新城市出身で現在知名度が高いのは、マヂカルラブリーの太った方の村上さんかもしれない
でも先の大戦で戦地で病死しなければ、この村上さんより有名になっていたかもしれないのが
ミステリー作家の大阪圭吉
彼はポーとかドイルの流れをくむ本格的な作家の片鱗があるとして江戸川乱歩とか
甲賀三郎にも評価され、少し後の時代ではアリバイ崩しで有名な作家鮎川哲也が
再評価のきっかけを作ったほどの人物だ
この隠れた才人、大阪圭吉(本名 鈴木福太郎)の講演会
「没後80年 新城が生んだ探偵作家 ルソン島に散った大阪圭吉」が
JA愛知東本店3Fホールで、約80名の聴衆を集めて開催された
講師は高田孝典氏(姉の同級生で、時々個人的な会話をする人)だった
冒頭に彼(大阪圭吉)のことを知らなかった人は挙手するように!
と講演者が聞いた時、半分以上の人が手を上げた
その中には自分もいて、全然知らない人物だった
彼は作品の殆どを新城で書き上げた
早くから才能は認められたようで、原稿料一本の金額は彼の勤め先(役場)
よりも多かった
普通ならそれほどの力量があれば、ライバルもいて情報も多い都会で
切磋琢磨できただろうが彼は新城から離れななかった
ミステリー作家なので、講演は作品内容については意図的に口にすることはなかったが
一つだけ資料の中に新聞記事のコピーがあって、それはある作品の舞台を示していたが
その場所は新城駅から東新町駅(この駅から自宅は数分の距離)の間のある場所で
それは「あそこのあたりか}と容易に想像できる場所で、一体どんな内容だったのか
が気になって仕方なかった
講演の終わりに、現在手に入れることのできる作品の紹介があり
家に帰ってアマゾンで代表作「とむらい機関車」を購入することにした
探偵小説が主なジャンルだったが、戦争への空気が充満してくると
彼はその分野の作品はバッタリとなくなった
そのかわり市政とかに関わる分野に力をいれるようになったそうだ
つくづく戦争がなければ、どんな作家になっていたのかと思う
流石に新城市出身なので、知っている地名とか人物が出てくる
大阪圭吉が拝み倒して奥さんになってもらった人は、長く新城市未亡人母子福祉会の
会長を務められたそうだ
彼は奥さんにわがままだったらしいが甘えていたとのこと
そして講演会の終わりにはお孫さんが挨拶をした
それはなんだかとても不思議な気がした
アマゾンからの到着は明日となっている
今は読みかけの本がたくさんあるが、
着いたらそちらに行ってしまいそうな気がしないでもない