DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

道(7)

2015-10-30 17:43:07 | ButsuButsu


秋の道の定番は、色づく紅葉だ。

いいね。

なんだか心の底までこの季節を楽しんでいるようだ。

それにしてもこの色合いどうだ。

赤から黄までの中間色の豊かさ。

これが日本の秋の色合いだ。

それだけ季節の変わり目が変化に富んでいるということなのだろう。

我が国の生き様を映している。

いろんな意見があっていいのではないのか。

表に出る意見だけが正しいとは限らない。

隠れた意見が作る様々な色合いが、美しく調和する国であってほしいと思う。

そのために、少しでも役に立てればよいかな。

そう言えば、11月1日の朝7時、日本テレビ「所さんの目がテン」に琵琶湖が出るそうだ。

11月5日に朝日新聞の科学欄に拙著「琵琶湖は呼吸する」が取りあげられる。

琵琶湖万歳!

そして田沢湖万歳!



田沢湖が、世界一の透明度を取り戻すとき、日本の夜明けが来る。

この国のすべての湖に万歳!

水と森が調和するうまし国、日本の自然に万歳!

道(6)

2015-10-29 12:20:45 | ButsuButsu


琵琶湖に続く湖岸の道は、秋の装いに寂しげだ。

アベノミクスも絶望的な行き詰まりを見せてきたし、さて困ったものだと思ってしまう。

先日、東京である会社の社長さんと話した。

「地方創世は大失敗だね」

地方創世担当大臣は、もともと石破さんつぶしの役職だから予定通りなのだろう。

それにしても、新しい安倍内閣でも威勢の良い言葉が並ぶ。

一億総活躍担当大臣だって?

まるで、戦前の「進め一億火の玉だ」のキャッチコピーのようだ。

一体、国民にどうしろと言うのだろうか。

戦争にでも行けというのか?

絶望的な進軍ラッパに聞こえる。

「GDPは、現在の約500兆円から5年後に600兆円に引き上げるというものだが、そのためには年3%の経済成長が必要になる。これまでのアベノミクスで、年2%すら達成できていないのに、なぜ3%ができるのか。よくわからない」

出来もしないことを平然と言うようになるのは、破綻の前兆だという。

「日銀は追加緩和に踏み切るのか。市場は10月末の決定を注視するが、どう転んだところでアベノミクスの限界は近い」

しかし、客観的に見ると、安倍さんはよくやっていると思う。

だが、どこかがずれている。

他に代替性がないのだからしかたないが、もっと適任者はいないのだろうか。

「出生率を1.8に上げる」

こんなこと、できる目処もない。

むしろ、現状の人口減に見合った社会を作ったほうが良いくらいだ。

「介護離職ゼロを目指す」

掛け声としては良いのだが、現実性に乏しい。

結局、「こうありたい」という願望だけでは、社会は変わらない。

そう、社長さんは締めくくった。

確かに、地方でも都会でも、元気な人が少なくなってきた。

みんな疲れた顔をして、スマホの世界に没頭している。

安倍さんに本当に必要なのは、SEALDsのような元気ある若者の力だろう。

若い人が活躍できる社会が、いま求められている。

嘘とかごまかしでは耐え切れなくなってきている。

道(5)

2015-10-28 15:19:56 | ButsuButsu


新幹線の道は振動が少ないから、うたた寝に向いている。

ふと目覚めて窓の覆いを上げると、富士山が目に飛び込んできた。

今日も快晴である。

このことろ京都から東京への道筋は曇り空が多く、本当に久しぶりの富嶽であった。

いつも不思議だと思う。

琵琶湖にしろ、富士山にしろ、見えるだけで嬉しくなる。

見えるだけで、その場所の価値が10倍にはなるようだ。

そのことを私たちは、日常的に認識しているのだろうか。

偉大な自然は、人々の心を豊かにし、相対的に自然の価値を高める。

太古の昔から存在したのだから、無料といえば無料だが、自然の価値は得難いものである。

それだけに、大切にしたいものだ。

戦前、満州の開拓者には、屯墾病(とんこんびょう)というヒステリー性の病気があったらしい。

環境的な要因の影響のもとで移民した日本人の多くが精神病になっていった。

人々の暮らしと対峙する自然が持つ意味を、もう少しきちんと考えるべきなのだろう。

そして、誰かがそのことを伝えていくべきだと思う。

道(4)

