GWも明けてそろそろシーズンも終盤、板納めの時期の感。
来期以降のツアーの偵察も兼ねて、まだ訪れたことのない「大ノマ」から双六谷方面に出かけてみた。
土曜日は半日出勤、昼過ぎに帰宅後出撃するつもりが少し横になると夕方まで爆睡。
結局17時に出発して新穂には22時前に到着した。
翌朝は3時起床の予定を40分寝過ごし。
4時20分に新穂高無料駐車場を出発、もうすっかり明るい。
蒲田川左俣谷を山スキーの時期に行くのは初めて。林道の様子も分からないので自転車は持ってきていない。スキーブーツでトボトボと歩き始めた。
5時43分。ワサビ平小屋。
6時05分。小池新道入口。ここまでデブリ沢3ヶ所を除けば林道の雪はすべて消えていた。
小池新道に入ると目の前にはウネウネと山脈のようなデブリ帯。
雪は土砂で汚れていたためしばらくはツボ足担ぎのまま歩き。
雪がやや綺麗になったところでシールを貼ってスキーに変えた。
進行方向左手に見える秩父沢と上部の岩峰は圧倒的な景観。
どこか外国の山岳写真でも見ているような新鮮で不思議な感覚を覚えた。
大ノマ乗越に向かう大きな斜面には人影はない。
好天の土日なので、前日からの入山者が山上から下りてくるかも、と想像しながら歩いていると登山者が一人下山してきた。
大ノマ乗越へのだたっぴろい大きな斜面。雪庇や険しい雪付きで難儀なイメージを持っていたが、斜度も緩く十分シールで登れた。
8時29分。大ノマ乗越。
ここまで順調にくることが出来た。時間もまだ早いので双六岳まで行ってみよう。
はて…下調べが不十分。
双六谷へは乗越からの沢を一旦下ってしまうのか、それとも高度は下げずにトラバースした方がよいのか。
しかしトラバースしようにも前方の斜面は樹が密生している。
では弓折岳から稜線づたいに行くのがよいのか…でも途中で双六谷に下りられないかもしれない。
いろいろ迷って中腹をトラバースする案を取ったが、途中で雪の付かない斜面と樹林に阻まれたため、結局双六谷に下りきることになった。
シールを貼り直して双六谷を歩く。
広くて明るい静かな谷。小鳥のさえずりが心地よい。
標高2,370mで双六小屋へのを前方に見送り、大きく左に折れて双六岳南面への大きな沢へと入る。
5月の陽光を遮るものもない開放的で大きな沢。白一色の雪原がどこまでも続く。
実に明るく愉快な谷。振り返れば槍ヶ岳、飛騨沢が大きい。
ふと、顔を上げると、上から一人のスキーヤーが滑り降りてきた。
軽やかなダンスのような、とても特徴のある華麗な滑り。
カランコロンと熊鈴を鳴らしながら、踊るように綺麗にシュプールを描いて去ってゆく姿はとても鮮烈だった。
10時30分。僕もようやく双六岳山頂に達した。
黒部五郎岳から水晶岳、鷲羽岳までの大展望。
時間と体力はもうちょっとだけ余裕がある。
もう少しだけ、三俣蓮華岳まで足を延ばしてみよう。
正面の丸山から東側に滑り込んで登り返すのも楽しそうだ。
それにしても人の気配がまったくない。天気のよい土日だから小屋泊まりを含め、いくらか山上は賑わっていると思っていたが、予想は外れた。
こんなにも静かなものなのか。
丸山経由で稜線づたいにアップダウン。
東側に発達した雪庇は崩れ落ちることはないだろうが大きなクラックがいくつも走っており緊張する。
丸山山頂に差し掛かったときに三俣方面からの単独登山者の方とすれ違う。
「楽しんでください」とかけてくださった言葉がうれしい。
11時17分。三俣蓮華岳山頂。
眼下に三俣山荘。鷲羽岳も近い。
もう少し時間があれば黒部源流まで降り立って、ツアー時のキャンプ適地などを確認してみたかったが、今日はここがリミット。
11時38分。山頂から東側への滑降も考えたが、時間もない。諦めて双六へ引き返すことにする。
