサポートの疋田香澄代表は「実際にはもっと多くの人たちが保養を繰り返しているみられ、家族と受け入れ団体の双方に費用面などで支援が必要だ」と話しています。
■「福島5年」……経済大国ニッポンの現実
旧警戒区域内に取り残された被ばく牛300頭が今も生を長らえている。2016.8.20M&M
(福島第一原発から14キロ、浪江町のはずれにある希望の牧場=吉沢牧場で)
わが「ぶんぶん」の仲間も日々の活動の延長線上で、様々な形でこの夏も各地各グループそれぞれの保養ステイ活動に参加してきたので、NHKの指摘は他人事ならず。
で実は、ブログの13日付け「チェルノブイリ30年、福島5年」というタイトルは『文藝春秋』9月号の巻頭エッセイ、医師で松本市長の菅谷昭(すげのや・あきら)さんのタイトルをそのまま引用したもので、このNHKニュースの裏の現実を示すものなのですね。
菅谷医師は1996年1月から2001年6月まで5年半にわたりベラルーシで医療支援活動に身を投じてきた人。今年は事故後30年という節目の年で、この夏、あらためてベラルーシの姿を確かめるための旅に出て、高度に汚染されたゴメリ州の地区病院の院長から発しられた質問に絶句した……という内容なのです。さて、そのまま転記します。
「ベラルーシは必ずしも経済的に豊かな国ではありません。しかし、汚染地に住む子どもたちの命と健康を守るために、夏期休暇時には1カ月ほどの健康保養を国の責任として無料で実施しています。経済的に裕福な日本では福島の子どもたちに国家の対策として、そのようなプログラムを行っていないのはどうしてですか。日本は国が狭いので保養をさせる場所が無いのでしょうか」
菅谷さんが一瞬絶句したことは言うまでも無い。そしてぼくもまたこのエッセイを読んで絶句。東京オリンピックにかける厖大な予算の100分の1でも、子どもたちの健康のための対策に費やしてほしいと願うのですが……。
いまだ県の内外に約9万人もの避難者をかかえる福島県。
南相馬市では7月12日、東京電力福島第一原発から20キロ圏内の避難指示が居住制限区域と避難指示解除準備区域において解除され、市のHPは「避難指示の解除は本格的復興に向けてのスタート。市民の誰もが安心に暮らすことができ、子どもたちがこの地で育ったことを誇りに思えるまちづくりに邁進してまいります」と綴るのですが、市民とりわけ子どもたちの健康面の不安はなお置き去りにされたままのようです。(ぶろぐ制作本舗広報担当:M&M)