Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

原作の改良

2023年05月23日 06時30分00秒 | Weblog
 「【リゴレット】ロベルト・フロンターリ
  【ジルダ】ハスミック・トロシャン
  【マントヴァ公爵】イヴァン・アヨン・リヴァス

 主役3人の歌手が完璧で、ケチのつけようがない。
 これを上回る「リゴレット」は、今後当分聴くことが出来ないのではないかというくらいである(それにしても、ペルー人の歌手を見つけてきたのはやはり大野芸術監督なのだろうか?)。
 さて、ヴェルディは、ユーゴ―の原作「王は楽しむ」のストーリーを結構改変しているらしい。

 「なお、検閲と関係なく行われた次の2つの変更は、ヴェルディによる改良と言ってよいだろう。1つ目は第1幕第7場(第3曲)、リゴレットがスパラフチーレと出会う場面である。・・・時系列から見れば原作の方が自然なのかもしれないが、ドラマの上では夜とする方が明らかに効果的だろう。
 2つ目は、大詰めである。・・・原作ではその場所になかったキーワード「呪い」を繰り返す大詰めは、オペラと言うジャンルに極めて適したものである。ヴェルディはおそらく、ユーゴ―以上にこのドラマの核心を理解していったのではないだろうか。」(公演パンフレット・園田みどりさんの解説)

 なるほど。
 「椿姫」では原作の大事なところをカットしてしまったヴェルディだが(傑作の欠点)、「リゴレット」ではなんとユーゴ―の原作に手直しを加えて「改良」したのであった。
コメント
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