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虫・10~アカボシゴマダラ

 大相撲秋場所が始まった。私は子供の頃からの大相撲ファンで15日間の熱戦が繰り広げられるのが2ヶ月毎の楽しみである。社会人の独身時代には取引先に大阪府立体育館(現体育会館の前身)の春場所に招待され観戦後にミナミで生まれて初めての“ちゃんこ鍋”をご馳走になった。東京転勤後は今度は接待側になり何度も桟敷席で観戦したがいつも接待そっちのけで取組に集中していた。今となってはサラリーマン時代の良い思い出である。
 さて大相撲では行司が『はっけよい、残った』と声を掛けるが、バラエティ番組や子供達の相撲遊びではこの『はっけよい、残った』を、いわゆる『よーい、ドン』と思っているふしがある。軍配を両者の間に掲げて『はっけよい、残った』と言う瞬間に上に挙げて競技がスタートするというあれだ。
 この『はっけよい』の意味は“発揮揚々”“八卦良い”“早く競え”など諸説あるが、いずれにせよ両者が止まっている時に気分を高揚させる掛け声になる。制限時間がいっぱいになり両者が土俵に手を付いて睨み合う瞬間に『はっけよい』と声を掛ける。しかしスタートの合図は行司ではなく両者が阿吽の呼吸で合わせるのが大相撲のルール。一方『残った』は両者が動いている状態で掛ける言葉で、“頑張れ、頑張れ”や“まだ勝負はついていないぞ”という意味。両者ががっぷり四つになって動きが止まった時は、『残った、残った』ではなく『はっけよい』になる。
 大相撲では“白星”を求めて毎日力士が奮闘しているが平幕力士が横綱を倒すとこれが“金星”となる。ひとつ“金星”を取ると年間24万円が引退するまで支払われまさに『ごっつぁんです!!』の世界。残念ながら大関を倒しても“銀星”とはならず、まして“銅星”や“赤星”は無い。
 閑話休題。写真はタテハチョウ科アカボシゴマダラ属の「アカボシゴマダラ(赤星胡麻斑)」。ベトナム北部から台湾、中国、朝鮮半島にまで分布し日本では奄美諸島に分布している。しかし20年前に突如として埼玉県に出現しその後関東地方南部に拡がってきている。本来の分布域からかなり離れていることから昆虫マニアによる人為的な放蝶の可能性が高いと言われ要注意外来生物に指定されてしまった。
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虫・9~ツマグロヒョウモン幼虫

 拙庭でずいぶん増えてきたフイリゲンジスミレ。10年以上前に園芸店で購入したものだが、毎年、現れるわけではなく数年間姿を消したかと思うと突然復活したりしていた。今年はあちこちに出ていた小さな株をやや日陰で湿った場所にまとめて移植したところグングン成長して大きな葉になってきた。ところがこの日見てみると葉がかなり虫食い状態になっている。葉の裏を探してみると『いた、いた。』 これはタテハチョウ科ツマグロヒョウモン属の「ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)」の幼虫でスミレやパンジーなどを食草にしている。トゲトゲの突起に毒は無い。成虫は大型の蝶になり長距離を移動することで知られている。その名は成虫の翅の褄(つま=先端)が黒い豹柄という意味。では模様が異なる。
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虫・8~ナナフシ

 高尾山“1号路”のオオカモメヅルの花を撮り果実が出来ていないものかと蔓を確認していると長さ10センチほどの物体が見えた。オオカモメヅルの果実は長さ7~8センチで二又になっているがこれは一直線。少し様子が違うのでじっくり見てみるとこれは昆虫の「ナナフシ(七節・竹節虫)」だった。ナナフシモドキ科ナナフシモドキ属で枝に擬態している。昆虫の足は6本だが写真では4本しか見えない。残りの2本は頭の先に伸びているもので全身で長細い枝に見せている。別名は「ナナフシモドキ(七節)」でややこしいが、そもそも“ナナフシ”は枝のことでそれに似せていることで“モドキ”の名が付けられている。この仲間には色々あるようだがここではナナフシとしておこう。
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虫・7~ジャコウアゲハ幼虫

