DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

生きる(93)

2015-09-24 10:57:08 | ButsuButsu


何かを達成するということは、案外何気なくできてしまうことなのかもしれない。

過去4回も失敗した、クルーレス・ソーラーボートによる琵琶湖縦断を、立命館大学の学生たちがついに成し遂げた。

このこと自体が快挙だと、私は思っている。

走行距離約60キロメートルを、完全自律で航行するのだ。

道具立てはいたってシンプルだ。

位置を特定するためのGPS

方向を定めるためのジャイロコンパス

動力源としてのソーラーパネル

そして推進を与える電動モーター

すべてを搭載する船体

これらを使って無人のボートが琵琶湖を駆け抜ける。

簡単なように思われるが、決してそうではない。

(1)装置の完璧さ (2)天候などの自然条件 (3)参加するメンバーのチームワークと用意周到さ

これらで総合的に合格点を取らないと、この挑戦は失敗する。

そのことが、過去4回の失敗に現れていた。

何一つ欠けてもダメなのだ。

琵琶湖の最北、景勝地の知内にあるサニービーチを出発したのは、8時8分だった。



穏やかな水面と、降り注ぐ太陽光を受けて、順調に進む。

10時30分 高島沖通過



https://www.youtube.com/watch?v=GshEeG7TBTM

出発して3時間、11時8分に沖島沖通過



雲が出てきてスピードが落ちたり、波にあおられて転覆しそうになりながら、ボートは一路、琵琶湖大橋を目指す。

狭い橋脚の間をどうやって通過するのか。

それが最大の難関だ。



やった、12時30分、無事に琵琶湖大橋を通過。

橋の下は日陰となるので、ボートがスピードを緩めるのがお愛嬌だ。

ここからは釣り船やヨット、観光船などが多くなるので特に神経を使う。

また、流れ藻がスクリューに絡まるので、時々取り除いてやらなければならない。

その分、余分に時間がかかる。

プリンスホテルが見えたあたりで、外輪船ミシガンと遭遇する。



ぶつかりはしないかとひやひやしながらも、乗客の声援にこたえる。

14時18分、知内浜を出てから実に6時間10分で、大津なぎさ公園にあるサンシャシンビーチに到着した。

休日を楽しんでいた子供たちが驚いて見つめる中、ゴールした。

平均時速約10キロメートルの速さだ。

これは5ノットを超える。



自然の中で無人ロボットを制御することは、簡単ではない。

しかし、先輩たちから受け継いだ技術と経験を生かして、自分たちの夢を実現した学生たちを、私は誇りに思う。

琵琶湖で19年間も続けてきたクルーレス・ソーラーボートの歩みが、やっと結実し、そして次への出発点に立てたことを実感した。

まだまだ、日本の若者は捨てたものではない。

おめでとう!

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生きる(92)

2015-09-23 10:59:29 | ButsuButsu


現在、以下のサイトでソーラーボート縦断の中継しています。

見てください。

https://drive.google.com/folderview?id=0BxUv3XvQFn-tfmZGSVE2enlDOEtCSkRTNG0tUmptcFNGQXhqVDBhdGVNRDVHMXhsdFpxVE0&usp=sharing

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生きる(91)

