王様の「秘密の参謀本部」

田端到&ビンゴ本郷の実験創作プロジェクト

ジャマイカ選手権100mまとめ

2024-06-30 11:08:31 | 五輪
 陸上の話題はちょこちょこXに投稿しているのに、あちらでは反応が薄く、こちらにまとめておいたほうが良さそう。時系列順に(日付は日本時間)。

●世界で一番速く走るヤツを決める天下一武道会は、それぞれの国の代表が決まっていく段階から見ていくと一段と面白い。天下一武道会のスケールの大きさ、出場することの価値の高さがよくわかる。そこも含めてオリンピックだ。

●ジャマイカ選手権、女子100m予選。
シェリーアン・フレーザープライス10秒98。
シェリカ・ジャクソン10秒99。

 シェリーアンがいきなり予選で10秒台! 良かった。先日の11秒15を見たときは「オリンピック出場、危ないかも」と心配してしまったが、しっかり本番に合わせてきた。ロケットスタートが戻ってきた。

●ジャマイカ女子に19歳の新星登場!
女子100m準決勝。
ティア・クレイトン10秒86(+1.0)
シェリカ・ジャクソン10秒87(+1.0)
シェリーアン・フレーザープライス10秒91(+1.5)

 ジュニアで活躍してきた19歳のティアが10秒8台でシェリカに先着! よく知らなかったけど双子のランナーで、もうひとりのティナ・クレイトンも代表レベルの選手だという。なんか漫画が描けそう。

●ジャマイカ女子100m決勝。
1シェリカ・ジャクソン10秒84 (-0.3)
2ティア・クレイトン10秒90
3シェリーアン・フレイザープライス10秒94。

 シェリカが貫禄の優勝。準決勝トップ通過の19歳ティアは2位、シェリーアンもこれで最後のオリンピックへ行ける!! おめでとう!!
 シェリーアン「今日は私のナチュラル・アビリティじゃなくて、スーパーナチュラル・アビリティが出たのよ」


●ジャマイカ男子100m決勝。
1キシャーン・トンプソン9秒77! (+0.7)
2オビリク・セビル9秒82
3アッキーム・ブレイク9秒92

 男子はすごいタイムが出た! 予選・準決勝と、流して9秒8台を出してきたキシャーン・トンプソンが9秒77の今季世界最高で優勝。これでも最後は流し気味だったから恐ろしい。2位のセビルも、全米のライルズより速い。
 キシャーンは昨年のジャマイカ選手権の予選で9秒91を出しながら、「怪我がちだから今大会は1本しか走らない」と、準決勝を棄権して憶測を呼んだ選手。ついに本気全開、パリ五輪の本命に!

●シェリーアンは200mを棄権。もう今大会は3本走ったから十分だろう。

●今朝はアメリカの200mに興奮したが、それはまた別のところで。女子はギャビー・トーマス優勝!
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ジャマイカ選手権開幕

2024-06-28 00:09:24 | 五輪
 全米選手権も続いているが、今日(27日)からジャマイカ選手権。昨年、現地観戦してからもう1年経った。
 ジャマイカ選手権は4日間。1日目と3日目は、予選とジュニアが中心。2日目と4日目に、決勝が組まれている。100mの決勝は2日目(日本時間の土曜午前)、200mの決勝は4日目(日本時間の月曜午前)だ。

 我が愛しのシェリーアン・フレーザープライスは100mと200m、両方エントリーしている。頑張って、マミーロケット!
 日程やリザルトなどはこちら
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100mの全米女王と全米王者

2024-06-24 15:23:03 | 五輪
●全米陸上の話題を書き始めた手前、結果も記さないと締まらない。

 女子100mはシャケリ・リチャードソン10秒71優勝! もうアメリカ国内では負けない。シャカリじゃなくて、シャケリ表記派です。
 メリッサ・ジェファーソン、トワニシャ・テリーの3人が五輪代表に。3人全員同じチームだから、パリ五輪のアメリカはリレーも強そう。

 まだシャケリのお母さんが存命だった頃に撮ったドキュメンタリー映像がSNSに流れてきて、自動翻訳の字幕でもだいたいの意味はわかった。これ

 シャケリは子供の頃、母の育児放棄にあい、祖母に育てられたのは有名な話。東京五輪の出場のかかったレースの直前にその母が亡くなり、マリファナに(合法地区で)手を出してドーピングでアウト。
 しかし、この失格騒動が逆に「マリファナごときで五輪出場機会を奪うのは黒人差別だ」「特異な家庭に育ち、這い上がってきた若者をこんな形で突き落とすのは良くない。アメリカはそんな国じゃないだろう?」みたいな、政治家を巻き込んだ大騒動に発展し、シャケリは時の人になった。

