高畠勲さん、アニメ「火垂るの墓」を作ってくださって
ありがとうございます。
野坂昭如さんは小説で、高畠さんはアニメで、
歴史に残る作品を残していってくださいました。
「この作品は戦争をしないための力にならないんじゃないか」
そう高畠さんは言いましたね。
確かに、
子どもをこんな悲惨な目に遭わせないためにこそ
闘わなければならないとか、
攻撃は最大の防御だとか言って、
戦争へ、戦争へと、国を持っていこうとする勢力が
日本中に蠢いています。
「成功する戦争はない。戦争は、上手く行かないものなのだ。」
「こんなにわかっていることなのに、
日本の私たち全体は共有できていない。共有したいですよね。」
と語っていた高畠さん。
日本人一人ひとりが、自分の意思を持ち、
権力を持つものがいくら戦争をけしかけ、扇動しても、
自分は反対だと意思表示することでしか
戦争は止められない。
先の戦争の体験は私たちにそれを教えてくれています。
平和主義・民主主義に貫かれた憲法を
「見っともない憲法」と否定する現政権は
それ自体、憲法違反であるにもかかわらず
のうのうと居座っていますが、
国民が動けば、政権は変わります。
日々の生活に追われて、
あるいはそういうの趣味じゃないからと、
政治に無関心な人たちが非常に多い日本ですが、
政治は、そんな人たちをきっちり巻き込んで
激動状態にあるという危機的認識を、
一日でも、一時間でも早く「共有したい」ものです。
残念ですが、
さようなら、高畠さん。
遺してくださったアニメ作品は
私たちの宝物です。
ドロップの缶を宝物のように大事にしながら、最後は缶に水を入れてすすいで飲む・・・・・あのシーンは胸を締め付けられます。戦後、食べる物のないことがどんなに辛いことか体験した私には、解りすぎるほどのシーンです。
きっとまた放映されるでしょうから、録画しておこうと思っています。
本当に高畠さんの死には泣けてたまりません。
中国の学生にもことあるごとに(なくても)、このアニメと『裸足のゲン』はよく見せます。中国語字幕のもあるので、一年生も号泣して観ています。
成功する戦争なんかひとっつもないのに、戦争したがる人がウヨウヨ増えてきた日本。高畠さんや野坂昭如さんたちが逝ってしまった今、心細い思いですが、しかし、私にはこきおばさんがついていますからね!!