2015-10-27 05:49:39 | ButsuButsu


大学への道は、何となく若返るから不思議だ。

学生さんたちが足早に通り過ぎるのを横目に見ながら、一歩ずつ歩を進める。

与えられた自分の時間を、どうやって過ごすか。

今日一日のことを考えると、なんだかうれしくなる。

そう言えば、Yahooニュースにこんな記事がのっていた。

*****

日本を元気にする会と、生活の党と山本太郎となかまたちの2党が、与野党政調会長らによる25日のNHK番組「日曜討論」に出演を求められなかったとしてNHKを批判している。
少数政党が呼ばれなかったことは過去にもあるが、結党前の新党「おおさか維新の会」幹部が出演したため、批判を強めている。

NHKは、朝日新聞の取材に対し「『日曜討論』では、与野党同席での討論の場合、どの政党に出席を依頼するかについては、放送時間や、討論としての物理的な制約などを踏まえ、報道機関としての自主的な編集権に基づいて決めている。
『おおさか維新』は、正式に結党されていないものの、結党大会を31日に開く予定で、10人以上の国会議員の参加が見込まれることなどから、出演いただいた」などとするコメントを出した。

*****

何だか変な理屈だが、視聴者から強制的にお金をとって経営しているいわゆる国営放送としては、もう少しまともなコメントをだすべきではないのかな、と思う。

この論理は、自分たちの都合のよいように番組を作ると言っているに等しい。

もしこの論理が正しいとすれば、一体誰がどの基準に基づいて編集し、放映しているのかを公表すべきだろう。

私は特定の党の弁護者でもシンパでもないが、『おおさか維新』なる政党のうさん臭さも鼻についてならない。

如何にも大阪的だ。

大阪じゃんけんというのをご存じだろうか。

「はじめはぐ―」そして「やっきっき」で始まるこのじゃんけんには、ある約束がある。

それを知らないよそ者は、まず負けてしまう。

大阪人の、大阪人による、大阪のための政治を目指しているのが『おおさか維新』なのだろう。

その論理は、決して全国で通用はしないし、ましてや世界でも通用しない。

まさか、NHKにこのような暗黙の了解があるとは思わないが、誰が見てもなるほどな、と思われる大人の対応をしていただきたいものだ。

そんなことを、今日坂道を登りながら、私は考えた。

道(3)

2015-10-25 11:59:51 | ButsuButsu


山の道

静かな樹間を抜け

獣の足跡を追う



熊が幹木の皮をはぎ

鹿が一晩を過ごした跡を見る

急な勾配を抜けると

トチノキの巨木にたどりついた

子供も大人も

外国人も

朽木の山に集う



こんな取り組みをもう4年間も続けている

何となく

人が森と触れ合い

素直になれる時でもある

先人に感謝


道(2)

2015-10-23 15:28:39 | ButsuButsu


風林火山は武田信玄の旗印で有名だ。

これは孫子の軍争篇にある言葉だ。

***

故に、

其の疾きこと風の如く、

其の徐かなること林の如く、

侵掠すること火の如く、

動かざること山の如く

***

これを孫子の四如の旗、と呼ぶが

軍争篇で孫子が説いているのは六如なのだそうだ。

つまり、四如に続いて

***

知り難きこと陰の如く、

動くこと雷霆の如し

***

なるほどと思うのだが、

なぜ信玄は四如としたのだろうか。

道(1)

2015-10-19 15:32:50 | ButsuButsu




戸を開けると道

白く 黒く

まんじりともせず 見つめている

***

日差しの良い時には

いくら歩いても 疲れない気がする

自分の名前の一文字だからかもしれないが

私は 道 という文字が好きだ

こうして歩いて来て

こうして歩いて行く

己の道に 迷いはない

***

礼儀の儀とは

人が義をなすということだ

つまり

礼を尽くすのは

義を為さんがためである

生きる(100)