●男子100mは、ノア・ライルズ9秒83(+0.4)、ケニー・ベドナレク、フレッド・カーリーの順。この3人がオリンピックの米国代表に! 
 ライルズは日本のアニメ好きで、カメハメ波パフォーマンスでも知られる陽キャラのスプリンター。今大会はスタート前に「遊戯王」のカードでキャラを召喚するパフォーマンスが話題になった。
 今週の200mも最有力だ。東京五輪では200mの銅メダル獲得にとどまったが、2023世界陸上では100m、200m、4×100mリレーの三冠を達成した。

 コールマンは4位で五輪落選。オリンピックと縁がない。準決勝では追い風もあって、9秒台が12人、9秒8台が5人。ついに9秒97でも決勝進出できないハイレベルの大会に。

●それと、どうすればLIVE中継映像を見られるのか、知りたがっている人が多いようだけど、そこは自分で頑張って見つけよう。独占中継のNBCが自社系列のネット・ストリーミングに誘導するようになってから、アメリカ国外での視聴は制限が厳しくなってしまった。

 裏技として、スポーツベッティングの会社に入会する(賭けなくても映像は見られる)とか、串を刺すとか、そんな面倒をしなくても当日になればTVの映像をネットに横流ししてくれるファンがいるもんだ。
 ただし注意しないといけないのは、公式のスタートリスト画面を出したまま、LIVEの生中継を見ていると、スタートの30秒くらい前にリザルトが更新されてしまい、「おい、結果出ちゃったぞ! 30秒遅れの中継だったのか!」という、残念なあるあるも(笑)。
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シャケリとシェリーアン(全米陸上など)

2024-06-22 14:46:28 | 五輪
 6月21日から始まった陸上の全米選手権。先日のポストにも結構アクセスがあるようなので、ライブリザルトのページを貼っておこう。

 大谷翔平のホームランもいいけど、もっと日本の各局スポーツニュースは、全米選手権や、ジャマイカのシェリーアン復帰のニュースを取り上げたほうがいいと思う。こんな辺境のブログにもアクセスがあるってことは、情報を求めている人が多数いるってことだ。需要をわかってない。

 初日に行われた女子100mの予選。1位通過はシャケリ・リチャードソンの10秒88! 
 リアクションタイム0秒237という、ゆるいスタートでこのタイムだから、決勝では10秒6台を出してくるのではないか。もう不良のアイコン・タトゥー娘ではない。堂々たる世界チャンピオンだ。

 2位通過のメリッサ・ジェファーソン10秒91も、RTがひどいから調子は良さそう。決勝は日本時間の日曜お昼前。男子100mは今日から予選が始まる。


 一方、別大会のシェリーアン・フレイザープライスの復帰11秒15に関しては、先日のアーティクルに追記済みだけど、こちらにも再録しておきます。

●6月15日、シェリーアン走りました! パリ五輪のための準備支援大会のような競技会がナショナルスタジアムで開かれ、フレイザープライズは11秒15で1着! このタイムをどう見るかは難しいですが、10ヶ月ぶりの復帰戦としては上々……でしょうか。
 正直なところ、「出られるのかな、パリ五輪」という空気にもなってきましたが、インスタは相変わらず子供の話題が中心なので、もうそっち優先なのかもしれません。もしかしたらジャマイカ選手権が最後の走りになる可能性もある?
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陸上の全米選手権2024

2024-06-19 19:53:58 | 五輪
 パリ・オリンピックの選考会を兼ねた各国の陸上選手権が始まる。重要な3大会をメモ。リンクは貼ってないので、飛びたい人はアドレスで飛んで。

●全米選手権。6/21-30、ヘイワード・フィールド。
https://www.usatf.org/events/2024/2024-u-s-olympic-team-trials-%E2%80%94-track-field

●ジャマイカ選手権。6/27-30、ナショナルスタジアム。
https://athleticsja.org/national-championships/

●日本選手権。6/27-30、新潟ビッグスワン。
https://www.jaaf.or.jp/jch/108/tandf/timetable/

 ひとあし先に全米選手権は、今週、男女の100mがある。エントリーが出ているので、有力選手のリストを。





 女子は日本時間の日曜12時前、男子は月曜12時前に決勝。オレゴンで時差がありすぎるおかげで、見やすい時刻に。

女子100m6/22土曜19:50(日本時間の日曜12時前)
男子100m6/23日曜19:49(月曜12時前)
男子110H6/28金曜19:50
女子200m6/29土曜17:27(日曜9時半)
男子200m6/29土曜18:49(日曜11時前)
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映画「あんのこと」河合優実

2024-06-18 21:13:08 | エンタメ
●小規模の公開ながら、絶賛を集めている映画『あんのこと』鑑賞。
 ダメ母の家庭に育ち、売春、覚醒剤に手を染めてきた少女(河合優実)が、熱血刑事(佐藤二朗)らに出会い、更生の道を歩む。少しずつ日常に笑顔を増やしていく。

