2011年5月18日、南三陸町の調査にいった時、水深49mの海底から地下水がわき出ているのを発見した。
福島沖でも同じかどうかは不明だが、かなりの汚染水が地下水として海に流出していることは確実だろう。
今後の事故処理を含めて、きちんとした対応が必要だと思われる。
すでに2年間を経て、どうもその辺がうまく機能していない気がする。
おそらくすべてが後手に回っているのだろう。
何が考慮されるべきなのか、について考えてみた。
(1)海洋汚染を最小限に食い止めること。
(2)将来において処理可能な手立てを考えること。
(3)メルトダウンの影響を可能な限り正しく把握し、想定される被害を最小にとどめるとともに、早期の封じ込めを実現すること。
最後の項目は、情報の少ない現段階では、有効な手立てを提案することはできない。
凍土作戦は、一時的に(1)を満たすかもしれないが、(2)の解決とはならない。
現段階で、実現可能でかつもっとも効果的な方法を考える。
(1)原発に流入してくる地下水の上流側に、原発敷地を取り囲むように運河を作る。
不透水層が50mとして、それくらいの深さは必要だろう。
全長は3km位になるだろうか。
原発側からの逆流入を防ぐために、上流側は透過性、下流側は不透過性の構造とする。
運河の底は、不透水層の上に、不透水シートをいくつか敷く。
上流から流入する地下水は、少なくとも河川水よりは汚染度が低いので、そのまま海水と混合させて流出させる。
こうして、原発敷地を上流地域から隔離する。
(2)原発敷地内に降る雨や、タンク等からの漏出水の対策として、海岸線沿いに水路を作り汚染水溜めとする。
この汚染水溜めと外洋の水交換はないようにすることが肝要である。
底には不透水シートを複数敷く。
汚染水溜めを沈殿槽として用いて、溜まった放射性物質を定期的に回収し、別途処理する。
増加する上澄み液は何回かフィルター処理して、最終的には海に放出する。
(3)海への流出が回避されたことが確認できたら、原発敷地を取り囲むように内堀を作る。
深さは不透水層まで掘る必要があるだろう。
この堀を永久沈殿槽として放射性物質を封じ込める、といったところだろうか。
いずれにしても綿密な計画と、大胆な実行がなければ、ずるずると被害は拡大するばかりだと思われる。