TREK&RIDE

山と自転車!

北海道山スキー

2011-01-04 | 山スキー
年末はkobaさんと北海道の山に滑りに行ってきました。
念願の北海道山スキー初体験です。

【12月23日 曇り】
始発便で千歳へ飛び、車をお借りしてニセコへ向かう。
今年の北海道は例年にない雪不足。
ようやくこの日千歳は積雪に恵まれたが西に向かうにつれて雪は乏しく…
目当ての尻別岳に偵察に行くもヤブヤブランドの哀れな山肌。
羊蹄山も見て回ったがこっちもイマイチ。
次にニセコの五色温泉もチェックしにいったら…酷いヤブ。
翌日からは雪の予報が続くというが、いったいどこを滑るのやら。
気落ちしつつ倶知安で買い出し&温泉に入って今夜の宿「駅の宿ひらふ」に向かった。

JRの駅舎をそのまま民宿として利用している駅の宿。
宿泊者は他に2名。ラジオと時折行き来する汽車の音以外は何もない驚くほど時の流れがゆっくりとした場所だった。

【12月24日 曇り時々雪】
夜中、駅舎の屋根裏のベッドスペースは極寒だった…らしい。
kobaさん寒さで寝れんかったとか。

朝方雪はちらついていたものの新たな積雪はナシ。
この雪不足で滑るところは無いかもしれないが、初日は羊蹄山の沢を狙ってみることにした。
5時起床の6時出発。
羊蹄山の登山口を7時過ぎにスタートする。
前日に入山者が有った模様。この日は先行者無し。

登山道に沿ったコースは笹だらけ。
標高1000mのところに「テラス」があってここが今日の滑降ラインの「ボトム」になるわけだが、900mくらいから藪が酷くなる。
酷い藪。ヤブヤブ。このまま歩き続けて本当に雪は現れるのか?
疑心暗鬼になりながら悲壮感、徒労感いっぱいで登高を続ける。

漸く藪を突破して目的の沢に出てみると…
あらら!意外なことに沢には結構雪が溜まっている。
手前に沢は少し狭いのでもう一本奥の沢へと横断。
そうすると…あらら!素晴らしい沢が現れた。

こりゃイケるじゃないですか!
ただ問題はガス。視界が全然無い。
とりあえず行けるところまで、ジグを切って登ってゆくが、まったく霧が動く気配が無いので標高1,250mくらいで行動中止。諦めて滑走準備に入る。

雪は結構いいものの…ホワイトアウト。
せっかくの大斜面もまともに滑れたもんじゃない。
上下の感覚が計りづらいため、あらぬ方向へ滑ってしまう。
結局満足できるターンをすることなくあっという間にテラスのボトムに下りてしまう。
そこから先は笹藪スキー。
まぁ、こんなんですけど初滑り。やっぱスキーは楽しいな!

【12月25日 曇り時々雪】
天気予報では雪が降る降ると言っているのにニセコに雪がやって来ない。
クリスマスやでサンタさん。雪持ってきておくれ!
他に滑れそうな場所も無いとのことで、この日も羊蹄山。
昨日と同じルートを辿る。気温は結構低くて氷点下8~10℃くらい。止まると寒い。
昨日滑った沢に到達すると、曇っているものの視界は良好。沢の上部標高1,500mのラインまで見えている。
昔、先輩が羊蹄山を滑った話を聞いて想像を越えた世界に憧れとともにシンジラレナイという思いで驚嘆したことを思い出す。
自分にもその羊蹄山を滑るチャンスがやってきた。



下から見上げる広大な沢は素晴らしい。
幅100m近くで標高差400mは取れるかも。文句なしのフラットバーンに登高意欲も否応なしに上がる。
沢の右手をジグ切って一生懸命登った。
雪は柔らかく登高しやすい条件だったが標高1,350mを越えたあたりで雪質が変化した。
10㎝程下にやや堅い面がある。まだ上を狙って行けないことはないが…
この日も山はガスが多く、滑走に好条件とはいえない。
時折ガスが辺りを覆い、視界を遮ってしまうことがある。
これまでの労力を無駄にせず確実に一本滑るためには滑降のタイミングを的確に判断する必要がある。
昨日の二の舞は御免だ。
雪質の変化とガスの湧き具合から標高1,400mで登高を中止し滑降準備に入る。
そしてガスが晴れた間隙を狙ってドロップ。