2015-10-19 13:25:47 | ButsuButsu


比叡の山々が美しく見渡せる季節がやってきた。

これから紅葉の季節を迎える。

さて、「生きる」のテーマも100回目となった。

この種の話は、これで終わりにしよう。

年をとってくると、「生きる」ということがより実感的になってくる。

それは、季節の移ろいと共に、おのれの心にずしりと寄りかかってくる。

江國香織的表現で言えば、

冬は知恵と文明が要求される季節であり、

夏は、細胞の一つ一つが抱えている記憶がふいに立ち上がり、風に揺れる草みたいに不穏に波立ってしまう季節、らしい。

こうして、冬の寒さと夏の暑さが繰り返し、やがてそれらをしのぐのが耐え難いものとなってくる。

そして、あるレベルを越えると、花びらが落ちるように死に絶えるのだろう。

「生きる」というのは、そのような自然の営みの中で指折り数えるもので、そんなに深い意味を持っているわけではない。

だからこそ、体と心を鍛え、繰り返して押し寄せてくる季節の波をうまくやり過ごせばよい。

それが人間としてのけじめのような気がする。

私は、あと何回ジャンプできるのだろうか。

できれば心に残る波乗りを、あと2~3回は記録したい。

そのうち飛び上がれなくなり、這いつくばって波間に埋もれる時に、「生きる」と言う言葉が消え去るのだろう。

それにしてもこの空の青さはどうだ。

生きる(99)

2015-10-15 11:49:00 | ButsuButsu


十月になると、空は確実に一段高くなり、ぐんと青さと透明感を増す。

江國香織的表現のような青空が、三鷹の街に広がった。

今日は何か良いことがあるような、そんな気にさせてくれる。

前に向かって進みなさい。

そうすれば、きっと何か得られるから。

そういう囁きが、風に乗って届く。

負けない。

くじけない。

自然は時として辛いけど、いつも厳しいわけではない。

こんな日は、青空に心をまかせて、大きな歩幅でがばりがばり歩けばいい。

そうすれば、生きている気になれるかもしれない。

生きる(98)

2015-10-13 22:32:25 | ButsuButsu


前衛芸術ではない。

びわ湖に投入した7個のブイが作った軌跡だ。

面白いことに

全てが左回りだ。

ただそれぞれが個性的な動きをしている。

何がこんな複雑な動きを作るのだろうか。

実は、それぞれのブイの動きは、とても規則的だ。

ただ、それぞれが微妙に異なっているので、まとめて描くと無秩序のように見えてしまう。

自然が作る抽象芸術と言ってもいいだろう。

びわ湖には、こんな不思議が詰まっている。

時間があれば、遊びにおいでよ。


生きる(97)

2015-10-11 16:40:29 | ButsuButsu


2番目の漂流ブイが、びわ湖にハートのマークを描いた。

湖にはいろいろな振動や流れがあって、時々このようないたずらをする。

7個のブイのうち、2個のGPSバッテリーが切れかけている。

明日はそれらの充電に出かけよう。

できれば火曜まで観察を続けたい。

こうしてくるくる回って

渦はやがて消えていく。

少しずつだが、長時間観察ができるようになってきた。

ハラハラドキドキ

見守りながら楽しんでいる。

生きる(96)

2015-10-10 21:23:30 | ButsuButsu


今日のびわ湖は幻想的だった。

深い霧に包まれた湖上を私達は進んでいた。

ミスティそのものだ。

それは日本という国の、はかなさを象徴するようだ。

自然というのは、とても面白い。

人とのかかわりとは別に、そしてこの霧とも違って、確かにそこに存在している。

誰も見ることができないものが、確かにそこにある。

今日は、日本人とフランス人とカナダ人の混成部隊が、漁船に乗って渦を調べる。

GPSトラッカーという武器を使って、水の流れを追跡する。

7台の装置を手に入れ、一つ一つを湖に投入する。

やがて、それらが一列に並んで浮遊し始める。

まるで、約束したかのように。

ダンスをしているようだ。

面白いだろう。

びわ湖に古代からある、自然の造形だ。

知っておいて損はない。

びわ湖が世界に誇る美だ。

カナダ人とフランス人と日本人は、とても楽しんでいた。

深い意味はないのだが。


生きる(95)

