指揮:小林研一郎
司会:朝岡聡
コバケンとその仲間たちオーケストラ
司会:朝岡聡
コバケンとその仲間たちオーケストラ
マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調
コバケン先生85歳の誕生日を祝うコンサートで、リハーサルも見ることが出来る。
一緒に行ったかつての勤務先の同期(学生時代はオケのサークルで活躍)のチョイスで、席は2階の右側前方となった。
この席だと、指揮者とコンサートマスターの動きに加えて管楽器の演奏ぶりがよく見えるらしい。
確かにそのとおりで、オケで活動した人ならではの選択である。
「コバケンとその仲間たちオーケストラ」の編成は特殊で、全部で100人超、第一ヴァイオリンだけで17人、コントラバスが10人という、普段は見ることのない大規模な編成である。
リハーサルで面白かったのは、「アダージェット」に関するコバケン先生の「この曲は、深い哀しみを表現した曲」という発言である。
実は、この曲は、マーラ―が妻:アルマに捧げた「ラヴソング」であったことが判明しているのだが(楽譜の解釈(4))、コバケン先生は、こういう曲の出自(ラヴソング)に拘泥する必要はないという見解なのだろう(もっとも、ラヴソングと「哀しみ」は両立しないわけではないが・・・)。
さて、本番が始まると、普段とは違う感覚を味わうこととなった。
この位置からだと、指揮者とコンマスの掛け合いや各演奏者の動きが、ほぼ全部俯瞰できるのである。
同時に、4楽章を除き、トランペットとホルンがもつ重要性がよく分かる。
コバケン先生も、トランペットとホルンの各主席演奏者に対し、頻繁に鋭い視線と指示を飛ばしているのである。
・・・それにしても、こういう風に「見る」行為が加わると、長い曲でも全然眠くならないのは良い事である。
次にブルックナーを聴きに行くときは、2階・右前方席のチケットを買うとしよう!