
世界中で、湖の研究機関が閉鎖されたり縮小されたりしている。
主な理由は、財源の不足である。
だが、それは表向きの理由で、本音は他のところにあるのだろう。
最大の理由は、研究が直接生産に結びつかないからである。
湖で利益をもたらすのは、漁業か観光か飲料水源である。
残念ながら湖沼の研究そのものでは、食べていけないのである。
しかし、本当に研究をしなくても良いのか。
違うのではないかと私は思う。
それは、人々が、湖の真の価値に気がついていないからである。
見続ける人、守り続ける人がいるからこそ、自然は本来のシステムを維持し、健全な形で継承されるのである。
例えば、数年前、びわ湖に死体を捨てる人が多くいた。
NPO法人びわ湖トラストでは、びわ湖の湖底を探索し、環境の学習会を行い、清掃するキャンペーンを行った。
このことによって、びわ湖に死体を捨てる人はいなくなった。
湖の研究者は、湖の観察者であり、保護者である。
湖の研究者を失うことは、湖が本来の輝きを失うことであり、湖の価値が損なわれることである。
このことに気づいて欲しい。
大きな声や粗野な行動で己の利害のみを主張し、責任を逃れようとする人は、いつの日か手痛いしっぺ返しを喰らうだろう。
そんな思いをこめて、30年前から少しずつビデオを作ってきた。
http://www.youtube.com/watch?v=bHmbhbEelvk
鑑賞していただいて、よい出来だと思われたら、びわ湖の守り人のためにカンパをお願いしたい。
希望があればDVDを送る。
事実を知り、真実に近づこうとするところに、科学の使命があり、人類と自然の共存の道があることを忘れてはならない。