2015-10-09 22:29:55 | ButsuButsu


市町村合併とか道州制とかは、言葉はよさそうに響くが、私は好きではない。

TPPにしてもそうだ。

結局、数の多い方が勝ってしまうからだ。

少数だからこそ、心に響く魂がある。

第80回日本陸水学会の学術大会は、今井一郎先生の献身的なご厚意で北海道大学水産学部で開催された。

私は、9月26日から29日まで、北海道の函館市にいた。

滞在中ずっと、新鮮な魚を満喫した。

ここは楽しい街だ。

最後の日、大会の終了を祝って、懇親会が行われた。

なんと、その席に登場したのは、水産学部の学生さんで構成された陸水バンドだった。

心憎い演出だった。

10人足らずのバンドだったが、気持ちがこもっていた。

やったぜ函館。

物知り顔でTPPの流れは必然だなどと、言わないでほしい。

大阪都構想も、眉唾な話だ。

組織の無駄もよいではないか。

無駄があるから文化が生まれる。

地域に根付いた独自の文化を大切にしたい。

中国では、雲南省が一番好きだ。

この省には、中国にある少数民族のほぼ半分が住んでいる。

それぞれに独特な調理方法と、色とりどりの民族衣装がある。

見るだけでとても楽しい。

モンゴルのフブスグル湖の奥地には、ダルハトという少数民族がすんでいる。

初めてそこへ行ったとき、朝早くおじさんが荷車で売りに来た馬乳酒を飲んだ。

作ったばかりの新鮮な味だった。

ナーダムの夜には、地元の若者たちとダンスを楽しんだ。

年に1回だけ、この日に男の子と女の子が晴れ着を着て出会い、一緒に踊るのだ。

それ以外の日々は、彼らは遊牧の旅に出る。

小さな村での楽しいひと時の思い出が、今でも心に残る。

この村に住むBaasankhuu君は、いま8歳になる。

生まれてすぐに熱湯で火傷した。



ウランバートルで手術を受けたが、成長するに伴って皮膚が固まってきた。

もうそろそろ再手術をしないと、彼の体はいびつに成長する。

そう言えば、野口英世が手の手術を受けたのが10歳の時だった。

当時不良青年だった野口が、やがて世界的な医師になるとは、誰が予想しただろうか。

民族とは、文化とは、多様な社会から生まれてくることを忘れてはいけない。



心ある人は以下のページをクリックしてほしい。

http://wwcf.blue/?page_id=41

生きる(94)

2015-10-03 21:02:52 | ButsuButsu


いよいよ「琵琶湖は呼吸する」の本が、一般に販売され始めた。

早速、読者からメールが届いた。

*****

御著書につきましては、1冊、個人用に購入させていただきました。
さっそく拝読させていただいておりますが、まず第1章に、堀江 正治 先生に関するご記述があるのが、私の目を引きました。

どういうわけか、私の周囲には堀江 先生のことを良く言わない日本人研究者が多くて困ります。
けれども、かくいう人びとは、堀江 先生より優れた成果をあげておられるのかといえば、必ずしもそうでない場合がほとんどです。

改めて私が申し上げるまでもなく、ほかのひとの仕事を正当に評価することなしに、日本の研究者が世界舞台へ躍り出るようなことはできないと、私は
思います。

*****

そのとおりだと思う。

1991年に初めて、私がアメリカで最大のウッズホール海洋研究所を訪れた時のことだった。

「日本の滋賀県琵琶湖研究所から来ました」

という私の自己紹介に

応対をしてくれた海洋研究所の教授がこう言った。

「よく知っているよ。所長は堀江正治だろう」

思わず、「えっ」と聞き返した。

堀江先生がいたのは「京都大学琵琶湖古環境実験施設」であって、琵琶湖研究所とは全く別の施設だったのだ。

それほどに、琵琶湖と言えば、堀江正治先生が世界的に有名だ。

なぜ堀江先生が有名になったかについては私の本を買って読んでもらうとして、琵琶湖が有名になったのは堀江先生のおかげなのだ。

だから、滋賀県は、もっと堀江先生に敬意を払うべきなのに、残念ながらほとんど記述されていない。

日本人は、他人の業績を正当に評価しない。

悪い点だ。

だからこそ、私は、あえて第1章に堀江先生の話を持ってきた。

この本を買うと、印税がモンゴル少年の火傷を直す費用になる。

本を読んで賢くなり、なおかつ人助けにもなるのだ。

最高ではないか。

バイカル湖では急激な水位低下で、多くの動植物に被害が出ているそうだ。

私たちのちょっとした貢献が、困った人や自然破壊を救うのだ。

そう思うと、日常生活が豊かに感じられるから不思議だ。