毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「誕生日」    2011年10月1日(土) No.202

2011-10-01 01:20:33 | 中国事情
 南昌の天気は変わりやすい。2週間前までタンクトップで大汗かいていたのに、今は急降下した気温に翻弄されて、ユニクロのヒートテックを着ていてもあったかいんだか、寒いんだか…。
 そういうわけで、風邪を引いている。もう一週間以上になるが、やはり毎日仕事があると布団にもぐり込んでも居られず、薬を飲みながら(よっしゃ~!)と空元気出して出かけていた。

 今思えば、この夏休みに日本で風邪薬をたくさん買うべきだった。その時がうだるような暑さだったので、つい心の隅に油断が芽ばえ、パブロン顆粒状の大箱を一箱買っただけだったのだ。こちらに戻って薬箱をチェックしたら、まだたくさんあると思っていた葛根湯がほとんどない。いつ飲んでしまったのか忘れたが、そういえば、このブログにもさんざん南昌の寒さを愚痴っていたんだっけ。
 (今年の冬は風邪を引けないぞ)と思っていたのが、あっという間にこのていたらく。いざとなれば、学校の健康保険にも入っているので、2割負担で診察も受けられるし、もちろん薬ももらえるが、子どもの頃からの医者嫌いだ。極力、て言うか絶対風邪なんぞで医者には行きたくない。

 この一週間、授業は何とかこなしたものの、毎日宿舎にもどるとフラフラ。夕方7時か8時には寝ていた。
しかし、今日は午後の1年生の会話授業の後、日本語学科2年生クラスが夕食会に招いてくれるというので、どうしても行かなければならなかった。9月30日は私の誕生日だということを誰かから聞いて、企画してくれたのだ。みんな学生なのに、いっぱいお金を使っただろう。豪華な中華料理、超特大ケーキ、プレゼントの数々…。
 こういう絵に描いたような幸せシーンの中にいると、いつもそわそわしてどこかへ退去したくなる私だが、今日ばかりはそういうわけにはいかない。(中国に来たら、これが自然なんだ)と自分に言い聞かせて座っていたが、ひょっとして、日本でも自然?
 超巨大ケーキをバクバク食べる学生達の大食いさにも感嘆したが、そうこうするうちに、誰かが誰かの顔に生クリームを塗りつけ、それが次々伝播されて、場内騒然状態になった。これにはついて行けなかった。だが、中国ではこれは(特に若者たちの間では)よくあることで、誕生日の人の顔をみんなで攻撃するのが慣わしなんだそうだ。今日は私の代わりに、クラスのみんなに愛され親しまれている陳君が最初の犠牲者となってくれた。サンキュー!陳君。

 今日は特別だから、と7、8人の学生が麦廬園キャンパス前の評判悪いミニバスをチャーターしてくれ、またこれも私はお金を払えず、本部までみんなで送ってくれた。というか、本部で降りて、「じゃあ、ここで。」と私が言うと「先生の宿舎までお送りします。」と、本当に宿舎の入り口ドアの前までゾロゾロ送ってくれるではないか。
 この中国式のとことんのお持てなしを、去年ここに来て以来、何回受けたことだろう。自分と他人の境界線が曖昧になりそうなくらいの緊密感覚に頭がぼうっとなって、彼らに別れを告げ、3階の部屋に駆け上がった私は、とにかくベッドへ直行した。風邪と超あったかいもてなしにフラフラで…。 
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