DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

忍び寄る足音

2013-06-19 15:23:50 | ButsuButsu


すでにティッピングポイントを越えてしまったのではないだろうか。

そう思うような情報が、カナダのビンセント教授から届いた。

彼は、北極域の環境変動を監視するカナダプログラムのリーダーで、ここ10年くらい調査研究を続けている。

とても偉いの人なのだ。

この図の赤いところが、過去半世紀に気温が上昇した部分だ。

明らかに北極があつい。

彼のメールには以下のことが記されてあった。

Here are some slides I have put together for you which show how fast our world is changing, especially in the Arctic, which will drive further change elsewhere, including Japan.

We had a very interesting presentation by the Japan representative (NIPR) at a recent meeting (Arctic Observing Simmit) where he said that Japan’s climate may be strongly influenced by the Arctic e.g. very cold winters as a result of more weather exchange with the Arctic.

I am just back from a workshop in Iqaluit in the Canadian Arctic with the World Wildlife Fund to try establish a “Last Ice Area” refuge zone for polar species at the top of Greenland and Canada.

要点は三つだ。

(1)北極の気温上昇が急であること。

(2)日本の気候も、北極の変化に大きな影響を受けていること。

(3)グリーンランドとカナダで、北極域の種を守るために氷河保存域を確保するための基金を立ち上げること。

を述べている。

グリーンランドの氷も急速に溶けている。



冗談ではなく、地球の気候は大きく変わろうとしていることに、もっと真剣に対処すべきだろ。

いつやるの。

今でしょう。

6月18日(火)のつぶやき

2013-06-19 05:01:03 | 物語

湖の鎮魂歌(10)

2013-06-18 18:44:45 | ButsuButsu


Cのホームグランドは、タホ湖だ。

と言っても、ほとんどの人は知らないだろう。

アメリカで一番きれいな湖と言ったほうがよいかもしれない。

表面積は、500平方キロメートル。

最大水深は505m、平均水深は313m、標高は1989mだ。

琵琶湖より少し面積が小さいが、圧倒的に深い。

この湖の特徴は、透明度の高さだ。

1960年代には、30mを越えていた。



エメラルドブルーに輝く湖は、別世界の趣きがある。

Cは長年この湖を守り続けてきた。

一番の功績は、周辺からの下水処理水を湖に流れ込まないようにしたことだろう。

専門用語ではダイバージョン(流路変更)というのだが、富栄養化から湖を回復させるには最も効果がある。

近年、この湖でも地球温暖化の影響が出てきた。



夏の気温は変わらないが、冬の気温が上昇してきているのだ。

結果的に、表面の水温が上昇してきている。

バイカル湖やフブスグル湖での観測結果でも明らかだが、冬季の鉛直循環は200m位までしか達しない。

したがって、タホ湖の深層水の水温はほとんど変化しない。

結果的に、上下の密度勾配が大きくなる。



成層が強くなると水温躍層の厚さは薄くなる。

同じ風が吹いても、水の位置エネルギーが大きいので、上下を混ぜにくくなるためだ。

今、同じような傾向が世界中で起こっている。

琵琶湖も例外ではない。

お笑いの国にようこそ

2013-06-18 17:07:06 | ButsuButsu


本人も困っているのかも知れないが、国民はもっとつらい。

上田人権人道大使の暴言を聞いて思った。

なぜこの人が大使などに。

しかも人権人道とは!

それほどまでに、我が国には人材がいないのだろうか。

大使が使う英語ではないし、とるべき作法でもない。

参考にと思って、彼の発言を記述してみた。

(1) Certainly, Japan is not in the middle age.

(2) We are one of the most advanced country in this field.

失笑

(3) Don’t laugh!

(4) Why you are laughing!

(5) Shut up! Shut up!

(6) We are one of the most advanced country in this field.

(7) That is our proud, of course.

(8) There are still shortages, of course, shortcomings.

(9) Every country has shortages and shortcomings, but we are trying our best to improve our situation.

(10) Ladies and gentleman, on behalf of a Japanese delegation, we express sincere gratitude to the members of the committee.

数多くの文法の細かな間違いや稚拙な表現はさておき、彼の決定的なミスは(3)である。

もちろん、middle ages(中世) と言うべきところをmiddle age(中年)と言ったところもご愛嬌だが、

(2)の表現があいまいだったことによって失笑が起こったのだろう。

どちらにもとれるような、官僚的な発言だ。

もしこの大使が欧米の文化に通暁しており、外交官センスがあったとするならば、

失笑の段階で(3)および(4)ではなく、

Thank you.

と切り返すべきだっただろう。

せっかく笑いを取ったのだから、

Of course, we are one of the most advanced countries in humnity and human rights as well as humors.

