モンゴルにも世界遺産はある。
ウブス湖だ。
一度訪ねたことがあるが、簡単な石碑があるだけで、他には何もない。
湖は塩水の大きなたまり場のような感じで、特徴が少ない。
さすがにブライアン画伯も湖岸にキャンバスを置いてどこかへ行ってしまった。
この湖に比べたら、フブスグル湖の方がよほど美しい。
遺産指定の理由が、手つかずの自然が大きな理由だとのこと。
なるほど、これだなと思った。
日本ユネスコ協会連盟のホームページには、authenticity(真実性)とintegrity(完全性)が重要だと書いてある。
そして10個の基準の内、1つ以上を満たさなくてはならない。
もちろん、保護管理体制も満たす必要があるそうだ。
と言っても、ウブス湖には何もなかった。
推察するのだが、文化遺産ではauthenticity(真実性)が、自然遺産ではintegrity(完全性)が特に求められるのではないだろうか。
ではintegirityとは何だろうか。
Hornbyには次のように書いてある。
(1)quality of being honest and upright in character
(2)state or condition of being complete
今の場合は、不動産だから(2)なのだろう。
つまり、減点方式なのだ。
減点がなければ、世界遺産になれる。
たとえば、世界に唯一のものであれば減点しようがない。
何をもって審査員を説得するかである。
我々が保存したいからだけでは、ダメなのだ。
ところが往々にして、我々は良いところを付け加えるような提案書を作りがちだ。
しかし、それらは一つ一つつぶされてしまう。
なぜならOutstanding Universal Value(特筆すべき普遍的価値)が求められるからだ。
ついでではダメなのだ。