2007年5月5日 (3日目) 太郎平小屋~北ノ俣岳~黒部五郎岳~北ノ俣岳~飛越トンネル
夜になると風が強くなるのはなぜだろう。昨夜も風が戸を叩いていた。
窓の外の薬師岳には雲が掛かっている。やはり今日は天候悪化か?
朝は小屋ではじっとしていられない。カメラを持って外に出る。
明け方は雲が掛かっていた薬師岳は綺麗な姿を現してくれた。しかし南の方角、北ノ俣や黒部五郎は雲に覆われている。今日は黒五までの縦走は無理か…
テレマーカーさんと太陽が出る瞬間をじっくり待つ。
時間が経つにつれて徐々に雲は少なくなる気配。北ノ俣の雲は切れてきた。このまま行けば雲は取れるかもしれない。
今日も薬師岳から昇る朝日を拝んで小屋に戻ろうとすると…
足元に何やら妙な足跡がある。
ん?人間のツボ足にしてはかなり小さい。よく見ると熊の足跡だ!
足跡は薬師沢の方から小屋の傍100mあたりに近づいて樹の間をうろうろしてから、また沢に方に下りていっていた。昨日右俣にあった足跡と同じ熊だろうか。
あっちのほうからやってきたらしい。
小屋に戻ろうとするとテレマーカーさんが手招き。
ん?今度は雷鳥がいるらしい。
昨日見たのよりも大きくて、羽根の斑模様が印象的な立派な雷鳥2号さん。
匍匐前進して近づこうとしたら気付かれました…
6時から食堂で朝食をいただく。絶望的に行動食が余っているのでご飯は一杯だけに。
6時半の出発をお約束していたが、単独行組は準備が遅れ、ご夫婦に先に出発していただいた。
6時55分。太郎平小屋出発。
空はすっきり晴れ上がっている。3日間素晴らしい天気に恵まれていることに感謝。
今日は初日の左俣登り返しルートでお会いした単独山スキーヤーさんも御一緒に黒部五郎岳を目指す。
昨日楽しく遊ばせてもらった薬師岳を名残り惜しむ。
北ノ俣岳への緩い斜面を登る途中、時折雷鳥が姿を見せてくれる。
雷鳥3号、4号…7号、8号、北ノ俣岳山頂までの間、出てくる出てくる。なんと10号まで数えた。
シールで歩く僕らから少し距離を置いてちょこちょこ歩く雷鳥は実に愛らしい。
8時28分。北ノ俣岳山頂。
お二人は先に山頂に到着して、待っていてくださった。
8時50分。シールを外して滑走モードで中俣乗越に向かってトラバース開始。
行く先の黒五は雲が多めだが、まだ時間は早い。行ける所まで行ってみよう。
9時00分。赤木岳の先で赤木沢を登って来る単独さんは…Hさん!またお会いしましたね。
これから北ノ俣東斜面を楽しんで行かれるとのこと。
また山でお会いすることを約してお別れ。3日間大変世話になりました。
トラバースルートの上手には雪庇の崩落痕。
快適な雪原もホワイトアウトは怖い。
9時16分。中俣乗越。
手前で雷鳥11号を撮影していたら遅れを取ってしまいました。
ここでシールを貼って登り基調に備える。
9時58分。標高2,555m地点。
いよいよこれから黒部五郎岳の斜面に取り付く。雲もかなり取れました。
右手の直登ルートはツボ足か?よく見るとツボ足に沿ってシール直登トレースがある。
よし、行ける所までシールで行ってやろう。最初からクトーを装着して臨んだ。
気温が高いためアイスバーンは緩み始めており、クトーが適度に効いた。
順調に高度を上げる。山頂部の緩斜面になってからゴールが遠く感じた。
10時34分。黒部五郎岳山頂。
山頂では雷鳥のカップルが出迎えてくれた。
ついつい、カメラに夢中になるが雪庇が危険です。落ち着いて。
雷鳥13、14号。身軽なカップルには雪庇の踏み抜きも無問題。
山頂には別のパーティも含めて続々と到着。
登頂を祝福するように、雷鳥さんがお出迎え。
みなさん、暫く足を止めてニッコリです。
11時20分。滑降開始。
先に滑り降りて行ったパーティに驚いたのか、雷鳥がパタパタと飛び上がる。
黒五山頂からの斜面は絶品。均一な斜度が暫く続く。ウマ沢へ滑り込めばウハウハものか。
今回は時間が無いので上部200m強の滑降で我慢。別パーティがウマ沢へ下りてゆくのを指をくわえて眺める。
素晴らしい大斜面にテレマークターンも気持ち良さそうです。
カールにウマ沢。宿題をもらってあとにする。
鞍部でシールを貼り、北ノ俣までトラバースルートを戻ります。
11時50分。
2,578mピークを巻いた所でランチタイム。
12時20分。行動再開。
赤木岳の手前で鳥の羽が散乱する現場あり。
嘴と尾だけを残した姿に唖然。鳶か烏か?これも自然の営み。
13時26分。北ノ俣岳。
何やら雨のようなものがポツポツと。下山は雨の中か?
