Rは、1988年にカナダ内水面研究センター(CCIW)に付属したNHRI(国立水文研究所)に勤務した。
カナダ環境省は、1968年にCCIWを設立し、世界各地から著名な研究者を集めていた。
VollenweiderやValentine、Csanadyといったそうそうたるメンバーが五大湖周辺に集結していた。
主な研究目的は、湖の富栄養化対策と、重金属汚染だった。
2000年代になると、この種の研究機関は急速に縮小傾向となった。
これは世界的に共通している。
環境問題が終結したわけではなく、行政が簡単に解決できなくなったからである。
問題が難しくなり、官僚の手に負えなくなると、基本的には逃げ腰になってしまう。
洋の東西を問わない現象だ。
これは不況とも連動している。
サスカチワンにあったNWRIも閉鎖され、Rは国連の仕事をし始めた。
GEMSでの勤務だ。
今、琵琶湖も含めて、湖沼の研究機関がドンドン閉鎖されたり縮小されたりしている。
研究者の多くは反対しているのだが、現実は厳しいようだ。
2013年に退職を決意したRは、我々と共に国際NGOを立ち上げた。
WWCF(World Water and Climate Foundation)の誕生だ。
まるっきりお金はないが、何とかして湖の問題を解決したいと思って活動している。
その主要なメンバーの一人はアメリカ人のCだ。
次に、Cの話をしよう。
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