 奥高尾“もみじ台南巻き道”のオオバウマノスズクサの葉裏に付いていた「ジャコウアゲハ(麝香揚羽)」の幼虫。体長は4センチほどで中央に白い帯があり全身に太い突起がある。毒草のウマノスズクサなどを食べてその毒を体内に蓄えている。成虫は翅を拡げると幅10センチほどになる。
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虫・6~ハグロトンボ

 長沼公園“中谷戸”の水辺をヒラヒラ飛んでいた黒い翅のトンボ。少し追い掛けやっと止まったところをパチリ。画像を拡大してみると畳まれた翅色は真っ黒ではなく金属のような光沢がある。おそらく「ハグロトンボ(羽黒蜻蛉)」だと思うが羽化したての若い個体かも知れない。そもそもハグロトンボの翅や胴体は“構造色”で本来の色ではなく光線の当たり方や見る方向で色が変わる。ハグロトンボはカワトンボ科アオハダトンボ属で6~7月に羽化して7~8月に多く見られる
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虫・5~ヒメアカタテハ

 堀之内地区の農道でユリアザミ(リアトリス)に止まっている蝶。これはタテハチョウ科アカタテハ属の「ヒメアカタテハ(姫赤立羽)」だろう。全世界に分布しているチョウだが私は初めて撮った。動かない花を撮ってもピンボケになるので動くチョウや野鳥を撮るのはかなり難題。
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虫・4~ベニシジミ

 宮嶽谷戸でキツネノボタンに止まっていた「ベニシジミ(紅小灰蝶)」。シジミチョウ科ベニシジミ属の蝶で陽当たりの良い野原などで良く見られる。前翅の表は赤橙色で黒い斑点があり後翅の表は黒褐色で下部に赤橙色の帯模様がある。
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虫・3~テングチョウ

 奥高尾“もみじ台”の階段で見掛けた「テングチョウ(天狗蝶)」。タテハチョウ科テングチョウ属で頭部の触角に前面に長く伸びるパルピ(下唇髭)と呼ばれる突起があり、これを“天狗の鼻”に見立てて名付けられている。低山地の雑木林に生息し成虫のまま越冬し早春から活動する。盛夏には休眠するようだ。高尾山は天狗で有名だが高尾山に相応しい蝶のようだ。
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虫・2~ルリタテハ幼虫

 うちのカミサンが庭で騒いでいる。何事かと思って窓からのぞくと駐輪パイプに毛虫が付いていた。カミサンは大の虫嫌いでこの姿は刺激が強過ぎる。これは「ルリタテハ(瑠璃立羽)」の幼虫でユリやホトトギスを食草とするようだ。この一日前に芝刈りをし、庭のユリの葉が黄色くなり始めていたので根元からバッサリ切ったところ。もしかしたらその葉にいたのかも知れない。ルリタテハはタテハチョウ科ルリタテハ属で低地の林内や都市部の公園、緑地などに生息している。以前も私の自動車に止まっていたことがあった。
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虫・1~カシノナガキクイムシ

 小山内裏公園”鮎道”のコナラに小さな穴が開いている。これは「カシノナガキクイムシ(樫の長木食い虫)」(通称カシナガ)が開けたもので直径は4~5ミリ。カシナガは日本を含むアジア圏に生息する体長5ミリほどの黒褐色の甲虫で樹木の幹内に侵入し孔壁に菌(酵母類)を栽培して餌にする特徴を持っており“養菌性キクイムシ”と呼ばれる。6~9月に産卵するために樹木に穴をあけて入り込むが、その際、成虫が保持しているナラ菌に樹木が感染すると樹木は水分を吸い上げる機能を失い枯れてしまう。この“ナラ枯れ”が近年全国各地で報告されており林野庁によると発生都道府県数・被害材積の推移は、
 平成30年度 32府県・44.7千㎡
 令和元年度 39府県・60.5千㎡
 令和2年度(速報値) 42都府県・185.5千㎡
と増え続けている。
 カシナガに侵入された樹をすぐに伐採すると気温が高いうちはカシナガの成虫が更に集まってきたり伐採した木を他所に持ち出すとカシナガの被害を拡げる危険があるので、公園では気温が低くなりカシナガの活動が収まってから伐採するとしている。
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