丸山まで戻って、やはり東側に滑ってみたくなり一旦はシールを剥がして準備をするが、どうも気持ちに余裕がない。
気温の高い午後、雪の状況もグサグサデロデロで良いとはいえない。
今日は単独。だれも居ないこの山域で、万一雪崩にでも巻き込まれたらおおごとだ。
再びシールを貼って双六に戻る。
12時30分。双六岳山頂。
双六の山頂には若そうな雷鳥のカップル。
こちらが写真を撮らせてもらおうとジリジリ近づいても逃げずに、そぉ~っと這い松に身をかがめて隠れたつもりの姿勢がかわいい。
雷鳥さんたちとそっと別れて山頂で昼食。
体力はかなり消耗してきた。しっかり食べて後半に備えよう。
13時10分。滑走開始。
では僕もいただきましょう。
槍ヶ岳を真正面に見ながらゆるゆる斜面をのんびりクルーズ。
雪が重くて若干ターンは重めだが実に爽快だ。これはやみつきになりそう。
13時30分。双六谷2,210mで滑走終了、シールを貼る。
さぁ、大ノマ乗越に向かっての登り返し。先行の方のトレースを頼りにしながらトラバース、そしてジグ。
頭上から午後の日差しを受けて灼熱の修行、汗がダラダラと流れて疲労困憊。緩んだ雪に板が流れてイライラも募る。
14時24分。やっとこさで大ノマ乗越。
もうこれで今日の登りは無い。
そして最後の大斜面。ひょっとしてこれがシーズン最後の斜面になるかもしれない。
14時41分。先行者にならって、僕も少し上部からドロップイン。
50cmほどの雪庇の名残のような縁から、エイッと飛び込んでみる、だいじょうぶ。
デロンデロンの雪だがそこそこ滑れる。中段まで下ったところでザックを下ろして大休止、しばらく穂高の山々を眺めてボーっとした。
リラックスしてから、滑走再開。
ここから下部は、意外と雪が締まっていて板が良く走る、よく回る。
最後にして痛快な滑りを楽しめた。
秩父沢からのデブリ帯で滑走は終了。デブリの丘を乗り越えて林道に向かう。
15時31分。林道。
ここから新穂高まで長い長い林道歩き。
林道にはヒキガエルがうじゃうじゃと、子づくりの季節のようで…
穴毛谷出合のあたりから足が痛くなり、ガマンの歩き。
トレッキングシューズを持ってくる発想が無かった。スキーブーツの中で足が擦れてかなり痛い。
17時10分。新穂高温泉無料駐車場に無事到着。
ザックを下ろして、しばらく大の字になる。
久しぶりにヘトヘトに疲れた。
北陸ナンバーの方に手を振られたが…はてな?あっ、ひょっとして丸山でお会いした方かしら。
温泉に入って疲れを取ろうと平湯の森に立ち寄るが足の裏がジンジン痛くて歩き方が妙。
ひるがのSAで3時間程撃沈し日付が変わって帰宅した。
来期以降のツアーの偵察も兼ねて、まだ訪れたことのない「大ノマ」から双六谷方面に出かけてみた。
土曜日は半日出勤、昼過ぎに帰宅後出撃するつもりが少し横になると夕方まで爆睡。
結局17時に出発して新穂には22時前に到着した。
翌朝は3時起床の予定を40分寝過ごし。
4時20分に新穂高無料駐車場を出発、もうすっかり明るい。
蒲田川左俣谷を山スキーの時期に行くのは初めて。林道の様子も分からないので自転車は持ってきていない。スキーブーツでトボトボと歩き始めた。
5時43分。ワサビ平小屋。
6時05分。小池新道入口。ここまでデブリ沢3ヶ所を除けば林道の雪はすべて消えていた。
小池新道に入ると目の前にはウネウネと山脈のようなデブリ帯。
雪は土砂で汚れていたためしばらくはツボ足担ぎのまま歩き。
雪がやや綺麗になったところでシールを貼ってスキーに変えた。
進行方向左手に見える秩父沢と上部の岩峰は圧倒的な景観。
どこか外国の山岳写真でも見ているような新鮮で不思議な感覚を覚えた。
大ノマ乗越に向かう大きな斜面には人影はない。
好天の土日なので、前日からの入山者が山上から下りてくるかも、と想像しながら歩いていると登山者が一人下山してきた。
