2008年5月5日 (第3日 蓮華温泉~赤男山とのコル~朝日岳~五輪側斜面~蓮華温泉)
4時過ぎに起床。窓から外を伺うと高曇り。山は見えている。行けそうだ。
同室の3名が寝ておられる中でゴソゴソと出発の準備。ご迷惑おかけしました。
外に出て昨日朝日岳に行かれた方からルートの状況を教えていただく。
山頂へは五輪側から登るより左手の赤男山のコルから上がった方が速いとか。昨日もそっちのルートを取るパーティが多かったそうなので、僕らも赤男山側からアタックすることにした。
5時04分。蓮華温泉出発。
高曇りの状況がいつまで持つか。今日は途中敗退の確率が高そうだ。引き返して帰り道に雨に降られてもザックカバーとか持ってないんだな…
でも、誰も雨の心配は口にしない。みんな行く気マンマンのようです。
兵馬の平を抜けてゆく。この時は朝日岳に雲がかかっていた。
兵馬の平の先をほんの少し登り返して瀬戸川鉄橋まで一気に高度を下げる。
標高が低いこともあるが、折からの暖気。異様に空気が暖かい。
新緑には少し早く、対岸に紅色の山桜が咲いていた。
先行パーティに続いて立派な鉄橋を渡る。
5時55分。瀬戸川を渡った先でシールを貼る。
ここから樹林の中の小尾根をゆるやかに登って行く。途中右手に小さな池を二つばかり見る。
ひょうたん池のある台地に向けて登りあげる斜面の途中、標高1,300mのあたりで熊の足跡に遭遇。
このあたりは熊が頻出するらしく、前日、前々日にも5m先に現れたとか1m横を通っていったという話を聞いているから怖い。熊鈴は持っておらず不安なので笛を鳴らしてみたが、かえって熊を呼んじゃいそうな気がしてまた怖くなったので1回で止めた。
それほど大きな個体ではないらしい。
6時40分。ひょうたん池。
池の大半は雪で埋まっているようで、GPSを見ると池の真上に立っているようだ。
ここで小屋で作ってもらった弁当のおにぎりを広げて朝食とする。小屋ならおかわり自由だが、弁当ならおにぎり二個だけ。ちとキビシイ。
6時50分。行動再開。
ひょうたん池の先にテントが一張り。水芭蕉の畔の素敵なサイトだ。
この先のルート取りは、右手に白高地沢を認識しつつ、沢の方には下らずにほぼ直線的に白高地沢右岸の高台を進んだ。
多少起伏があるものの直進を阻まれるような斜面はなかった。別のパーティは沢寄りのルートを歩いておられた。そっちの方が滑らかに高度を上げられるのかも。
猫のような岩の横を通過した。もしくは蛙のよう?
8時10分。標高1,700m。赤男山からの尾根を越えたあたりで休憩。
ここにも熊の足跡があった。昨日あたりのもの。
先ほどの足跡とほぼ同じ大きさ。同一個体のものか?
天気はまだ大丈夫そう。前方の朝日岳も今はよく見えている。
振り返れば頚城の山は厚い雲に沈んでしまった。
こっちもそのうち雨雲がやってくるのかな。
8時20分。行動再開。
朝日岳がいよいよ近くなってきた。
前方の斜面には大きなクラックが幾重にも。デブリ痕もいっぱい。
赤男山とのコルへのルートは大丈夫なのか。
コルに向かって大きく左に沢を回り込むと、沢が結構広くてなだらかであることが分かった。
朝日岳側の斜面はやはり雪崩れが心配だが、赤男山寄りに進めば大丈夫そうだ。
先頭を行くKさんの先を一頭のカモシカが朝日岳の方へ駆け上がっていった。
9時15分。赤男山とのコル。
コルに出る直前にザーッと雨が降ってきた。
辺りも雨に煙っていたので、今日はコルまでで撤退かと思ったが、暫くして雨は上がった。
そして誰も撤退を口にしなかった。みんな行く気マンマンです。
デブリとクラックが不気味。
この日は白馬も雪倉も結構雨に降られたらしい。
10時15分。標高2,300m。
ここで大休止。風を避けるために樹林帯の下にパクッと口を開けたシュルンド?の中でのランチタイムとなった。
10時38分。行動再開。
もう山頂はすぐそこです。なんとか天気も持ちました。さぁ、あとちょっとです。
10時58分。朝日岳山頂。
山頂は広い雪原。ぐるっと1周してみた。海が随分と近く感じられた。
みんなで山頂で記念撮影。お疲れ様です、今日の山頂もいい思い出になります。
ずっと雲の中だった白馬岳の山頂が見えた。
さて、どっちから滑って帰ろうかということになったのだが、五輪側から来たパーティ(小屋で朝ごはん食べてから、もう山頂。速っ!)の方が「でっかい一枚バーン」があると教えてくださったので、じゃぁそっち!!
