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キブシ・1~紅葉

 雑木林を歩いていると、様々な落葉樹が色付いている。バードウォッチングという言葉があるように、 “ツリーウォッチング” という言葉もある。文字通り、樹を見て楽しむことだが、植物観察を始めたきっかけのひとつが、 『葉や樹皮や樹形を見ただけで、その樹の名前がわかったら良いなあ。』 という思いだった。初めは花や果実を見て名前を見つけるのがやっとだったが、次第に特徴的な葉の形、樹肌や樹形などで少しずつわかるようになってきた。いつも歩いている場所にある樹は、 『確か春に白い花が咲いていたはず』 というふうに、その “場所” がヒントになってしまうが、ふだんあまり通らない道で、普通の葉が普通に紅葉している姿からはなかなか名前を見つけるのが難しい。さて写真の互生した紅葉の前で立ち止まり、株立ちした樹形を確認し、じっと考える。 『うーん、降参か。』 と思ったところ葉の陰にちらりと見えた蕾の花序で、 『わかった!』
 「キブシ(木五倍子)」はキブシ科キブシ属の落葉低木。 “五倍子(ふし)” とは、ヌルデのできる虫こぶで、昔はその中に含まれるタンニンを染料やお歯黒に用いていた。キブシの実にもタンニンが含まれており、ヌルデ五倍子の代用にされていたようだ。
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