2015-09-20 22:16:47 | ButsuButsu


デジカメをかざした多くの観光客に混じって、京都タワーを写メした。

昔、京都に住んでいた学生時代を、ふと思い出す。

45年前、大学に入った年に、日米安保の自動延長があった。

高校の時から、学問とは何か、教育とは何か、などとずいぶんと熱く議論したものだった。

よく勉強もした。

あのころ京都タワー周辺には、赤ちょうちんの屋台がたくさんあった。

夜行列車の待ち合わせで、一杯やるのが楽しみだった。

焼き鳥や豚足など、労働者風のおじさんたちに混じって、気炎を上げたものだった。

それは、「コンフォーミズム」の打破だった。

一人一人が、自分の顔を持ち、自分の意見を持ち、自立すること。

それが社会の多様性を生み、システムの安定につながる。

さて、一昨日、安全保障法案が可決された。

国会前に集まった若者たちに、自分の青春時代を重ね合わす。

時代が変わって、ずいぶんスマートなデモだ。

昔のように、過激なデモはなくなったけれども、これからは君たちの時代だ。

顔が見えなくなった国会議員など、もうどうでもいいではないか。

(1)リスクの軽減

(2)国際貢献

という矛盾した意義をまことしやかに説く与党議員や、何の対案も示せない野党議員など、気にしない方がよい。

できるならば、新しい日本を作るために、自分たちの政党を立ち上げてほしい。

これからの社会を実質的に担わなければならない若者たちが、納得のいく社会体制を提案してほしい。

高齢者であるおじさんたちは、それを応援したいと思う。

ろうそくをモチーフとした京都タワーを見ながら、そんなことを考えた。

若者の意見に耳を傾けない政治は、もうたくさんだ。
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生きる(90)

2015-09-17 15:49:47 | ButsuButsu


東京で勤務する研究所で、新しい水中ロボットの試験があった。

「ほばりん」と呼ぶのだそうだ。

まだよちよち泳ぎだが、これがやがて2000mの深さまで潜水するのかと思うと、「ガンバレ」と応援したくなる。

一般にこの種の自律型水中ロボット(AUVと呼ぶ)は、ハードが完成しても、利用できるようになるまでに長い時間がかかる。

まず、オペレーターがメカに慣れる必要がある。

作るときには多くの部品を組み立てるわけだが、全てを確かめているわけではない。

部品メーカーの説明書にしたがって組み上げるのだ。

したがって、定格通りに作動するかは、実際に動かしてみないとわからない。

ましてや、2000mの深さで作業をするわけである。

予期できないことがたくさんある。

好奇心と忍耐力のない人は、操作できない。

「ほばりん」のソフトを担当しているOさんは、私たちが2000年に開発した「淡探(たんたん)」のオペレーターだったTさんによく似ている。

どちらもポッチャリ系で、何事にもゆったりとしている。

腹を立てては、ロボットの開発は無理なのだろう・

失敗と調整とを繰り返し、徐々に使える状態にしていく。

無理は禁物だ。

近道をしないという慎重な扱いが大切だ。

まるで子育てに似ている。

「ほばりん」を眺めていたら、もう一度「淡探(たんたん)」を動かしたくなった。
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生きる(89)

2015-09-16 12:20:23 | ButsuButsu


一人でほくそ笑んでいる。
アマゾンの書籍欄に今度出版する本が登場したからだ。
2015年9月30日発行となっている。
予約可とあったので、早速自分で予約した。
2013年に原稿を書いてから、出版まで2年間もかかってしまった。
ところで、「ほくそ笑む」を辞書で調べたら次のように書いてあった。

*****

物事が思い通りの結果になったことに満足して,一人ひそかに笑う。

「ほくそ」は「ほくそう(北叟)」の転で、「塞翁が馬」の達観した北叟(=塞翁)が喜憂いずれに対しても少し笑ったという故事によるともいわれ,「ほくそ」に「北叟」の字も当てられる〕

*****

「北叟」は「北方の老人」を意味し、「塞翁」は「老人」のことである。
語源はどうであれ、今ではマイナスのニュアンスで使われることが多いらしい。

そう言えば、安倍晋三さんは今頃ほくそ笑んでいるのかもしれない。
長いあいだ仕込みをしてきた「安全保障関連法案」がいよいよ日の目を見るからだ。
このために、ジャブジャブの金融緩和をしてきたし、女性登用もし、アメリカ詣でもしてきたのだ。

嬉しさに、垂れた頬も緩みがちだろう。

一方で、NHKスペシャルに出ていた高村正彦さんは憔悴しきった顔つきだ。

彼は弁護士だから、本音ではこの法案が憲法違反だということを知っているし、長続きしないことも予感しているのだろう。

支えは「砂川事件」しかない法論理に対する批判に耐え切れないからだ。

仮に今国会で可決されたとしても、憲法違反の法律が施行できるわけがない。

ほとんどメンツの世界に過ぎない。

別の見方をしてみよう。

安倍晋三(山口県4区)
高村正彦(山口県1区)
麻生太郎(福岡県8区)
岸田文雄(広島県1区)
中谷元 (高知県1区)