大ノマ乗越へのだたっぴろい大きな斜面。雪庇や険しい雪付きで難儀なイメージを持っていたが、斜度も緩く十分シールで登れた。
8時29分。大ノマ乗越。
ここまで順調にくることが出来た。時間もまだ早いので双六岳まで行ってみよう。
はて…下調べが不十分。
双六谷へは乗越からの沢を一旦下ってしまうのか、それとも高度は下げずにトラバースした方がよいのか。
しかしトラバースしようにも前方の斜面は樹が密生している。
では弓折岳から稜線づたいに行くのがよいのか…でも途中で双六谷に下りられないかもしれない。
いろいろ迷って中腹をトラバースする案を取ったが、途中で雪の付かない斜面と樹林に阻まれたため、結局双六谷に下りきることになった。
シールを貼り直して双六谷を歩く。
広くて明るい静かな谷。小鳥のさえずりが心地よい。
標高2,370mで双六小屋へのを前方に見送り、大きく左に折れて双六岳南面への大きな沢へと入る。
5月の陽光を遮るものもない開放的で大きな沢。白一色の雪原がどこまでも続く。
実に明るく愉快な谷。振り返れば槍ヶ岳、飛騨沢が大きい。
ふと、顔を上げると、上から一人のスキーヤーが滑り降りてきた。
軽やかなダンスのような、とても特徴のある華麗な滑り。
カランコロンと熊鈴を鳴らしながら、踊るように綺麗にシュプールを描いて去ってゆく姿はとても鮮烈だった。
10時30分。僕もようやく双六岳山頂に達した。
黒部五郎岳から水晶岳、鷲羽岳までの大展望。
時間と体力はもうちょっとだけ余裕がある。
もう少しだけ、三俣蓮華岳まで足を延ばしてみよう。
正面の丸山から東側に滑り込んで登り返すのも楽しそうだ。
それにしても人の気配がまったくない。天気のよい土日だから小屋泊まりを含め、いくらか山上は賑わっていると思っていたが、予想は外れた。
こんなにも静かなものなのか。
丸山経由で稜線づたいにアップダウン。
東側に発達した雪庇は崩れ落ちることはないだろうが大きなクラックがいくつも走っており緊張する。
丸山山頂に差し掛かったときに三俣方面からの単独登山者の方とすれ違う。
「楽しんでください」とかけてくださった言葉がうれしい。
11時17分。三俣蓮華岳山頂。
眼下に三俣山荘。鷲羽岳も近い。
もう少し時間があれば黒部源流まで降り立って、ツアー時のキャンプ適地などを確認してみたかったが、今日はここがリミット。
11時38分。山頂から東側への滑降も考えたが、時間もない。諦めて双六へ引き返すことにする。
丸山まで戻って、やはり東側に滑ってみたくなり一旦はシールを剥がして準備をするが、どうも気持ちに余裕がない。
気温の高い午後、雪の状況もグサグサデロデロで良いとはいえない。
今日は単独。だれも居ないこの山域で、万一雪崩にでも巻き込まれたらおおごとだ。
再びシールを貼って双六に戻る。
12時30分。双六岳山頂。
双六の山頂には若そうな雷鳥のカップル。
こちらが写真を撮らせてもらおうとジリジリ近づいても逃げずに、そぉ~っと這い松に身をかがめて隠れたつもりの姿勢がかわいい。
雷鳥さんたちとそっと別れて山頂で昼食。
体力はかなり消耗してきた。しっかり食べて後半に備えよう。
13時10分。滑走開始。
では僕もいただきましょう。
槍ヶ岳を真正面に見ながらゆるゆる斜面をのんびりクルーズ。
雪が重くて若干ターンは重めだが実に爽快だ。これはやみつきになりそう。
13時30分。双六谷2,210mで滑走終了、シールを貼る。
さぁ、大ノマ乗越に向かっての登り返し。先行の方のトレースを頼りにしながらトラバース、そしてジグ。
頭上から午後の日差しを受けて灼熱の修行、汗がダラダラと流れて疲労困憊。緩んだ雪に板が流れてイライラも募る。
14時24分。やっとこさで大ノマ乗越。
