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「福島の子どもへの中国の大学生の手紙」No.1504

2015-11-09 23:15:18 | 中国事情

4年前、確か朝日新聞に載った菅総理大臣への福島の子どもの手紙です。

『いつになったら放射能はなくなりますか。

僕は大人になれますか。』

と書いた龍起君は、今、もう中学生になっているでしょう。

この手紙を2年生の「日本国家概況」、3年の「日本語作文」で紹介しました。

 

3年生のクラスでは、

「この手紙を書いた佐藤龍起君に手紙を書いてください」宿題を出しました。

授業で他に紹介したのは、

現在の福島の写真(ポーランドのジャーナリストが撮影したもの)です。

人類が経験したことのない最悪の原発事故であると伝えると、

学生たちの中から、

「知らなかった……。」

という呟きが漏れました。

佐藤龍起君には届かないでしょうが、

多くの学生たちの手紙文には、

龍起君を力づけたい気持ちが溢れていました。

今日はその中の一つの手紙を紹介します。

――――――――――――――――――――――

佐藤龍起さん

拝啓  福島の事故からもう、4年経ちました。

佐藤さんはお元気ですか。私はとても元気にしています。

4年前の時、佐藤さんは日本のサッカー代表になりたかったですね。

しかし、福島の事故の後では、あまりよくサッカーの練習ができないので、

どんなに残念だったでしょう。

中国では、放射能の大事故は起きていませんが、毎年のスモッグが酷くて困っています。

スモッグの天気に出会うたびに、私たちの日常生活は多大な影響を受けます。

自然界は人間が自然を破壊して、急に発展したことが嫌です。

これは矛盾です。

どういう自然が回復できるのか、人間はどうすれば自然とともに順調に発展できるのか、

大切に、じっくり検討する必要があるでしょう。

人間は弱い、脆弱な生き物だと思います。

自然を尊敬し、自然界に畏敬の念を持って、謙遜した生活をした方がいいと思われます。

佐藤さん、ただ私たちは一緒に今の環境を変えて、

理想は必ず実現することを信じ、

一緒にに頑張りましょう。

                           敬具   

                                範郁敏

―――――――――――――――――――――――――

範さんは、一番後ろの席で、とてもひっそりと過ごしています。

ときたま、下を向いて携帯をいじっていたり、小さい鏡で髪の毛を直していたりして、

「今、そういうことするときですか。」

と、私に注意され、顔を赤らめる子です。

そして、お祖母ちゃんに小学校に上がるまで育てられ、

毎日のキャンパスの掃除を、身体が最も元気な時期を過ぎた年配の人たちにまかせ、

ピンピンしている学生たちは、ゴミをゴミ箱の中でなく、周辺に散乱させていることに

憤りを覚える子です。

 

 

 

 


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