11時27分。滑走開始。
滑り出しは緩やかな斜面。ちょっと雪倉にも似た感じ。
そして一段下ったその先が…何とも素晴らしい斜面でした。
広~い、ややすり鉢状の一枚バーン。もうどこ滑っても最高です。
この大斜面です。僕もこの中にいます。PHOTO BY Kさん
かっこいいです。
大斜面での滑りを満喫したあと、休憩を挟んで下山路へ。
1,700mの休憩ポイントで往路と合流した後、今度はひょうたん池に向かってなるべく高度を下げないように赤男山側の山腹をトラバースした。
ひょうたん池の先は少し登り返して、あとは瀬戸川までズンズン下降。
12時45分。瀬戸川鉄橋。
ここでシールを貼っておいて担いで鉄橋を渡る。
兵馬の平まではツボ足。先行パーティのステップを利用させていただいたおかげで歩行は助かる。でも標高差150mはしんどい。
13時30分。兵馬の平。
ここまで来ればあと少し、と思うが蓮華温泉は結構遠い。
ま、なんとか雨は大丈夫みたい。
兵馬の平からはブナ林が気持ちいい。
14時36分。蓮華温泉到着。
どうもお疲れ様でした。
小屋の前でドテ~ッとしている間にYさんがビールを抱えて出てこられた。さすがです。
ではでは、朝日に向かって乾杯~!(ビールはASAHIに限ります)
飲み終わった頃に雨が降ってきたので小屋に入る。小屋は宿泊者も減ってひっそり。
部屋割も変わって本日の部屋に向かうと単独の方が一人。おじゃましま~す。
とりあえず片付けをしたところでYさんと雨の中露天風呂へ向かう。
僕らの他に、今日白馬から雪倉北面を滑って白高地沢の方へ滑り込んでこられた方もご一緒にのんびり湯に浸かる。
いやいや、雨が降っても露天は最高ですね~。
そのうち雨がボタボタ降ってきたので湯から上がった。風邪ひきそ。
部屋に戻って夕食までの間、同室の方も交えていろいろお話。
話をしているうちに去年のGW飛騨沢の話題になり、どうも同日に登っているよね、ということになって…なんと!昨年お会いしたMINMINさんであることが判明!これにはビックリ。MINMINさんも僕のブログを時折見て下さっていたようで「鎖骨の人!?」と驚いておられた…
夕食時、食堂に行くと3年前に雪倉岳に同行させていただいたBさんと再会。毎年来られているようです。
楽しい話題をおかずに夕食をモリモリいただいたあと、翌日の天気予報を聞くと、明日は文句なしの晴天です!
さ~て、今回のツアーも明日で終わりです。
金山沢下部の雪の状態が少し心配だけど、明日もいい日になるといいね。
おやすみなさい。
4時過ぎに起床。窓から外を伺うと高曇り。山は見えている。行けそうだ。
同室の3名が寝ておられる中でゴソゴソと出発の準備。ご迷惑おかけしました。
外に出て昨日朝日岳に行かれた方からルートの状況を教えていただく。
山頂へは五輪側から登るより左手の赤男山のコルから上がった方が速いとか。昨日もそっちのルートを取るパーティが多かったそうなので、僕らも赤男山側からアタックすることにした。
5時04分。蓮華温泉出発。
高曇りの状況がいつまで持つか。今日は途中敗退の確率が高そうだ。引き返して帰り道に雨に降られてもザックカバーとか持ってないんだな…
でも、誰も雨の心配は口にしない。みんな行く気マンマンのようです。
兵馬の平を抜けてゆく。この時は朝日岳に雲がかかっていた。
兵馬の平の先をほんの少し登り返して瀬戸川鉄橋まで一気に高度を下げる。
標高が低いこともあるが、折からの暖気。異様に空気が暖かい。
新緑には少し早く、対岸に紅色の山桜が咲いていた。
先行パーティに続いて立派な鉄橋を渡る。
5時55分。瀬戸川を渡った先でシールを貼る。
ここから樹林の中の小尾根をゆるやかに登って行く。途中右手に小さな池を二つばかり見る。
ひょうたん池のある台地に向けて登りあげる斜面の途中、標高1,300mのあたりで熊の足跡に遭遇。
このあたりは熊が頻出するらしく、前日、前々日にも5m先に現れたとか1m横を通っていったという話を聞いているから怖い。熊鈴は持っておらず不安なので笛を鳴らしてみたが、かえって熊を呼んじゃいそうな気がしてまた怖くなったので1回で止めた。
それほど大きな個体ではないらしい。
6時40分。ひょうたん池。
池の大半は雪で埋まっているようで、GPSを見ると池の真上に立っているようだ。
ここで小屋で作ってもらった弁当のおにぎりを広げて朝食とする。小屋ならおかわり自由だが、弁当ならおにぎり二個だけ。ちとキビシイ。
6時50分。行動再開。
ひょうたん池の先にテントが一張り。水芭蕉の畔の素敵なサイトだ。
この先のルート取りは、右手に白高地沢を認識しつつ、沢の方には下らずにほぼ直線的に白高地沢右岸の高台を進んだ。
多少起伏があるものの直進を阻まれるような斜面はなかった。別のパーティは沢寄りのルートを歩いておられた。そっちの方が滑らかに高度を上げられるのかも。
猫のような岩の横を通過した。もしくは蛙のよう?