と続ければなおいいだろう。

(8)もよくわからない。

Shortagesやshrtcomingsの意味が分からない。

拷問が足りないことを言っているのだろうか。

それにしても、どうなっているのだろう、この国は。

よくわからない知事や市長や大使が、国民を代表して国際的に跳梁跋扈して、よく国が持っているものだと感心する。

おそらく大多数のまともで誠実な国民が、このような不始末を支えているからなのだろう。

彼の発言が国際社会に与えた日本の損失を考えるのならば、任命責任者は重大だ。

誰も彼に全権をゆだねてはいないのだから。

面白い英語表現を見つけた。

A persons shortcoming usually refers to a lack or flaw in their personality.
To describe someone who is rude, one could say of him that, "His lack of manners is a real shortcoming."
A glutton's lack of self control could be described as a shortcoming.
Shortcomings are usually intangible in and of themselves, you can't actually see a shortcoming, only the result thereof.

A shortage refers to a condition where demand has outpaced supply and there isn't enough of an item for everyone.
When there is an oil shortage, the price of gasoline increases as the supply becomes smaller.

Shortages are usually of a more tangible nature. Water shortages, food shortages, etc.

さしずめ、上田大使は、たくさんのshortcomingsを持っているのだろう。

でもintangibleなので、誰も気づかなかったのだ。

それは only the result thereof。

あお願いだから、もう少しましな人を選んでほしい。

多くの有能な人材が、野に埋もれているではないか。

6月17日(月)のつぶやき

2013-06-18 05:10:13 | 物語

湖の鎮魂歌(9)

2013-06-17 22:04:26 | ButsuButsu


1992年のことだったように思う。

国際理論応用陸水学会(SIL)が、ドイツのミュンヘンで開かれた。

私が初めてこの会議に出席した年でもある。

一番楽しみだったのは、晩餐会だった。

なにせドイツの食の中心ミュンヘンである。

うまいものが出るに決まっている。

一人で参加していた私は、顔見知りのヨルグ・インバーガー教授とジョン・メラック教授に誘われて、一緒のテーブルに着いた。

ヨルグが50歳、ジョンと私は40歳を少し越えたくらいだった。

共に、世界的な研究者となっていた。

私たちのテーブル席のイスが二つ空けてあった。

誰が来るのかな。

そう思っていると、急にヨルグとジョンが立ち上がって、最敬礼をした。

おもむろに登場したのが盛装したC夫妻だった。

陸水研究のドンであるCは、当時まだ60歳だった。

自信と力が体からあふれ出ていた。

私などは、挨拶こそできたが、歯牙にもかけてもらえなかった。

私がCと直接話が出来るようになったのは、それから数年たってからだった。

その後急速に仲良くなった私たちは、親子ほどの年の差なのに、特別の付き合いをするようになった。

不思議な縁だといえるだろう。

いまや、Cは、私を最年少の弟だといっている。

一緒に本も出版した。

彼のすばらしいところは、決して威張らないところだ。

私が60歳を超え、彼は80歳を超えた。

いつまで一緒に仕事が出来るかどうかはわからないが、彼が生きている間は大切にしたいと思っている。

タホ湖の研究に60年の歳月をかけてきたCと、びわ湖の研究を30年行ってきた私が、モンゴルの湖の再生に挑む。

面白そうな話ではないか。

RとCと私。

シニア世代の三銃士となるのか、それとも単なる三馬鹿で終わるのか、残りの短い人生を楽しむには面白い取り合わせだ。

どうなることやら。

風湖山薫

2013-06-17 13:16:55 | ButsuButsu


びわ湖トラスト事務局長に就任するにあたって

熊谷道夫(新事務局長・立命館大学)

2008年4月に発起人会と設立総会を開き、バタバタと特定非営利活動法人びわ湖トラスト(以下、びわ湖トラスト)をスタートさせ、はや5年の歳月が過ぎました。

その間に事務局長を務めていただいた山内陽子さん、高木順さんに厚く御礼申し上げます。

お二人のおかげで、びわ湖トラストも少しずつではありますが社会に認知され、財政的にも軌道に乗りつつあります。

そんな中で、私が三代目事務局長の重責を担うことになりました。

これからどうやって盛り上げていくかが、大きな課題であり、設立当初からのメンバーの一人として、責任の大きさを実感しています。

びわ湖トラストの活動も、最近の社会のニーズに呼応して多様化してきており、それぞれの事業における目的・手段・展開・成果について説明可能なビジネスモデルの提示が必要となってきています。

