パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

ツイッターの投稿から思うこと

2019年07月26日 08時32分51秒 | あれこれ考えること

学生時代、同じ下宿屋の彼は突然
「俺はヨーロッパに旅にでる。大学は休学する」
と宣言した

そしてその言葉通りさっさと手続きを終えて自分らの前からいなくなった
しばらくして彼からはモスクワの風景が写った葉書が届いた
「俺は今、モスクワにいる、、、、」

常識的な生活しか考えられなかった自分は彼は無謀なことをしていると思いながらも
自分は取り残されている、そんな気がしたものだった

こんな昔のことを思い出したのは、ツイッターの投稿がきっかけ
ある人がツイッターでこんな情報提供をした

すでに海外旅行者で日本人は少数派です。
中国語や韓国語表記があっても日本語表記はない所も増えた!
2018年
中国の外国人観光客 1億4000万人
中国人海外旅行者  1億5000万人
韓国人海外旅行者    3000万人
日本人海外旅行者    1895万人

これを受けて、無謀と思える旅に挑戦した学生時代の彼を思い出して
今は若い人の海外旅行する割合は減っているのだろうか?
そもそも若さゆえのバイタリティがなくなっているんじゃないか
と書き込んでみると、直ぐ様、学生の現状はこうなんだとのツイートが返ってきた
そしてそれは、現役の親世代からは納得される内容だったようだ

というより、現状がいっぱいいっぱいな人が多いのではないでしょうか。
20代娘に尋ねると、経済的に余裕がなくバイト長期に休めないとかという人が多かったようです。卒後も奨学金返済あるし。
本当に今の若い人は、しんどいと思いますよ。そんな社会にした私たちに責任あるんですけど。

こう感じている人が多いなら、何故若い人は怒りを表に出さないのかと返してみると

日本が成長している時代を知らないから、そんなものだと思ってるんではないでしょうか。
腹を立てるにもパワーがいりますし。現状を受け入れるしかないと。
まぁいろんな若者がいると思うので一概には言えませんが。
あと反発することはマイナスだと思っている人が多いような気がします。

このツィートにも共感する(同意する)人は多かった
上の学生さんたちの経済的な現状
下の学生さんたちのメンタリティ
これらは世論調査とか就職内定率が過去最高などと報道されているものと違った印象を持つ
現実の世界はそれほど豊かで未来に明るいものではないような
そして何よりも学生さんのパワー(内的な)が不足しているような

自分らの若かったとき、下宿の彼は五木寛之の「青年は荒野をめざす」を読んで居ても立ってもいられない気持ちになった
小田実の「何でも見てやろう」に刺激を受けた人もいた
もう少しあとの世代の人は沢木耕太郎の「深夜特急」を読んで、
自分の中から湧き出てくるコントロールしきれない気持ちに振り回された(と思う)

不安定な精神状態が当たり前の若い世代
かつては後先考えずに動き出した人間が少なからずいた(結局自分もそういう行動に出ることになった)
しかし、今は、、動き出せない状況や、先を考えると得ではない、、、
と考えるおとなしい人が多いようだ
(その反対の些細なことにキレる人もいるようだが、、そしてキレるのは決まって些細なこと)

一見賢い選択をしているような今の若者たち
でも本当にそうなのか、、とむかし若者だったおっさんは不安になる(昔話をすると嫌われる?)
若者には「失敗する権利がある」
そして、寄り道したときにそこで何を身につけるかが、真の知恵(勝負)となると思うのだけどな

「やってみなきゃわからないじゃないか!」
はかつて若者の専売特許だった
最近の「やる前からわかってる」では少しさびしい気がしている

 

コメント
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