DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

湖の鎮魂歌(54)

2013-08-31 20:52:35 | ButsuButsu


ブライアンの写生教室が開催された。

NEXCO西日本パートナーズクラブの後援で実現したこの催しは、子供たちにプロの技を伝えるのに効果的だ。

みんな真剣な顔をして聞いている。

ブライアンの話術もたくみだ。

まったく変な外人だ。

午前中に、琵琶湖についての話と水彩画の描き方を学んだ。

午後からはいよいよ写生だ。

みんな思い思いの場所に陣取って、ひたすら絵筆を握る。



時々ブライアンが助言に赴く。

彼は決して絵の巧拙は言わない。

少しの助言が、構図を変えていく。

描き終わったら即席の展示会だ。



それぞれに個性があって面白い。

子供より大人のほうが力が入っている。

来週は、学習船に乗っての環境クルージングだ。

お世話をするほうも大変だが、参加者の熱意も大事だ。

還暦を過ぎてからこんなにエネルギーを使おうとは思ってもいなかった。

8月30日(金)のつぶやき

2013-08-31 05:11:46 | 物語

ブダペストから(6)

2013-08-30 09:47:14 | ButsuButsu


恥ずかしい話だが、ブダペストでゴッホのポピーの絵を見るまで、この花のことは何一つ知らなかった。

中国では虞美人草とも呼ばれ、日本ではヒナゲシ、フランスではコクリコと、様々な呼び名を持っている。

というか、それぞれ違う花だと思っていた私は、花オンチもよいところである。

ケシ科ということで、見ていると魅惑されてしまうような気がする。

とても小さな実をつけるところから芥子粒(けしつぶ)という言葉が生まれたとされている。

なるほどな、と思う。

4月から6月に花が咲く。

原産は欧州だ。

慰め、いたわり、思いやり、七色の愛、、、といった花言葉が並ぶ。

どんな思いを持ってゴッホはこの花を描いたのだろうか。

不遇であった彼の生涯を思う時、咲き乱れるポピーの赤色は彼の情感につながっている気がしてならない。

ある意味で、狂気とも言える。

風景画家は、バランスを大切にする。

ブライアンの絵を見ていると、重力に支えられた安定性がある。

人はそれを見て、心の安心を得る。

ゴッホの絵は、どこかその安定性を欠いている。

少しの不安。

それは色彩であったり、バランスであったり、うつろいであったりする。

逆に言えば、その不安定さが見る人の心をつかむ。

人は皆、不安定な世界に生きている。

気候の変化、時間の変化、心の変化、など。

ゴッホは、そのような機微を、意図しないで描いてしまう。

そこに彼の天性の無邪気さがある。


8月29日(木)のつぶやき

2013-08-30 05:10:02 | 物語

大丈夫か(3)

2013-08-29 23:31:29 | ButsuButsu


アメリカはシリアを爆撃するらしい。

勝ち負けが即自分の生命に関わるのだから、どちら側も引くわけがない。

民主主義という言葉が空ろに響く。

ロシアも戦艦を派遣するということだから、シリアの対応次第ではややこしいことになりそうだ。

石油の値上げ、円の高騰、株価の低下、アベノミクスにとっては最悪のシナリオになるかもしれない。

歴史上、もっとも長い期間、大きな戦争が発生していない。

核による力のバランスが大きな戦争を抑止しているという考えは、案外正しいのかもしれない。

少し試す、ということがしにくくなっている。

逆に言えば、少し試したことが、最悪のシナリオをもたらすこともあるということだ。

オバマ大統領にノーベル平和賞を与えたことは、本当に正しかったのだろうか。

その真価が問われている瞬間でもある。

翻って、わが国はどうあるべきなのだろうか。

原発問題、温暖化対策、経済対策、どれ一つ正鵠を得ていないようだ。

すべてが関連しているのだから、個別問題として捉えるべきではない。

そして利権とは関係ない政治を行って欲しい。

今こそ国を導く思想が必要なのではないか。

新しく生き抜く思想が発芽するために、いったい何人の人が犠牲になればよいのだろうか。

モンゴルの草原で馬に乗っていると、こんなことはすべてどうでもよいという気になるから不思議だ。

大丈夫か(2)