ここまで楽しませてもらったので諦めもつくか。
13時47分。下山開始。
さすがに北ノ俣の斜面はグサグサの午後の雪。足を取られて転倒あり。
15分程で避難小屋まで下山。
ここから先は長い尾根を辛抱しないといけません。
14時40分。寺地山。
15時20分。神岡新道分岐。尾根を1本間違えそうになる。要注意ポイント。
16時20分。1,643mピーク。2日前は雪に覆われていた斜面の雪はかなり消え、一気に笹が立ち上っていた。
16時47分。雨に降られることも無く飛越トンネルに無事下山。
お疲れ様でした!いまは充実感で一杯です。心地良い疲れを感じながらのんびり後片付け。
このまま皆様とお別れするのは寂しいですね、ということで平湯温泉でゆっくり汗を流すことになりました。温泉に浸かってさっぱりたら…
グビッとお水で乾杯。鉄板を囲んで焼肉をいただきながら楽しいひと時を過ごさせていただきました。こんなヤマの締め方もあるのだな。。。
そしてお別れ。3日間本当に楽しい時間を御一緒させていただきました。
どうもありがとうございました。またお会いできる日を楽しみに…
その後は渋滞も解消した東海北陸道で南下。美並の先で睡魔に撃沈。
帰宅したのは朝4時でした。お疲れ!
夜になると風が強くなるのはなぜだろう。昨夜も風が戸を叩いていた。
窓の外の薬師岳には雲が掛かっている。やはり今日は天候悪化か?
朝は小屋ではじっとしていられない。カメラを持って外に出る。
明け方は雲が掛かっていた薬師岳は綺麗な姿を現してくれた。しかし南の方角、北ノ俣や黒部五郎は雲に覆われている。今日は黒五までの縦走は無理か…
テレマーカーさんと太陽が出る瞬間をじっくり待つ。
時間が経つにつれて徐々に雲は少なくなる気配。北ノ俣の雲は切れてきた。このまま行けば雲は取れるかもしれない。
今日も薬師岳から昇る朝日を拝んで小屋に戻ろうとすると…
足元に何やら妙な足跡がある。
ん?人間のツボ足にしてはかなり小さい。よく見ると熊の足跡だ!
足跡は薬師沢の方から小屋の傍100mあたりに近づいて樹の間をうろうろしてから、また沢に方に下りていっていた。昨日右俣にあった足跡と同じ熊だろうか。
あっちのほうからやってきたらしい。
小屋に戻ろうとするとテレマーカーさんが手招き。
ん?今度は雷鳥がいるらしい。
昨日見たのよりも大きくて、羽根の斑模様が印象的な立派な雷鳥2号さん。
匍匐前進して近づこうとしたら気付かれました…
6時から食堂で朝食をいただく。絶望的に行動食が余っているのでご飯は一杯だけに。
6時半の出発をお約束していたが、単独行組は準備が遅れ、ご夫婦に先に出発していただいた。
6時55分。太郎平小屋出発。
空はすっきり晴れ上がっている。3日間素晴らしい天気に恵まれていることに感謝。
今日は初日の左俣登り返しルートでお会いした単独山スキーヤーさんも御一緒に黒部五郎岳を目指す。
昨日楽しく遊ばせてもらった薬師岳を名残り惜しむ。
北ノ俣岳への緩い斜面を登る途中、時折雷鳥が姿を見せてくれる。
雷鳥3号、4号…7号、8号、北ノ俣岳山頂までの間、出てくる出てくる。なんと10号まで数えた。
シールで歩く僕らから少し距離を置いてちょこちょこ歩く雷鳥は実に愛らしい。
8時28分。北ノ俣岳山頂。
お二人は先に山頂に到着して、待っていてくださった。
8時50分。シールを外して滑走モードで中俣乗越に向かってトラバース開始。
行く先の黒五は雲が多めだが、まだ時間は早い。行ける所まで行ってみよう。
9時00分。赤木岳の先で赤木沢を登って来る単独さんは…Hさん!またお会いしましたね。
これから北ノ俣東斜面を楽しんで行かれるとのこと。
また山でお会いすることを約してお別れ。3日間大変世話になりました。
トラバースルートの上手には雪庇の崩落痕。
快適な雪原もホワイトアウトは怖い。
9時16分。中俣乗越。
手前で雷鳥11号を撮影していたら遅れを取ってしまいました。
ここでシールを貼って登り基調に備える。
9時58分。標高2,555m地点。
いよいよこれから黒部五郎岳の斜面に取り付く。雲もかなり取れました。
右手の直登ルートはツボ足か?よく見るとツボ足に沿ってシール直登トレースがある。
よし、行ける所までシールで行ってやろう。最初からクトーを装着して臨んだ。
気温が高いためアイスバーンは緩み始めており、クトーが適度に効いた。
順調に高度を上げる。山頂部の緩斜面になってからゴールが遠く感じた。