斜面の幅いっぱい使って大きく滑ればよかったが、少しちっこく回ってしまった印象。
でも雪はよかった。
実質シーズン一本目をうまくまとめて滑ることができて十分満足。
羊蹄山を自分の足で滑ることができ最高の一本だった。
あとは前日と同じく笹原スキー。まぁポンツーンなら多少の笹もガンガン蹴散らして走ってゆく。
藪といっても本州の針葉樹の林を行くことを思えば随分楽なもの。あっというまに登山口まで無事下山。
真狩温泉で温まって、時間があったので倶知安の「スポタキ」寄ってから宿に帰った。

【12月26日 雪のち晴れ】
サンタにお願いした雪…一日遅れでやってきた。
しかも…大雪。
今回の雪は余市・赤井川方面にドカッと来たようなのでキロロでも行く?という話も上がったが…
ガンガン降ってて、こりゃ山行っても視界悪くて滑り楽しくないカモね。
っつうことで山は中止。
こういう日は…やっぱ秀岳荘でしょう!

お昼時に札幌に着いたら、魚を食べたくない?って話になった。
急遽友人に電話してお薦めスポットをリクエスト。
教えてもらった桑園の市場へ行って市場内の食堂の日替定食でギンダラをいただく。
680円でいい味だった。
桑園の石井スポーツをぷらっと流してから秀岳荘へ。
夜は市内の友人宅に泊めてもらう。

【12月27日 曇りのち晴れのち曇り】
余市岳。ここ2、3日の間大雪が降ったようでやはり狙うならココ!ということになった。
キロロスキー場からアプローチ。
kobaさんの友達3人と合流してゴンドラに乗ってゲレンデトップへ。
天気の回復が期待ほどでなく余市岳山頂は流れる雲に覆われているが、悪天候の雰囲気ではなかった。
きっと晴れると期待を胸に行動開始。
が、冬の北海道の山は手強い。
吹きつける寒風に頬の感覚がなくなりそうだが気持ちは前に。
時折日差しが差し込んだ時の「飛行場」と呼ばれる大雪原の輝きは足取りを軽やかにしてくれる。
途中スノーモービルが2、3台追い抜いて余市岳方向に去って行った。
余市岳とのコルに達する頃には天気は回復して晴れてきた。
懸案はただひとつ…さっきのスノーモービルが南面の下方でブンブン廻していたので、目当ての斜面を全部食べられてしまわないか心配したが、やがて朝里の方向へ戻っていった。



そして滑降。
南面の雪はやや堅そうな印象があったので、転倒しないかいささか不安になりながらドロップ。
突っ込んでみると不安は吹っ飛ぶ。極上のパウダーに歓声あげながら一気にボトムまで滑りこんだ。会心の一本。



シールを貼り直してもう一本登り返し。
二本目は一本北寄りのラインへ。
ここも広々とした斜面で雪も深くて最高だったのだが…
ライン取りに失敗して途中の藪でストップしてしまった。
そのまま突破してしまえる程度の背丈の藪だっただけに非常に悔やまれる。
モヤモヤした気分のまま終了。

帰路は沢に下りてのツアーも予定していたが、時間もないため来た道をゲレンデトップに向けて引き返す。
天候が崩れ始め、朝よりも厳しく冷たい風が身を凍らせる。
ゲレンデトップからはボトムまでゲレンデを滑走。堅いゲレンデをポン君で滑るのは大変大変。疲れてきたところで派手に転んで少し肩を痛めた。
16時前にキロロを出発して今夜の宿の十勝岳温泉白銀荘まで大移動。

