まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

彩瀬まる「あの人は蜘蛛を潰せない」

2018-11-17 21:53:23 | 読書のすすめ
今日の会津は朝から雨。
1日移り変わる天気でした。
夜10時現在 寒いです。
皆さま風邪などお召しになりませんように!

さて 彩瀬まるの「あの人は蜘蛛を潰せない」を読んだ。

あのひとは蜘蛛を潰せない (新潮文庫)
彩瀬 まる
新潮社


梨枝はあるドラッグストアの店長である。
店長の仕事は多岐に渡り 気が休まることはない。
家に帰っても 気をぬくことは出来ない。
家では 女手一つで梨枝と兄を育て 家のローンまで払い切った母と二人。
仲が悪いわけではないが 母のちょっとした一言が毒のように心を蝕む気がするのだ。



本友に彩瀬まるを勧められました。
初 彩瀬まるです。
何というか 不思議な読後感がある作家さんです。
他の作品 短編の方は ほぼホラーです。
もちろん 完全なホラーとも違うんですが。

この本も 心理描写が独特で 惹きつけられます。

例えば 梨枝は 母との関係を絶ってしまいたいのに
なかなかそれが出来ない。
自分を育ててくれたことに関する感謝や
成人するとともに家を出てしまった兄と同じになったら
母を悲しませるんじゃないか。

店でも 自分に自信がないので 完璧と思える新設売り場について
複数の店員に意見を求めずにはいられない。

そんな折 梨枝はドラッグストアでバイトしている学生の三葉くんとお付き合いするようになる。
三葉くんの態度によく言えばクールさ。
悪く言えば ひんやりした冷たさを感じる。
それなのに別れられない。

なんか 言葉にすると うわぁ うじうじ女。
しっかりしろよーって感じになるけれど
読者は多分 梨枝を嫌いになれない。
そこに彩瀬まるさんのうまさがあるんだろうなと思う。

題名の蜘蛛を潰す件ですが 皆さまなら どうされます?
私は潰しません。
逃す派です。
「蜘蛛の糸」に毒されているんですかね?
それとも蜘蛛を潰すと云々の迷信に囚われているのでしょうか。
自分でもよく分かりません。

分からないモヤモヤした気持ちや人生を書く。
作家さんてすごいなあと思います。

おすすめです。

いがぐりおは 蜘蛛 得意?
いがぐりおをクリックしていただけると嬉しいです。いつもありがとうございます。^^/
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コメント (2)
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