浅川大橋付近の河川敷に生育している「ハゼノキ(櫨の木)」。ウルシ科ツタウルシ属の落葉小高木で雌雄異株。5~6月に葉腋から花序を出し晩秋に果実が稔る。果実から木蝋を採るために江戸時代に琉球から持ち込まれ「リュウキュウハゼ(琉球櫨)」の別名がある。美しく紅葉するので“はぜもみじ”は秋の季語。写真は雌株で葉の陰に白い果実が見える。
多摩地区では数年前から“ナラ枯れ”被害が増加している。緑地や公園では枯れた「コナラ(小楢)」の大木が各所にあり幹にはカシノナガキクイムシが開けた穴があり何とも痛ましい。この日、松木日向緑地の横を通るとコナラの伐採作業が行われていた。この緑地内ではおそらく200本ほどのナラ枯れがありそのうち遊歩道や建物に近いもの約100本が伐採予定になっている。
郭熙の『四時山』にある
春山淡冶而如笑
夏山蒼翠而如滴
秋山明浄而如粧
冬山惨淡而如睡
を題材にこの松木日向緑地の雑木林を定点観察したことがある。つまり春の“山笑う”、夏の“山滴る”、秋の“山粧う”、冬の“山眠る”だが、写真の右端辺りにこのコナラの大木が写っている。その樹が去年の夏にはすっかり枯れてしまった。
新浅川橋北側の道端に蔓を伸ばしている「ノブドウ(野葡萄)」。ブドウ科ブドウ属のつる性落葉木本で初夏に咲く花は目立たないが秋に稔る果実はカラフルで美しい。写真の果実は2ヶ月前はカラフルだったが、今はすっかり色が抜けて白くなっている。試しにひとつ味見してみたが中には虫はおらず微妙な甘みがあった。