8時10分。標高1,700m。赤男山からの尾根を越えたあたりで休憩。
ここにも熊の足跡があった。昨日あたりのもの。
先ほどの足跡とほぼ同じ大きさ。同一個体のものか?
天気はまだ大丈夫そう。前方の朝日岳も今はよく見えている。
振り返れば頚城の山は厚い雲に沈んでしまった。
こっちもそのうち雨雲がやってくるのかな。
8時20分。行動再開。
朝日岳がいよいよ近くなってきた。
前方の斜面には大きなクラックが幾重にも。デブリ痕もいっぱい。
赤男山とのコルへのルートは大丈夫なのか。
コルに向かって大きく左に沢を回り込むと、沢が結構広くてなだらかであることが分かった。
朝日岳側の斜面はやはり雪崩れが心配だが、赤男山寄りに進めば大丈夫そうだ。
先頭を行くKさんの先を一頭のカモシカが朝日岳の方へ駆け上がっていった。
9時15分。赤男山とのコル。
コルに出る直前にザーッと雨が降ってきた。
辺りも雨に煙っていたので、今日はコルまでで撤退かと思ったが、暫くして雨は上がった。
そして誰も撤退を口にしなかった。みんな行く気マンマンです。
デブリとクラックが不気味。
この日は白馬も雪倉も結構雨に降られたらしい。
10時15分。標高2,300m。
ここで大休止。風を避けるために樹林帯の下にパクッと口を開けたシュルンド?の中でのランチタイムとなった。
10時38分。行動再開。
もう山頂はすぐそこです。なんとか天気も持ちました。さぁ、あとちょっとです。
10時58分。朝日岳山頂。
山頂は広い雪原。ぐるっと1周してみた。海が随分と近く感じられた。
みんなで山頂で記念撮影。お疲れ様です、今日の山頂もいい思い出になります。
ずっと雲の中だった白馬岳の山頂が見えた。
さて、どっちから滑って帰ろうかということになったのだが、五輪側から来たパーティ(小屋で朝ごはん食べてから、もう山頂。速っ!)の方が「でっかい一枚バーン」があると教えてくださったので、じゃぁそっち!!
11時27分。滑走開始。
滑り出しは緩やかな斜面。ちょっと雪倉にも似た感じ。
そして一段下ったその先が…何とも素晴らしい斜面でした。
広~い、ややすり鉢状の一枚バーン。もうどこ滑っても最高です。
この大斜面です。僕もこの中にいます。PHOTO BY Kさん
かっこいいです。
大斜面での滑りを満喫したあと、休憩を挟んで下山路へ。
1,700mの休憩ポイントで往路と合流した後、今度はひょうたん池に向かってなるべく高度を下げないように赤男山側の山腹をトラバースした。
ひょうたん池の先は少し登り返して、あとは瀬戸川までズンズン下降。
12時45分。瀬戸川鉄橋。
ここでシールを貼っておいて担いで鉄橋を渡る。
兵馬の平まではツボ足。先行パーティのステップを利用させていただいたおかげで歩行は助かる。でも標高差150mはしんどい。
13時30分。兵馬の平。
ここまで来ればあと少し、と思うが蓮華温泉は結構遠い。
ま、なんとか雨は大丈夫みたい。
兵馬の平からはブナ林が気持ちいい。
14時36分。蓮華温泉到着。
どうもお疲れ様でした。
小屋の前でドテ~ッとしている間にYさんがビールを抱えて出てこられた。さすがです。
ではでは、朝日に向かって乾杯~!(ビールはASAHIに限ります)
飲み終わった頃に雨が降ってきたので小屋に入る。小屋は宿泊者も減ってひっそり。
部屋割も変わって本日の部屋に向かうと単独の方が一人。おじゃましま~す。
とりあえず片付けをしたところでYさんと雨の中露天風呂へ向かう。
僕らの他に、今日白馬から雪倉北面を滑って白高地沢の方へ滑り込んでこられた方もご一緒にのんびり湯に浸かる。
いやいや、雨が降っても露天は最高ですね~。
そのうち雨がボタボタ降ってきたので湯から上がった。風邪ひきそ。
部屋に戻って夕食までの間、同室の方も交えていろいろお話。
話をしているうちに去年のGW飛騨沢の話題になり、どうも同日に登っているよね、ということになって…なんと!昨年お会いしたMINMINさんであることが判明!これにはビックリ。MINMINさんも僕のブログを時折見て下さっていたようで「鎖骨の人!?」と驚いておられた…
夕食時、食堂に行くと3年前に雪倉岳に同行させていただいたBさんと再会。毎年来られているようです。
楽しい話題をおかずに夕食をモリモリいただいたあと、翌日の天気予報を聞くと、明日は文句なしの晴天です!
さ~て、今回のツアーも明日で終わりです。
金山沢下部の雪の状態が少し心配だけど、明日もいい日になるといいね。
おやすみなさい。
予想より雪もしっかり付いていて、それほど難なく山頂に立たせてもらえました。
MINMINさんも、また蓮華温泉のリピーターになるんでしょう?今度は晴れた日に山頂に立ちたいですね。