【12月28日 曇りのち晴れ】
kobaさんの滑り仲間が十勝岳温泉に集結して1泊2日の合宿。
僕らは1日目の夜からの参加となったが、僕らが余市岳でパウダーを食っていた頃、富良野岳は無風のドピーカン!
それはそれは素晴らしい天候だったそうだ。十勝連峰から大雪まで絶好の展望が得られたらしい。
ただ、ここも雪不足。
富良野岳も例年より藪が酷く、スキーに関しては快適とはいかなかったという。
合宿2日目のこの日は初日と同じく富良野岳のベベルイ沢を目標に行動することとなった。
ベベルイ沢…響きがいいね。
12人の大隊での行動は初めての経験だった。威勢のいい体育会系?パーティに借りてきた猫一匹なオレ…



樹林帯を抜けて疎林に出ると十勝連峰が綺麗に見えていた。今日もまずまずの穏やかな日和。
天気がよい分、雪はイマイチ…ヤブい!
ベベルイ沢は藪のうえ、雪も明らかにカチコチのため却下。
南側の沢に予定を変更してトラバースする。こっちもガチゴチ。



沢の真ん中はどうも雪が固くて楽しめそうにないので、尾根を下って雪の溜まっていそうな場所を探す。
先に下りた人と無線でやり取りしながらポイントに達する。
大斜面とは言えないが雪は良さそうな場所。
せっかくだからと僕に一番最初に滑らせてくださった。新参者を温かく迎えてくれた先輩方に感謝。
遠慮なくいただきました!!
2~3ターンで終わってしまったけれど、なかなかの深雪で心地よかったです。

この日の滑りはこの一本だけ。
平湯あたりの密林を彷彿させる見事な藪にひぃひぃ言いながら下山。
その後、雪崩事故に備えて埋没者捜索訓練に参加させていただく。
こういう貴重な体験ができたことも今回とても有意義だった。
バーデンかみふの露天風呂に入って合宿は終了。
皆様たいへんお世話になりました。

夜は南富良野の隠れ家のような山荘に移動して余市でご一緒したお二方と再合流。
宴会が盛り上がって???
撃沈…

【12月29日 曇り】
北海道山スキーも今日が最終日。
久しぶりのKOでこの日は二日酔いで死亡か…と思われたが意外にもスッキリ。
やっぱ楽しい酒は?????後味も…まぁ良い。。。
前日から南富良野に入っていたSさんの偵察でこの日の山は狩勝山。
そんな山があったのも知らなかったす。
狩勝峠から眺めると西側に真っ白な適地が見えるのだという。
前日のチェックでは面ツルPOWDERとのこと。
ここを3本ほど滑れれば結構楽しめるのではないかと、皆で期待して入山したのだが。
南岸低気圧が通過していたこの日、西寄りの強風が十勝平原から狩勝山に向かって叩きつけていた。
山頂に立ってもこの風ではダメかもしれん、と口々にこぼれる。
風が強くて大変なのはない。
強風に雪が飛ばされて昨日見た面ツルが失われることが懸念されるのだ。
そして2時間程度歩いたすえに到達したその場所は…

見事な笹原。
雪が吹き飛ばされて笹がニョキニョキと顔を出していた。
草原スキーだ、アルプスの少女ハイジだ♪って…そんな陽気なコト…がっくり。

諦め気分でシールを剥がして滑走。
まぁ酷い笹原でしたが…意外と滑れる。
下部は結構楽しめた。その先の疎林帯もなかなかの良い雪で遊べた。
無理やり下部まで楽しんだ分、登山口へのトラバースは登り返しもあって苦労したが思い出に残るグリーンスキーとなった。



隠れ宿に戻って美味いコーヒーをごちそうしてもらってSさん達とは別れる。
この日の夜はまた札幌の友人宅にお世話になる。
すき焼きのごちそうと美味い日本酒で歓待してくださった。

その後…
3日間札幌に滞在して新年を迎える。うまいもんを死ぬほど食べせてもらう。

念願の北海道山スキーはあっという間に終わってしまいました。
雪不足には泣かされたものの、やっぱり初滑りは楽しいし、何より北海道の山を毎日滑ることができたので文句なし。
いろんな人と一緒に滑ることができて楽しかったしいろいろ勉強もできました。
そして札幌では連日北の幸満載の豪華な食事。

いや~、最高した!
んで、また行きたい!!

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