安倍内閣を支える主な面々の選挙区を見ると、明治維新での勝ち組であることがわかる。

江戸幕府を崩壊させ、明治維新を成し遂げ、明治・大正・昭和にわたって国益を独占してきた人々の子孫であり、日清戦争から太平洋戦争にかけて日本国民を戦争に巻き込んできた人々の末裔だ。だからこそ、我が国が行ってきた戦争が是認されなければならないし、その延長線上に今後の政治も行われる必要があるのだ。

しかし、今の日本国の政治には、江戸幕府からの流れもある。
それが田中角栄であり小沢一郎だったのだろう。
ところが、彼らは上手くはめられてきた。

しかも、東北大震災というおまけまでついてしまった。

我が国の底辺で繰り広がられてきた二元論的抗争、平家と源氏、朝廷と幕府、という長い争いの延長線上に今の政治があり、集団的自衛権の行使容認があると考えるのならば、安倍晋三さんがほくそ笑むのも宜なるかな、だろう。

彼にとって米国という後ろ盾がとても重要であり、そのための貢ぎ物が集団的自衛権の行使なのだ。

しかし、人間万事塞翁が馬とも言える。

平家が源氏に打ち負かされる事態もありうるのかもしれない。

それがいつかは分からないが、言えることは、

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響あり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす
驕れる者久しからず ただ春の夜の夢の如し
猛き人もついには滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ

ということなのだろう。

今が頂点、やがて坂道を転げ落ちるように勝ち組は衰退する気がする。

その時に、私たちの子孫を道連れにはして欲しくないものだ。
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生きる(88)

2015-09-10 09:43:55 | ButsuButsu


こんな雨の降り方もあるのだな。

雨雲の通り道に入ると、土砂降りとなる。

あっという間にずぶ濡れになり、革靴が長靴に変身する。

まさに、雲霞のように雨雲が涌いて、川のように移動していく。

今は、栃木県と茨木県に大雨特別警報が出ている。

太平洋から北上する雨雲を見ていると、この下に住んでいる人たちは大変だな、と思う。

これでは逃れようがないだろう。

少し離れた場所では、青空が覗く。

暑さ寒さ、晴天と曇天、なんでもそこそこがいい。



肝心なのは、感動すること、愛すること、望むこと、身ぶるいすること、生きること。

深く、恐ろしく真実を語るものであれ。

自分の感じることを表現するのに決してためらうな。

おそらく最初君たちは理解されまい。

けれどもひとりぼっちであることを恐れるな。

友はやがて君たちのところに来る。

なぜといえば、一人の人に深く真実であるものは、

いっさいの人にもそうなのだから。

※オーギュスト・ロダン 「ロダンの言葉」 高村光太郎


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生きる(87)

2015-09-08 14:57:29 | ButsuButsu


2000円札のデザインとなっている「守禮之邦」という扁額を掲げた守礼門だ。

「琉球は礼節を重んずる国である」という意味だそうだ。

この文字から学ぶことはたくさんある。

確かに、沖縄の人は、おおらかであり、率直であり、傲慢さが少ない。

相対的に親しみやすい。

それに比して、日本の政治家はどうだろうか。

リベラルと言われた人々が今や重く口を閉ざし、

タカ派と呼ばれる人々が跳梁跋扈する。

嘘だろうと思うような強引な論理がまかり通る世の中となった。

まるで戦前の大政翼賛会のようではないか。

こんな時は、注意したほうが良い。

経済にしても、政治にしても、文化にしても、透明性が薄れて、どこへ行き着くのかが不透明になってきている。

いつからこんな強権国となったのだろうか。

十分な情報を開示し、率直に議論し、大道につく政治を進めて欲しい。

簡単に前言を翻すような安直な人ではなく、信頼できる政治哲学を持った人に、この国を託したいものだ。

それにしても守礼門を描いた2000円札は、不思議なお札だ。

日本の国の紙幣とは思えない。
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生きる(86)

2015-09-04 15:38:25 | ButsuButsu


プロとはなんと素晴らしいイラストを描くのだろうか。

思わず感動してしまった。

2015年8月14日発行のScienceという科学雑誌の記事だ。

Watching water: From sky or stream?

