DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

湖の骨格

2013-06-24 23:39:57 | ButsuButsu


湖の堆積物である土砂をすべて取り除くと、どのような形になるのだろうか。

びわ湖の基盤を示した図を見つけた。

植村・太井子(1990)によるものだ。

これから湖の骨格を知ることが出来る。

500m以浅の基盤に着目すると、複数の筋をもった山峰が見えてくる。

特に大きいのは、愛知川から沖の白石、知内へと続く基盤だ。

500万年前、ここには数千メートルの高い山脈が連なっていたのだろう。

しかも火山だった。

それが沈降して、その上に土砂が堆積した。

深いところでは1000m以上の厚さとなっている。

この図の上に、湖底からの噴出し(ベント)の場所を重ねてみた。



すると面白いことが分かった。

ベントは、堆積物で覆われた昔の山脈の上から出ていた。

すごいと思わないかい?

びわ湖全体の調査をすべきだと思う。

気になる標高の変化

2013-06-24 10:13:00 | ButsuButsu


とても怪しい動きをしている関ヶ原!

このデータを除いて、琵琶湖周辺35か所のGPS測定値をもとに、標高の変化を調べた。

すると面白いことが分かった。

北へ行くほど標高の上昇率が小さく、南ほど高い。

つまり、相対的には北側で沈み込み、南側で隆起している。

問題は、その数値だ。

年間で0.5cmほどのずれが生じている。

1万年では50mだ。

琵琶湖の歴史400万年から考えると20㎞にも達する。

当然、時代によって沈降や隆起があるのでこの通りの動きではないだろうが、今のずれがかなり大きな値を示していることは間違いないでろう。

これから、京都工繊大で講演会だ。

そろそろ出かけたほうがよいかもしれない。

それにしても関ヶ原が気になる。

6月23日(日)のつぶやき

2013-06-24 05:03:02 | 物語

湖の鎮魂歌(14)

