DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

湖の鎮魂歌(8)

2013-06-16 16:21:54 | ButsuButsu


Rは、1988年にカナダ内水面研究センター(CCIW)に付属したNHRI(国立水文研究所)に勤務した。

カナダ環境省は、1968年にCCIWを設立し、世界各地から著名な研究者を集めていた。

VollenweiderやValentine、Csanadyといったそうそうたるメンバーが五大湖周辺に集結していた。

主な研究目的は、湖の富栄養化対策と、重金属汚染だった。

2000年代になると、この種の研究機関は急速に縮小傾向となった。

これは世界的に共通している。

環境問題が終結したわけではなく、行政が簡単に解決できなくなったからである。

問題が難しくなり、官僚の手に負えなくなると、基本的には逃げ腰になってしまう。

洋の東西を問わない現象だ。

これは不況とも連動している。

サスカチワンにあったNWRIも閉鎖され、Rは国連の仕事をし始めた。

GEMSでの勤務だ。

今、琵琶湖も含めて、湖沼の研究機関がドンドン閉鎖されたり縮小されたりしている。

研究者の多くは反対しているのだが、現実は厳しいようだ。

2013年に退職を決意したRは、我々と共に国際NGOを立ち上げた。

WWCF(World Water and Climate Foundation)の誕生だ。

まるっきりお金はないが、何とかして湖の問題を解決したいと思って活動している。

その主要なメンバーの一人はアメリカ人のCだ。

次に、Cの話をしよう。




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