美空ひばりは何処に行っても同じように歌うように努めた
と何かで言ってた記憶がある
聞き手はレコードやテレビ・ラジオで知ってる歌を聞きたいので
自分の方から崩して歌うのは聴衆の期待に添えなくて失礼だというのだ
歌い手さんは同じ歌を何回も歌ってると飽きるだろうと同情を禁じ得ない
歌は(音楽は)年令を重ねると表現に対する感覚が変わってくる
たまたま歌い手さんの変化を感じさせる動画を見つけた
カンツォーネの「愛は限りなく」でジリオラ・チンクエッティの歌
彼女のサンレモ音楽祭、二度目の優勝曲だ
若い時期の歌いっぷりがこれ
そして比較的最近の歌いっぷりはこちら
歌よりも容貌がすっかり変わっている
だが、この人はいい歳のとり方をしたんだろうなと感じさせる
それがそのまま歌にも現れているかのよう
どうしても巻き戻すことができない時の経過、それに対する郷愁と諦めと憧れのようなものが
入り混じって人の感情に訴えてくる
これと比較すると若い時は、なんと初々しく希望に満ちているように感じられることだろう
どちらもいいけど、今はおばさんになってるほうが好きかも