林（５９）

大学に

幼稚園の

子供たちが

やってきた

心地よい

秋の日の

日差しに

みんな元気

不思議なものだ

おはようございます

元気よく

子供の声が弾む

くたびれた

大学生たちも

心なしか

うれしそうだ

林（５８）

９月２９日

今年の満月最高

こんなの見たことないって

いいなっと心が思って

言葉も出ない

伊吹山の右肩に

ぽっかりと浮かぶ

ハーベストムーン最高

長い人生

生きててよかった

古い友人が集って

琵琶湖で乾杯最高

月を眺めて古を思う

よくぞこの日が

晴れててよかった

林（５７）

１０月１５日　日曜日　湖上にて

はっけん号に乗って
大津港から塩津湾まで
およそ２時間の船旅
途中通過した竹生島は
青空に映えていた

千年ほど前の頃
湖上を旅した紫式部も
同じ景色を眺めたのであろうか
弁財天を祀るこの島の
息吹を感じて祈ったのだろうか

竹生島から塩津湾は
指呼の間である
古えより潮の流れが急で
航海の難所と言われた葛籠の岬に
多くの遺物が沈んでいることを
知っていたのであろうか

かき曇り夕立波の荒ければ浮きたる舟ぞ静心なく

林（５６）

畏友　ツァイが逝った

まだ　６０代という　若さだった

君は　何を死に急いだのだ

安らかな　死に顔に

苦痛の跡は　なかった

君は　確信していたのかもしれない

生と死のはざまに

それほどまでに　違いのないことを

誰もがたどる道のりは　同じことを

生まれ　生き　老い　死滅する

とうとうと流れる　生命のエネルギーは

君のからだから抜け　宇宙に還った

ツァイチェン　出会いを感謝して