固定費

「サラリーマンはなんと幸せだったか」　独立した起業家が、まずこう思う瞬間は？
　「独立してまず思い知ったのが「都心の家賃は高い」ということです。立地の良い場所、きれいなビルを借りようとすると、これほど家賃が高いものかと驚きました。それまで勤め人だった私は、恥ずかしながら「オフィスの家賃」など意識することがなかったのです。」
　「勤め人は毎月給料が振り込まれることを当たり前だと思っています。しかし、そこには必ず「払う側」の苦労があるわけですが、その苦労は、そちら側に回ってみないとわかりません。起業していきなり給料を「払う側」になった人の場合、資金繰り以前にその精神的重圧だけで参ってしまうケースが少なくありません。」

　独立開業した人のいちばんの悩みは、なんといっても資金繰りである。中でも家賃や人件費などの固定費の問題が大きい。
　だが、裏を返せば、固定費のウエィトが小さいのであれば、いろいろ融通が利くということであり、そういう人・店の方が、お客さんにサービスできるということもある。
　例えば、大通り沿いにある飲食店では、客単価を高くしなければ家賃を支払えないので、価格設定が高めで、メニューも硬直化していることがある。これに対し、ちょっと外れにある小さな店は、値段がリーゾナブルで、メニューも豊富だったりする。
　うちの近所のある飲食店経営者は、「駅前のビルに入居したら、串焼き１本を１０００円くらいで売らないといけなくなる」と話していた。
　そういえば、ア〇ン東京の紅茶は１０００円くらいするが、これは超高層ビルから眺める景色の料金も含んでいるから、リーゾナブルなのだろう。