もうこれで今日の登りは無い。
そして最後の大斜面。ひょっとしてこれがシーズン最後の斜面になるかもしれない。
14時41分。先行者にならって、僕も少し上部からドロップイン。
50cmほどの雪庇の名残のような縁から、エイッと飛び込んでみる、だいじょうぶ。
デロンデロンの雪だがそこそこ滑れる。中段まで下ったところでザックを下ろして大休止、しばらく穂高の山々を眺めてボーっとした。
リラックスしてから、滑走再開。
ここから下部は、意外と雪が締まっていて板が良く走る、よく回る。
最後にして痛快な滑りを楽しめた。
秩父沢からのデブリ帯で滑走は終了。デブリの丘を乗り越えて林道に向かう。
15時31分。林道。
ここから新穂高まで長い長い林道歩き。
林道にはヒキガエルがうじゃうじゃと、子づくりの季節のようで…
穴毛谷出合のあたりから足が痛くなり、ガマンの歩き。
トレッキングシューズを持ってくる発想が無かった。スキーブーツの中で足が擦れてかなり痛い。
17時10分。新穂高温泉無料駐車場に無事到着。
ザックを下ろして、しばらく大の字になる。
久しぶりにヘトヘトに疲れた。
北陸ナンバーの方に手を振られたが…はてな?あっ、ひょっとして丸山でお会いした方かしら。
温泉に入って疲れを取ろうと平湯の森に立ち寄るが足の裏がジンジン痛くて歩き方が妙。
ひるがのSAで3時間程撃沈し日付が変わって帰宅した。
黒部源流のあたりの雰囲気はいいですね。
双六小屋が営業されていないため、まだ山スキーでテント泊を経験したことがない僕は日帰りで頑張るしかないんですね…もう少し早発ちして時間に余裕があると「いい斜面」を遊べるのでしょうか。
そのうちテントを担いで源流ベースに四方の斜面を滑れるようになれればと思っています。でもそれもしんどいすね~。
春の御嶽いかがでしたか。あの大斜面も最高ですよね。
(御嶽行くとなぜか早足になってしまうのです。)
速く歩けない私にとって、GWに双六小屋が営業した年に1度だけ三俣蓮華岳まで行ったことが今になって思うと感慨深く、懐かしいです。
お写真拝見すると、また行きたい所ばかり・・・。
本当は三俣蓮華あたりも滑って楽しい場所が目白押しなんですけど・・・・。テント泊で行くには大変なので、やっぱり小屋の再開を祈るしかないかなあ・・・それまでは、bunさん達のような速攻組のレポを目で楽しませて頂きます♪
そうそう、木曽御嶽に行ったのですが、bunさんの記録が2時間切って登られていたので、わたし達は2倍かかるだろうと思っていたら、ちょうど2倍かかって、ある意味とっても参考になりました(大苦笑)
三俣蓮華は遠かった…ですが、弓折、双六あたりまで日帰りでいろいろ楽しめそうなので、来期以降も遊びに行きたいところです。
鑓温泉もシーズンラストにいいですねぇ。独り占めの温泉最高でしたね。
僕も最後に行きたかったですけど…今週の雨でどうやら僕もシーズン終わりが見えちゃった感じです。なんだか寂しいです。
僕も三俣蓮華岳 は行ってみたかったのですが、遠くてね・・・><
僕は鑓温泉でマッタリして今シーズンは終了しました。
まだ行かれるのですか?
ビワイチお疲れさまでした。完全一周すごいですね。僕はまだやったことがありません。奥琵琶湖のあたりは爽やかだったでしょうね。
今は日も長いですしロングライドにもいい季節、ですが、しばらく自転車から遠ざかっているので、すんなりロードに戻れるか。。。この先の天気次第ってとこです。
僕は昨日念願のビワイチしてきました。
北湖、南湖の唐橋経由の完全一周でないと僕の師匠がビワイチと認めてくれないのでやってみましたが僕には少々重荷でした・・・。
bunさんも板納めって事は本格的に自転車シーズン突入ですね!
今年の活躍を楽しみにしています!!
ロングライドレポも楽しみです!