1992年のことだったように思う。
国際理論応用陸水学会(SIL)が、ドイツのミュンヘンで開かれた。
私が初めてこの会議に出席した年でもある。
一番楽しみだったのは、晩餐会だった。
なにせドイツの食の中心ミュンヘンである。
うまいものが出るに決まっている。
一人で参加していた私は、顔見知りのヨルグ・インバーガー教授とジョン・メラック教授に誘われて、一緒のテーブルに着いた。
ヨルグが50歳、ジョンと私は40歳を少し越えたくらいだった。
共に、世界的な研究者となっていた。
私たちのテーブル席のイスが二つ空けてあった。
誰が来るのかな。
そう思っていると、急にヨルグとジョンが立ち上がって、最敬礼をした。
おもむろに登場したのが盛装したC夫妻だった。
陸水研究のドンであるCは、当時まだ60歳だった。
自信と力が体からあふれ出ていた。
私などは、挨拶こそできたが、歯牙にもかけてもらえなかった。
私がCと直接話が出来るようになったのは、それから数年たってからだった。
その後急速に仲良くなった私たちは、親子ほどの年の差なのに、特別の付き合いをするようになった。
不思議な縁だといえるだろう。
いまや、Cは、私を最年少の弟だといっている。
一緒に本も出版した。
彼のすばらしいところは、決して威張らないところだ。
私が60歳を超え、彼は80歳を超えた。
いつまで一緒に仕事が出来るかどうかはわからないが、彼が生きている間は大切にしたいと思っている。
タホ湖の研究に60年の歳月をかけてきたCと、びわ湖の研究を30年行ってきた私が、モンゴルの湖の再生に挑む。
面白そうな話ではないか。
RとCと私。
シニア世代の三銃士となるのか、それとも単なる三馬鹿で終わるのか、残りの短い人生を楽しむには面白い取り合わせだ。
どうなることやら。
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