2013-08-29 10:16:39 | ButsuButsu


2011年5月18日、南三陸町の調査にいった時、水深49mの海底から地下水がわき出ているのを発見した。

福島沖でも同じかどうかは不明だが、かなりの汚染水が地下水として海に流出していることは確実だろう。

今後の事故処理を含めて、きちんとした対応が必要だと思われる。

すでに2年間を経て、どうもその辺がうまく機能していない気がする。

おそらくすべてが後手に回っているのだろう。

何が考慮されるべきなのか、について考えてみた。

(1)海洋汚染を最小限に食い止めること。

(2)将来において処理可能な手立てを考えること。

(3)メルトダウンの影響を可能な限り正しく把握し、想定される被害を最小にとどめるとともに、早期の封じ込めを実現すること。

最後の項目は、情報の少ない現段階では、有効な手立てを提案することはできない。

凍土作戦は、一時的に(1)を満たすかもしれないが、(2)の解決とはならない。

現段階で、実現可能でかつもっとも効果的な方法を考える。

(1)原発に流入してくる地下水の上流側に、原発敷地を取り囲むように運河を作る。

不透水層が50mとして、それくらいの深さは必要だろう。

全長は3km位になるだろうか。

原発側からの逆流入を防ぐために、上流側は透過性、下流側は不透過性の構造とする。

運河の底は、不透水層の上に、不透水シートをいくつか敷く。

上流から流入する地下水は、少なくとも河川水よりは汚染度が低いので、そのまま海水と混合させて流出させる。

こうして、原発敷地を上流地域から隔離する。

(2)原発敷地内に降る雨や、タンク等からの漏出水の対策として、海岸線沿いに水路を作り汚染水溜めとする。

この汚染水溜めと外洋の水交換はないようにすることが肝要である。

底には不透水シートを複数敷く。

汚染水溜めを沈殿槽として用いて、溜まった放射性物質を定期的に回収し、別途処理する。

増加する上澄み液は何回かフィルター処理して、最終的には海に放出する。

(3)海への流出が回避されたことが確認できたら、原発敷地を取り囲むように内堀を作る。

深さは不透水層まで掘る必要があるだろう。

この堀を永久沈殿槽として放射性物質を封じ込める、といったところだろうか。

いずれにしても綿密な計画と、大胆な実行がなければ、ずるずると被害は拡大するばかりだと思われる。

8月28日(水)のつぶやき

2013-08-29 05:48:05 | 物語

大丈夫か(1)

2013-08-28 15:13:57 | ButsuButsu


福島第一原発の汚染水流出を食い止めるために、地面を凍らせるという。

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福島第一原子力発電所の汚染水対策として「凍土遮水壁」が浮上している。
地中にパイプで冷却剤を通す方法は1860年代に炭鉱で使われ始めた伝統工法。
しかし、完成は2015年で、どれぐらいの費用がかかるのか算定もこれからだ。

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一時的な便法としてはよいかもしれないが、ほぼ永久に凍らせるのには首をかしげたくなる。

モンゴルで永久凍土を見てきた感じでは、よい選択とは言えない。

永久凍土の上に家を建てても、やがて傾いてきてしまう。

地面が融解と凍結を繰り返すためだ。

そのたびに、地面が延び縮みする。

日本のように、降水量が多い地域では向かないのではないだろうか。

膨大なエネルギーを使って地面を凍らせても、地表に近いところでは融解も起こるだろう。

そのうち、タンクが傾く可能性も除去できない。

全く厄介な問題だ。


8月27日(火)のつぶやき

2013-08-28 05:14:19 | 物語

湖の鎮魂歌(53)

2013-08-27 14:40:03 | ButsuButsu


ブライアン・ウィリアムズは、20年来の友人である。

風景画家であるくせに、やたら最先端の科学技術に興味を持っている。

特に環境問題については一家言ある。

出会いは、琵琶湖研究所で開催した研究会だった。

あるときブライアンが聴衆としてやってきた。

巧みな日本語を操って、講師が困るような質問をする変な外人だった。

彼が日本にやってきて40年位になるのだろうか。

ペルーで育ち、アメリカで絵画を学んだ。

世界一周旅行をするつもりで、ロスを出発した。

日本について、初めは京都にいたらしい。

そこで下宿した先の一人娘に惚れてしまって、そのままずっと最初の訪問地に居続けている。

その人が今の奥さんである英美さんである。

最近、ブライアンは、新しい画法を生み出した。

曲面絵画だ。

目で見る風景は、決して平坦ではない。

ねじ曲がって見える。

そこで、曲面に変形させたキャンバス上に絵を描くことを始めた。

これがなかなかの迫力を醸し出している。

もともと持っていた高度な写実センスに、局面がもつ空間の深みが加わって、今やマエストロの雰囲気が出てきた。

そんなブライアンと一緒に企画していることがある。



西日本高速道路エリア・パートナーズクラブから助成を受けて、NPO法人びわ湖トラストが実施する親子の写生大会だ。

8月31日に近江八幡で行う企画には、すでに50名ほどが応募している。

自然から学ぶことはたくさんある。

子供たちの絵を通して、ブライアンの自然観が伝播していけば良いと思う。


8月26日(月)のつぶやき

2013-08-27 05:04:13 | 物語

湖の鎮魂歌(52)

