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マダケ・1~節

 イネ科マダケ属の「マダケ(真竹)」。日本原産のタケと考えられており本州から九州まで広く分布している。節の環は2輪状となり、1輪状のモウソウチクとは区別できる。また末端枝には3枚以上の葉が付くことが多くモウソウチクやハチクの末端枝には2枚の葉が付く。
 タケは“一稔多年生植物”で一度花を咲かせ結実すると枯死する性質。マダケの開花周期は120年とされているが日本のマダケは遺伝的に同じものと考えられており昭和35~45年頃(1960~1970年頃)に一斉に開花したことが確認されている。そうなると次の開花は約60年後になるので私はマダケの花は見られそうもない。一方、中国原産のモウソウチクは60~70年に一度開花すると言われ、また日本にあるモウソウチクは遺伝的に同一ではなく各群落毎に開花期は異なるようなので、モウソウチクの開花にはまだ遭遇するチャンスがある。
 ところでイネ科をはじめとする単子葉類の大半は草本に分類されているが、タケが木本なのか草本なのかは専門家の意見が分かれている。
 生物学では形成層の有無で木本と草本を区分しており、木本は樹皮の内側にある薄い形成層が木質部を作りながら成長して幹が太くなっていくのに対して、草本には形成層が無く茎がある程度成長するとそれ以上は太くならない。タケには形成層が無く肥大成長しないのでその意味では草本だが、稈が十分に木質化することで木本とも言える。もっとも植物学的には木本と草本の本質的な違いは無いとされている。
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モウソウチク・2~節

 当地では多く見られる「モウソウチク(孟宗竹)」。イネ科マダケ属で日本のタケ類では最大になる。節の環は1輪状で葉はすらりと細長く末端枝には2枚の葉が付く。その名前は中国の三国時代、呉の孟宗が孝行の徳により寒中に母が求めるタケノコを手に入れたという故事(『雪中の筍』)に由来している。
 タケは古くから笊や籠などの細工物、建築材料、農業漁業資材などに利用され、また春のタケノコなどが好まれることから日本各地で植栽されてきた。しかし近年プラスチック製品の普及や中国産の廉価なタケノコが出回り、次第に竹林の必要性が下がってきた。放置された竹林は広葉樹の成長を阻害するなど環境問題になっている。我が家から近い松木日向緑地の竹林はなかなか良い雰囲気だったが、昨年から“竹除草剤”注入されて整備されつつある
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