このことを実現するために、びわ湖トラストは今年度次のような事業を実施します。

(1) 船舶および湖沼調査に関すること・・・船舶および水中ロボットの運用と、それらを用いた湖沼探査の実施、湖上における各種実習や無人ソーラーボートによるレースなどの開催支援
(2) 森林および河川に関すること・・・トチノキ保全活動の支援や琵琶湖集水域における森林や河川の保全活動
(3) 環境教育およびネットワークに関すること・・・環境教育の実践やびわ湖にかかわるネットワークの構築
(4) 環境保全に関すること・・・湖内および湖岸に投棄されたごみの回収や環境にかかわる講演会の開催
(5) 交流に関すること・・・会員の集いや記念事業の開催、広報や出版事業など
(6) 環境修復に関すること・・・びわ湖保全にかかわる環境修復事業の企画や実践

また、このような事業を幅広く展開するために、各方面からの協力や浄財を募るとともに、外部助成金獲得に努めています。

特に、今年度からは、調査船(はっけん号)や自律型水中ロボット(淡探)の運用にかかわる基金の設立を目指しています。

一口1000円で可能な限り多くの人々の参加を募ろうと思います。

そして寄付していただいた方々の氏名を登録して、私たちの活動が続く限り長く後世の人々に残したいと思っています。

ゆうちょ銀行  口座番号00940-0-273474 
口座名称(漢字)NPO法人びわ湖トラスト
口座名称(カナ)トクヒ)ビワコトラスト
店番 〇九九(ゼロキュウキュウ)店
預金種目 当座 口座番号0273474

どうか今後とも暖かいご支援をたまわりますようよろしくお願い申し上げます。

また、このことを皆様の知人・友人にお知らせいただければ幸甚です。

文頭および文末でもお知らせしていますが、トラストの事業にもご参加いただければと思っております。


6月16日(日)のつぶやき

2013-06-17 04:56:16 | 物語

湖の鎮魂歌(8)

2013-06-16 16:21:54 | ButsuButsu


Rは、1988年にカナダ内水面研究センター(CCIW)に付属したNHRI(国立水文研究所)に勤務した。

カナダ環境省は、1968年にCCIWを設立し、世界各地から著名な研究者を集めていた。

VollenweiderやValentine、Csanadyといったそうそうたるメンバーが五大湖周辺に集結していた。

主な研究目的は、湖の富栄養化対策と、重金属汚染だった。

2000年代になると、この種の研究機関は急速に縮小傾向となった。

これは世界的に共通している。

環境問題が終結したわけではなく、行政が簡単に解決できなくなったからである。

問題が難しくなり、官僚の手に負えなくなると、基本的には逃げ腰になってしまう。

洋の東西を問わない現象だ。

これは不況とも連動している。

サスカチワンにあったNWRIも閉鎖され、Rは国連の仕事をし始めた。

GEMSでの勤務だ。

今、琵琶湖も含めて、湖沼の研究機関がドンドン閉鎖されたり縮小されたりしている。

研究者の多くは反対しているのだが、現実は厳しいようだ。

2013年に退職を決意したRは、我々と共に国際NGOを立ち上げた。

WWCF(World Water and Climate Foundation)の誕生だ。

まるっきりお金はないが、何とかして湖の問題を解決したいと思って活動している。

その主要なメンバーの一人はアメリカ人のCだ。

次に、Cの話をしよう。



6月15日(土)のつぶやき

2013-06-16 04:47:54 | 物語

アベノミクスの限界

2013-06-15 15:28:24 | ButsuButsu


うまくいかないだろうな。

大阪のとあるセミナーで、経済産業省の役人からアベノミクス第三の矢についての話を聞いた時に、そう感じた。

5月下旬のことだ。

私が総理大臣であっても、同じようなことをしてきただろう。

政策そのものは間違ってはいない。

しかし、根本のところを間違えている。

規制緩和も民間主導も重要だ。

まさにその辺が鍵になるだろう。

でも一番重要なのは、人材の活用なのだ。

戦後の我が国における経済発展を支えてきたのも、そしていま最もお荷物になっているのも、どうにもならない我が国の官僚である。

そこで政治主導という考えが出てきた。

でも、それもだめだった。

第一、政治家が社会の事情をよく知らな過ぎる。

特に安倍さんのように二世議員で苦労を知らない人は、社会の実態や世界の実情に疎い。

私が指導者であったならば、もっと人材の活用に工夫をする。

公務員も民間企業の人も、退職した人をすべてまとめて面倒を見る官民一体の会社を作る。

再雇用などはしない。

シニアによる横つなぎ集団だ。

10年間の期限付き雇用として、それぞれの職能にあった派遣業務をこなしてもらう。

高給は払えないが、年金をもらうまでの十分な手当てを保証する。

いわば社会の助っ人集団でもある。

企業が行政の許可申請をするときには、公務員を退職した人が助っ人として役人との交渉にあたる。

行政が公共事業をするときには、企業を退職した人が適正な見積もりの助っ人を行う。

すべての業務費の10%を、恩恵を被る行政なり企業が負担して、この会社に支払う。

足りなければ国が支援するし、大幅な利益が出れば年金に積み立てる。

こうすれば、現役労働者の縦割り組織に対する、退職シニアの横串組織ができあがる。

縦と横がうまく編みあがった社会こそ、世界最強の国家となるのではないだろうか。

それをしなければ、結局、アベノミクスは利権の中で粉砕されてしまう。

もう無能な天下りはたくさんだ。

湖の鎮魂歌(7)