とタイトルがついた論争だ。

人工衛星から延ばされた巨大な望遠鏡の先に、虫眼鏡を覗く女性がいる。

Satellites provide the big picture.

人工衛星は大きな視野を与えてくれる。

Time for in situ renaissance.

現場監視へ戻る時だ。

ひょんなことから私は後者の陣営に巻き込まれた。

つまり、現地モニタリングを擁護する役目だ。

ただ原稿を作るうちに、何だか違和感を感じ始めていた。

私は、もう30年間も琵琶湖の現地観測を行ってきた。

その間、人工衛星や航空機を用いた遠隔監視(リモートセンシング)の活用もしてきた。

どちらの手法も長所があるし、欠点もある。

ただそのことより、時代の変化を感じるのだ。

ドローンやAUV(淡探のような自律型水中ロボット)は、定義から言えば遠隔監視に近い。

でも、近い将来には、対象物に接触して標本を取ったりできるのではないか。

つまり、現地と遠隔を結びつけることが可能なのだ。

だとすると、対峙する議論ではなくなる。

科学技術の進歩は、かつて対峙していた手法を、ひとつにすることができる。

宇宙船ハヤブサは、小惑星に行き観察するだけでなく、サンプルを持って帰る。

そのことが飛躍的に学術レベルを押し上げる。

恐ろしいことだが、楽しみでもある。

そういう意味で、ロボット技術の発達は、新たな倫理観を求め始めている。

心して、新しい時代の到来を迎えたいものだ。
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生きる(85)

2015-09-03 10:18:52 | ButsuButsu


次々と列車が到着し

次々と発車していく

東京駅中央線のホームで電車を待っていると

ふと目についたのが線路脇の雑草だった

結構伸びてきている

あまりにも多くの車両が行き交うので

誰も気がつかないのだろうか

気がついても

誰も抜きに行けないのだろうか

おかしくもあり

微笑ましくもあり

思わず写メしてしまった

生きるということは

雑草にとっても大変なことだ

引き抜かれても

薬をまかれても

しぶとく蔓延っていく

人間の社会でも同じだ

いろんな考えを持つ人が

それぞれの境遇の中で

しぶとく生きている

成功する奴もいれば

失敗する奴もいる

いずれにしても負けないことだ

無駄だと思わないことだ

しぶとい雑草を見ながら

なんだか勇気をもらってしまった

ガンバレと小声でつぶやく
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生きる(84)

2015-09-01 15:03:34 | ButsuButsu


通勤路にユリの花が咲いていた。

タカサゴユリだろうか。

原産は台湾で南方系の外来種だ。

荒地にはびこるらしい。

美しい花なので、なかなか駆除されないと言われている。

気温の上昇も追い風となっている。

そう言えば8月30日に、ブライアン・ウィリアムズによる岸辺の写生会が米プラザで行われた。

70名近くの親子が参加して、楽しく終えることができた。



腰を痛めていたブライアンは、お行儀よく机に腰掛けて愛嬌を振りまいていた。

彼のおしゃべりも絵画も、年々、成熟していくようだ。

ペルー生まれのアメリカ人であるブライアンも、日本では外来人種の一人だ。

タカサゴユリほど美しくはないが、彼の描く風景画は魅力がある。

抜きん出て美しいものは、駆除されないのだろう。

窓の外は桟橋で、はっけん号が係留されていた。



自分で作ったので自画自賛になるが、気品のある船形は、いつみても心を引かれる。

いまでも世界でトップクラスの調査船だ。

この船を壊すのは忍びない。

さまざまな形態の生物や文化の多様性を受けいれる、寛容な社会であってほしいと願っている。
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