2013-06-23 19:35:36 | ButsuButsu


フブスグル湖の湖岸浸食は激しい。

崖が湖岸まで迫っている。

松の木が倒れて、水没している。

浸食は、おそらく最近始まったのだろう。

この地層は、先カンブリア紀のものだそうだ。

最初この地を訪れた時、なぜこのようなことが起こっているのかがよくわからなかった。

しかし、事情を聞いて納得した。

フブスグル湖の水位が上昇しているのだ。

年間60cmにも及ぶという。

いろいろ計算をしてみた結果、周辺の氷河や凍土が融けていることが分かった。



地球温暖化の影響は、この湖にも押し寄せてきている。

6月22日(土)のつぶやき

2013-06-23 04:53:37 | 物語

関ヶ原の変

2013-06-22 17:33:00 | ButsuButsu


月曜日に京都工繊大で行う講演の準備中に、面白いことに気が付いた。

2010年頃から、関ヶ原の標高が異常に高くなっている。

それまでは下降気味だったのが、この頃から上昇に転じている。

2012年1月から7月までの半年間に10cmほど高くなっている。

計測機器の不具合ならよいが、本当だったら要注意だ。

そう言えば、5月に米原で講義をしたとき、農道が盛り上がってきていると生徒さんが言っていた。

もう一つ興味深いのだが、この頃から夏場の上昇が顕著になっている。

大きな振幅を持った年変動が意味することは何だろうか。

ちなみに図中の赤丸は、2011年3月11日の数値だ。

さて琵琶湖の周辺から目が離せない。

日々好学

2013-06-22 16:43:22 | ButsuButsu


京都大学経済学部の川北英隆教授は、1970年京大入学の同期だ。

昔、同じ山の同好会に所属していた。

登山のためにニッセイ基礎研究所を退職したつわものである。

彼に関する面白い記事を見つけたので紹介する。

全文は、日経電子版を見てほしい。

******

消費税率が上がっても経済が冷え込まないためには、企業の収益改善が賃金上げにつながる必要がある。

賃金上昇を測るために注目しているのは、国内製造業の付加価値率と労働分配率だ。

付加価値率とは、営業利益、人件費、減価償却の合計が売上高に占める割合だ。

付加価値率は、95年ごろから低下傾向にある。

円高の時期だけでなく06~07年ごろの円安の時期でも下がっている。

付加価値率の低下が示すのは、日本の製造業の国際的な競争力の低下だ。

付加価値を削り価格を下げないと、海外はもちろん、国内でも製品が売れなくなった。

デフレの根本的要因も、この競争力と製品価格の低下にある。

企業は、90年代後半から米国と同様に人件費を削減して付加価値の分配を変えた。

労働分配率も低下傾向にある。

人件費の削減は短期的には企業業績を上向かせるが、それを長期間繰り返すことで消費が収縮して、高いものが売れない、値上げが通らないといった状況を生んだ。

この悪循環がデフレを深刻にした。

人件費の削減圧力が今後も続くと非常に良くない。

そこに、消費税の引き上げが加わってしまうと、消費がいっそう収縮して、株価の足を引っ張ることになりかねない。

**************

素人ながらそうだと思う。

わかりやすい論理だ。

最近アメリカ型大店舗が増えたことによって、製品価格は低下している。

従来の小売りは軒並み倒産した。

特に、地方がひどい。

規制緩和を行うことが裏目に出ているのかもしれない。

為替や株価で得た資金は、当然、逆の場合も想定しなければならない。

賃金が上がったとしても、恒常的になるとは思われない。

そこが大きなジレンマだろう。

生産を上げ、売り上げを伸ばさない限り、見通しは暗い。

では何を作り、何を売るのか。

日本にしかないもの、日本人にしかできないものに夢を託したい気がする。

画期的な発明の多くは、既存の技術から生まれてきていることを役人は学習すべきだ。

6月21日(金)のつぶやき

2013-06-22 04:55:56 | 物語

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湖の鎮魂歌(13)

2013-06-21 11:31:06 | ButsuButsu


金沢大学の柏谷先生が面白いことを語っていた。

モンゴルのフブスグル湖と山ひとつ隔てた西側に盆地がある。

これが、フブスグル湖の形とよく似ている。

おそらく昔、湖だったのではないだろうか。

それが地殻活動によって東へ移動した。

ちょうど琵琶湖のように。

そう言われてよく見ると、なるほど、山の西側の湖沼群をつなぎ集めると、フブスグル湖の形に似ている。

この地はツァガンノール(白い湖)といって、Hの故郷でもある。

過去には、フブスグル湖くらいの大きな湖があったのかもしれない。

だとすると、この地域も地殻活動が活発なのかな。

きちんと計測してみると面白いかもしれない。

モンゴルからの連絡は、まだない。

調査はどうなったのだろうか。

大西洋消滅?

2013-06-21 10:04:01 | ButsuButsu


6月6日付けの「Geology」誌オンライン版によると、地球の地殻の裂け目が新たに発見されたらしい。

新たに見つかった沈み込み帯は、大西洋のポルトガル南西沖約200キロの地点にある。

この沈み込み帯は大きく6つに分かれ、全部合わせると約300キロの長さになる。

この裂け目から北アメリカ大陸とヨーロッパ大陸が接近し、2億2000万年ほど後には大西洋が消滅してしまう予測している。

少し遠い先の話のようだが、その頃には人類はいないのだろうな。

こんなところに裂け目を作ってしまうのだから、地球のエネルギーというのはすごいものだ。

NPO法人びわ湖トラストでは、琵琶湖の湖底地図を作ろうとしている。

年間3mmの速さで収縮している琵琶湖は、同時に沈み込んでもいる。

このスピードが、最近早くなってきている傾向がある。

きちんとした方法で、詳しい地図を作れば、将来に貴重な情報を残せるだろう。

あなたも参加しませんか。


6月20日(木)のつぶやき

2013-06-21 04:56:30 | 物語

湖の鎮魂歌(12)