10時34分。黒部五郎岳山頂。
山頂では雷鳥のカップルが出迎えてくれた。
ついつい、カメラに夢中になるが雪庇が危険です。落ち着いて。
雷鳥13、14号。身軽なカップルには雪庇の踏み抜きも無問題。
山頂には別のパーティも含めて続々と到着。
登頂を祝福するように、雷鳥さんがお出迎え。
みなさん、暫く足を止めてニッコリです。
11時20分。滑降開始。
先に滑り降りて行ったパーティに驚いたのか、雷鳥がパタパタと飛び上がる。
黒五山頂からの斜面は絶品。均一な斜度が暫く続く。ウマ沢へ滑り込めばウハウハものか。
今回は時間が無いので上部200m強の滑降で我慢。別パーティがウマ沢へ下りてゆくのを指をくわえて眺める。
素晴らしい大斜面にテレマークターンも気持ち良さそうです。
カールにウマ沢。宿題をもらってあとにする。
鞍部でシールを貼り、北ノ俣までトラバースルートを戻ります。
11時50分。
2,578mピークを巻いた所でランチタイム。
12時20分。行動再開。
赤木岳の手前で鳥の羽が散乱する現場あり。
嘴と尾だけを残した姿に唖然。鳶か烏か?これも自然の営み。
13時26分。北ノ俣岳。
何やら雨のようなものがポツポツと。下山は雨の中か?
ここまで楽しませてもらったので諦めもつくか。
13時47分。下山開始。
さすがに北ノ俣の斜面はグサグサの午後の雪。足を取られて転倒あり。
15分程で避難小屋まで下山。
ここから先は長い尾根を辛抱しないといけません。
14時40分。寺地山。
15時20分。神岡新道分岐。尾根を1本間違えそうになる。要注意ポイント。
16時20分。1,643mピーク。2日前は雪に覆われていた斜面の雪はかなり消え、一気に笹が立ち上っていた。
16時47分。雨に降られることも無く飛越トンネルに無事下山。
お疲れ様でした!いまは充実感で一杯です。心地良い疲れを感じながらのんびり後片付け。
このまま皆様とお別れするのは寂しいですね、ということで平湯温泉でゆっくり汗を流すことになりました。温泉に浸かってさっぱりたら…
グビッとお水で乾杯。鉄板を囲んで焼肉をいただきながら楽しいひと時を過ごさせていただきました。こんなヤマの締め方もあるのだな。。。
そしてお別れ。3日間本当に楽しい時間を御一緒させていただきました。
どうもありがとうございました。またお会いできる日を楽しみに…
その後は渋滞も解消した東海北陸道で南下。美並の先で睡魔に撃沈。
帰宅したのは朝4時でした。お疲れ!
レポ、じっくり読まさせていただきました。
このGWは天気に恵まれ本当に良かったです。
小屋定着による「縦横」山行、存分に非日常の世界を楽しまれたようですね。
槍でこの時期パウダーが楽しめるなんて、北アの山岳スケールは圧倒されます。
北アは楽しみにとってあるのですが、そろそろ解禁しなきゃ、とりあえず下見を兼ねて夏山から行こうかなぁ~、なんて少し触発されました
駄文にお付き合い頂きまして恐縮です。
小屋定着でどっぷりスキーを楽しめるのはGWの魅力ですね。日帰りと違い山で朝晩を迎えられるのでいろいろ体験できてワクワクです。
天気も良く、日焼け止めを塗りまくった割には黒いです…
北アは何度いただいてもおいしいので、とっておいては勿体ないですよ。夏山もいいですね~。
GW後半のレポート、地図を片手にじっくり読ませていただきました。
北ノ俣岳の東面は自由自在のルート取りができそうですね。登り返すのを忘れてどこまでも滑ってしまいそうです。
レポを読んでいて、山スキーを始めた年に足をすくませた金作谷にも興味が湧いてきました。
それまで、少しずつ経験を重ねていければ、と思います。
長文読んでいただき有難うございます。
北ノ俣岳は登り返して方々の快適斜面を滑る方が楽しいのかもしれません。今回は下部の沢を散策して北ア深部の触りだけ、少し覗くことができました。
金作谷はエイヤーッ!で飛び込んでこそ、そこに新しい世界が広がるのでしょうね。今回は未だちょっと早い気がして…僕も一歩一歩近づいていければと思います。
僕は連休中は無休だから、こんなビッグルートに行けない
bunさんのブログを何度も読んで地図と写真を見て、自分が行った気分になるのが精一杯です。
いや~楽しかったな~。
お仕事お忙しいようですね。
僕のように連休をいただいて山に行ける者は感謝しないといけないと反省の思いです。
そろそろ、シーズン終盤ですが、天気に恵まれて最高の滑りで終えられるといいですね…まだ行くつもり。