2013-08-26 21:52:20 | ButsuButsu


恐るべしスウェーデン。

僕たちは何も知らなかったが、彼らと東大のコラボは、ずっと前からスタートしていた。

https://www.facebook.com/solarboatproject

彼らのフェイスブックに情報が流れていた。

東大と工科大学の共同チームに立ち向かって勝てるほど、立命館大学学生チームは熟成していなかったことか。

おまけに、事前の情報は何もなかった。

このような状況の中で、立命の学生はよく検討したと思う。

ただ、初めはかなり慢心していたことも確かだった。

東大と工科大の連合チームは、大会会場でボートを整備するのではなく、宿舎で整備をしてからやってきていた。

技術戦と情報戦と耐久戦のすべてで遅れをとってしまった。

勝てないわな。。。

雨の中のレース。

日曜日だというのにずぶ濡れだ。

レースを時間切れで打ち切ってから、帰路に向かう途中、奇妙な光景を見た。

「カヌーレースだ!」

こんな雨の中でも、小さなカヌーで集団で琵琶湖をこぎ抜く人たちがいる。



琵琶湖を愛する人たちがここにもいる。

スウェーデンの学生も琵琶湖を好きになってくれるかな。

そんな思いが脳裏を過ぎる。

少しずつ、本当の意味で、琵琶湖の国際化に近づけようか。

私に出来ることは多くはない。

そして時間も短い。

まず来年だ。

がんばれ。

老人たちは、バトンを渡す若者を探している。

誰かソーラーボート大会に参加しませんか。

8月25日(日)のつぶやき

2013-08-26 05:02:28 | 物語

湖の鎮魂歌(51)

2013-08-25 20:58:09 | ButsuButsu


同じことを17年間もやっていると、いろいろなことが起こる。

今回のソーラーボート大会に、スウェーデンからの参加者あった。

東大チームと共同で、特別に参加した人々だ。

彼らはスウェーデン王立工科大学の若者たちだ。

マンネリ化してきたクルーレスソーラーボート大会に大きな刺激を与えた。

8月24日の親睦会で、乾杯の歌を歌ってくれた。

いつも思うのだが、北欧の若者は決して物怖じしない。

いつも積極的だ。

そして寒さに強い。

そのタフさを発揮したのが、今日のレースだった。

朝から雨が降り、事務局は大会の中止に傾いていた。

レーダーの雲情報を見ていると、10時頃から好天に向かいそうだった。

無理を承知で、大会の開催をお願いした。

少々の逆境に打ち勝つ根性を、日本のメンバーにも身につけて欲しかった。

風さえ吹かなければ特に危険はない。

10時30分から小雨の中、次々にボートが出発して行った。



私は審判員として東大チームに同行した。

出だしの頃は、3~4ノットくらいの速さで順調に走っていた。

次第に雨足が強くなってきた。

東大の学生諸君は、寒さで震えていた。

先行する立命館大学の学生も、震えていることだろう。

元気だったのはスウェーデンの学生だった。

寒さを気にする様子もない。

2時間の走行制限時間内で、折り返し点まで到達したのは東大の2チームだけだった。

結局、立命館大学チームは3位に終わった。



残念だったが、今回のレースが日本の学生諸君の負けじ魂に火をつけてくれることを心から願っている。

国際社会で勝ち抜くには、用意周到な準備と、負けないという強い意思と、フェアプレイの精神だ。

堂々と挑戦し、勝利を目指すところに、次世代の日本の生き残る道がある気がする。

工科大学の教授は、このレースのビデオをyou-tubeにアップすると言っていた。



来年には、世界中からもっと多くの参加があるかもしれない。

まさに転換期に来た第17回クルーレスソーラーボート大会だった。

8月24日(土)のつぶやき

2013-08-25 05:02:30 | 物語