2013-06-15 14:54:26 | ButsuButsu


調査チームの中にカナダ人のRを入れた。

彼は長い間国連関係の研究機関で働いていた。

UNEPやUNESCOに顔がきく。

生物生産の専門家である。

シニカルな態度で、ちょっと目は怖い感じを相手に与える。

若いときには少林寺拳法をやっていた。

でも本当は心根がやさしくて、ナイスなおじさんである。

南アフリカやイスラエルでも仕事をしてきているので、少々のことには動じない。

妙に私とは気が合っている。

2001年に一緒にモンゴルへ行った。

この人がいると、ごまかしが効かないから、結果に信頼がおける。

モンゴルでサルベージをやるにはもってこいの人物だ。

終了したら山のような報告書を求められるので、英語編集能力のあるRの存在は大きい。

なにせ仕事が早い。

ただ他人に愛想が言えない。

妥協はしない。

もう70に近いが、まだ元気だ。

少しばかり仕事をしてもらおう。

6月14日(金)のつぶやき

2013-06-15 04:51:35 | 物語

湖の鎮魂歌(6)

2013-06-14 17:14:26 | ButsuButsu


フブスグル湖というのは大変魅力的な湖である。

砂浜でさえ光り輝く。

初めて訪れたのは1996年だった。

最初に魅せられてしまって、その後1997年から2002年までの6年間、毎年夏になると訪問して調査を行った。

ほとんど手つかずの自然といってもよいだろう。

そこで調査を行うことに、この上ない喜びがあった。

多くの友人もできた。

その中に、まだ世間慣れをしていないモンゴルの若者がいた。

結局、4人の若者を日本に呼んで、研修を受けさせた。

驚くことに、彼らは、あっという間に日本語の達人となった。

全員が、日本語検定一級に合格したのだ。

遊牧の民の特性なのかもしれない。

Hもその中の一人だった。

1997年に初めて出会って以来、今まだに好誼がある。

彼らと一緒に調べた湖の水温の記録である。



教科書のような湖だ。

夏場は、加熱によって水温躍層が発達する。

深さは、30-70m位までである。

これが風波による混合が達する深さだ。

一方、冬場の循環は150-170mまで達する。

水面は凍るので、表水層の温度は4℃より低くなる。

170mより深い水はほぼ一定である。

この深さの水が汚染されると、まず回復しないことを物語っている。

久しぶりにこの湖に行ける。

古い友人たちと会える。

そう思うと、私はひそかな興奮を覚えた。


暑い

2013-06-14 11:48:02 | ButsuButsu


暑いね。

米国大気海洋局の情報だと、ハワイのMauna Roaにおける二酸化炭素濃度は順調に上昇しつつある。

2012年に396.78ppmだった濃度が、2013年5月には399.77ppmになった。

平均値としてはほぼ一定の割合で増えている。

過去百年間にわたってそうだ。

ん、ちょっとおかしいかな。

二酸化炭素濃度が一定の割合で増え続けるには、一定の割合で排出されなくてはいけないのでは。

つまり、過去百年間、毎年同じ量の二酸化炭素が排出されたのだろうか。

答えはノーだ。

排出量は確実に増えてきているはずだ。

ではなぜ一定値で増えるのだろうか。

それは、植物による調整が働いているというのが、Lovelockの主張だ。

ガイア仮説を提唱したLovelockは、1994年に有名な論文をNatureに掲載した。

彼は、大気中の二酸化炭素の消費者として陸上植物と海洋藻類のみを取り入れたモデルを作った。

それによると

(1)二酸化炭素濃度が200ppm程度であれば、システムは安定である。

(2)二酸化炭素濃度が400ppmを越えると、海洋藻類による二酸化炭素の取り込みが消滅する。

これは水温上昇による深水層からの栄養塩供給停止が原因だ。

その結果、濃度は700ppmまで急激に上昇する。

と予想している。

今、ハワイで測定されている二酸化炭素濃度が、その400ppmに近づきつつある。

もう取り返しがきかないのだろうか。

Lovelock自身は、地球温暖化が緩和されていていると、彼の結果を訂正している。

つまり、IPCCが予測している3.5℃の気温上昇が、観測値では1.9℃の上昇留まっているからだ。

このことは、何か考慮されていない現象があるということを意味している。

それにしてもまだ6月だというのに、こんなにまで暑いのはなぜだ。