2013-06-20 14:16:16 | ButsuButsu


ビンセント氏は、カナダ国ケベック州にあるラバル大学の教授である。

初めて会ったのは、1993年3月だった。

その年に行う予定だったBITEX(琵琶湖国際共同観測)の下見のために、わざわざカナダの東端からやってきた。

当時、私が42歳で、彼は40歳くらいだったろう。

一緒に写っているのは、京都大学生態学研究センターの中西正己氏(当時)で、まだ若々しい。

今、ビンセント氏は、北極研究センターの研究所長を務めている。

最近、彼が送ってきたのはWard Hunt Lakeの写真だった。



ここは400平方キロメートルの面積をもったWard Hunt氷床で有名なところだ。

北アメリカ最北の湖でもある。

この湖の氷が、近年急速に融け始めている。



2011年と2012年の夏には、氷がなくなってしまった。

氷がなくなると、水の温度が急速に上昇する。

これは、氷と水の反射率の違いによる。

氷は光をほぼ100%反射するが、水は逆に吸収する。

そしてドンドン暖かくなる。

ビンセント氏は、とても大きな変化が北極圏で起こっていると警告を発している。

そういえば、日本海の温度も上昇を続けている。

モンゴルの湖でもそうなのだろうか。

軋み

2013-06-20 13:18:41 | ButsuButsu


アベノミクスも軋みが出始めているのかな。

話は、切れた上田人権人道大使から始まった。

今朝、海外から次のようなメールが来た。

Most definitely not very statesmen like behaviour!!!
全くもって洗練された外交官らしからぬ振る舞いだ

Sad that some public "servants" behave so badly.
公務員がこんなにひどく振る舞うのは悲しいことだ。

高市政調会長の「原発事故で死者なし」発言もお粗末だ。

テレビ番組で言っていた。

「このことがアベノリスクにならねばよいが」

言い得て妙な表現だ。

そういえば、安倍総理の話を聞いたイギリスの経済人が

「道を直し、車を買い替えても、運転する人が。。。」と言っていたのが印象に残った。

また、友人がネットに書き込んだ、

「日米バブルどうしが互いに壊れるのを牽制しあっ て、アベノミクスがうまくいかなかったとき(所得・税収が増えなかったとき)は、財務省・IMF・米国からイエローカードがでてきて超緊縮財政に移行し、デフレに逆戻りになる」

というのも気になる。

不安要素が噴き出し始めている。

どうしたら有能なドライバーを作れるのだろうか。

京大の山中教授がアメリカでのインタビューに答えて語った

「IPS細胞の利用について、倫理的な恐れを感じる」

「日本に居続けると暗くなる」

という言葉が、日本の閉塞感と高揚感の裏側を語っている気がする。

どうしたら我が国の体質を変えることができるのか。

人はいきなりジャンプすることはできない。

これからが、この国にとって正念場なのだろう。

実体経済をどうやって立て直すのか。

新しい社会体制の構築と、人材の活用でしょう。

天然資源の乏しい我が国では、人こそ資源ではなかったのか。

泥くさくてもよいから、多くの人が「Job Satisfaction」を感じれる社会を作って欲しい。

6月19日(水)のつぶやき

2013-06-20 05:40:35 | 物語

湖の鎮魂歌(11)

2013-06-19 16:04:53 | ButsuButsu


モンゴル人男性のほとんどはアル中だ。

特に年配者はそうだ。

この男は、フブスグル湖に浮かぶ最大の船の機関士だった。

2001年夏の写真である。

彼はソビエト連邦時代にイルクーツクで技術を習得した。

機関の取り扱いは芸術的で、とても信頼できた。

ただ、酒の量が多かった。

顔を見ただけでアル中であることがわかる。

彼の部屋に入ると、酒のにおいがした。

強い酒であるアルヒだ。

ウォッカのことだ。

みんなで宴会をしたときに、何気に缶ビールを手渡された。

それまで結構飲んでいたので、あまりよく見ないで乾杯した。

ウワッ!

なんとストレートのウォッカ缶だった。

こんなもので乾杯していたら、アル中になるのも無理なかった。

年齢は私より若かったが、翌年、この地を訪れた時にはすでに他界していた。

友人のSと一緒に墓参りに行った。

墓石の上から、ウィスキーをまいてやった。

モンゴルの若者は、あまり酒を飲まなくなってきている。

別に楽しむことができたのだろう。

それがこの国にとってはよいことだと思う。

寒くて厳しい自然の中では、どうしても酒におぼれてしまう。