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Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

「私」による「公」の僭奪(8)

2022年10月05日 06時30分36秒 | Weblog
 厚労省の予算について大きな影響力を持つ二人が、高校の(中学も?)同窓生であることは一応押さえておく必要があるかもしれない。
 というのも、政官界では、(主に首都圏の)高校の同窓人脈、いわば”高校閥”が形成されており、これが「外部勢力の援用」を助長する方向に作用している可能性があるからである。
 また、この観点からは、第二次安倍政権以降大きな権限を持つようになった、”官邸官僚”の役割も重要である。

岸田官邸の心臓部 8人の総理秘書官に迫る!
 「そして、岸田内閣で首席秘書官を務めるのが嶋田隆だ。
 東京の私立開成高校から東大工学部。昭和57年旧通産省入省。61歳。
 経産省の事務次官を務めた。次官経験者の秘書官起用は極めて異例だ。
 岸田は開成高校で2期上の先輩にあたる。在学中、面識はなかった。
 岸田と知り合ったのは、同じく開成の先輩である、香川俊介・元財務事務次官の誘いで出席した経済界も交えた食事会の席だという。


 首相と首席秘書官の出身高校(中学)のOB及びそのシンパによって構成される集団(これを「集団Z」という。)は、今や政官界を横断する重要なアクターになったと言える。
 そして、集団Zは、集団Yの枢要部を占めつつ、政界を含む外部勢力との連携・外部勢力の援用において重要な機能を営んでいるように見える。
 かくして、「X 対 Y&Z」という対立の構図が浮き上がってきたわけである(但し、集団Zは集団Xにも食い込んでいることに一応注意しておくべきだろう。)。
 さらに、集団Xは、税金というリソースに依存しており、しかも構成員の多くが典型的な「世襲貴族」なので、新階級社会での階級闘争において攻撃のターゲットとされることは目に見えている(第2ラウンドから第3ラウンドへ)。
 したがって、ここに「勝ち組」サラリーマン(及び一部の自営業者やマス・メディア等を含む)層ないしその支持政党が参入してくるのは確実である(というか、既に参入しているのだろう。)。
 こうした事情から、私は、基本的に集団Xの形勢は不利と見ているのだが、予断を許さない。
 さて、出発点に戻ると、樋口先生によれば、誰のものでもないはずの「公」がなぜか「私」(の集団)によって「僭奪」されてしまうことが、<日本という問題>なのだった。
 だが、集団Xや集団Zは、結局のところ「私」であって、「公」たりえないことは明らかである。
 また、集団Yも、(数十年来の傾向かもしれないが)集団Zなどに侵蝕され、不透明な内部集団が形成されているというのであれば、「誰のものでもない」という「公」であるための条件を欠くことになるだろう。
 ・・・などと書いているうちに、こんなニュース(岸田文雄氏長男が首相秘書官に 「人事活性化と連携強化のため」)が飛び込んできた。
 残念ながら、<日本という問題>は、当面解決する見込みがなさそうだ。