 しかし、足を引っ張る環境と、運悪くコロナ禍。小さな正解のマルを積み重ねても、大きな正解にたどり着けない現実の過酷さ、やるせなさ。
 同じ物語が日本中にいくつもあるのだとしたら、何が正解なのか、自分は何をしたら救いの手を差し伸べられるのか。
 河合優実の演技がリアルすぎて感情移入してしまい、全力で救いたくなる……のに方法が見つからない。

 以下、ネタバレありなので、注意してください。画像は河合優実さんと入江悠監督のサイン入りポスター。



●コロナによって、老人介護施設の仕事を失い、学校に行けなくなり、更生の集まりにも通えなくなる。
 ひとりでいるとやることがなくて、クスリをやりたくなってしまうという新しい敵。あのコロナ自粛期間、日本中、世界中で「ひとりのせいで、やっちゃいけないことをやっちゃった人たち」がいたんだろうか。誰かと一緒にいることの大事さもあの時期には失われてしまったのだと、あらためて気付く。
 そんな中、空を飛んでいくブルーインパルス、2020年の風景。

●まるっきり救いのない物語かのような書き方をしてしまったけど、救いはある。
 彼女に手を差し伸べたたくさんの人たちと、そのなかで希望を得て前を向き、以前とは別人の笑顔を見せたあんの生きた時間。それを肯定的に受け止めたい。

●まっすぐな善意か、欲望の混じる善意か、人間臭さの漂う刑事を佐藤二朗さん。
 正義なのか、偽善なのか、絶妙にいかがわしい雑誌記者を稲垣吾郎さんが好演。

 はっきりと映し出された小さな男の子のペニスは、何を表現したかったのか。無責任な諸悪の根源、みたいな?
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シェリーアンの緒戦は?

2024-06-12 22:32:02 | 五輪
●パリ五輪まで50日を切り、だいぶそわそわしてきた。
 土日は世界中からいろんな大会のニュースが入ってきて、正直、競馬よりそっちに集中したいのだけど、そうもいかない。

●シェリーアン・フレーザープライスのラストシーズン。
 初戦はどこを走るのか、全然発表がないので気を揉んでいるのだけれど、インスタに同じ意見が書かれていて、それに対して世界中のファンから「せかすな」「彼女が発表してくれるからそれまで待て」「プレッシャーを与えるな」というコメントのラッシュ。みんな同じ気持ちなんだな。
 たぶんジャマイカ選手権を1本だけ走って、ぶっつけでオリンピックだと思う。

<追記>
 6月15日、シェリーアン走りました! パリ五輪のための準備支援大会のような競技会がナショナルスタジアムで開かれ、フレイザープライズは11秒15で1着! このタイムをどう見るかは難しいところですが、10ヶ月の復帰戦としては上々……でしょうか。
 正直なところ、「出られるのかな、パリ五輪」という空気にもなってきましたが、インスタは相変わらず子供の話題が中心なので、今はそっち優先なのかもしれません。もしかしたらジャマイカ選手権が最後の走りになる可能性もある?



●卓球のWTTザグレブ。ミックスダブルスで張本智和/早田ひなペアが優勝!
 東京五輪で日本の水谷隼/伊藤美誠が金メダルを獲ったミックスは、中国が本気で勝ちに来ているため、中国ペアがとんでもなく強い。だから、パリ五輪では中国と決勝まで対戦しないように、張本早田ペアは第2シードを取っておきたい。
 そのシード争いのライバルが韓国ペアで、今大会の決勝の相手だった。直接対決を制して優勝したのはとても大きい。オリンピックの第2シードに向けて前進だ。

●陸上ついでに6月2日のツイートを再録。レーサーズグランプリで好記録続出。
昨年のジャマイカ選手権を生で見て衝撃を受けた三段跳びのジェイドン・ヒバートが17m75。19歳。
男子100mはジャマイカのオブリク・セヴィリア(セビル)が9秒82でライルズに勝利。
女子100mはセントルシアのジュリアン・アルフレッドが10秒78。
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ケの日とザ・ファブルと真実

2024-06-08 21:41:47 | エンタメ
 投稿したつもりだった感想が、なぜか未投稿だったりして、もう細かいことを書くのがめんどくさくなってきた。すべて老化現象か。困ったもんだ。

●NHKの第47回創作テレビドラマ大賞「ケの日のケケケ」。評判になって再放送されたドラマを、録画しておいて今頃見た。 
 これはいい。好きだ。 感覚過敏の女の子の話。當真あみちゃんは芝居が上手だね。学校なんか無理して行かなくていいよという風潮になってきているのが喜ばしい。
 おっさんが「子供の声が一番苦手」と口に出してしまうと、世の中から変質者や危険人物扱いされるけど、若い女の子からも「子供の声が一番苦手」と口に出してくれる人がいると安心する。そっちの社会のほうが健全だ。

「人生はどうにもならないことばかり起こるから、どうにかなるところはラクをしましょう。世の中は今日も刺々しくて、過剰に眩しい。」

●是枝裕和監督がカトリーヌ・ドヌーヴ主演で撮った『真実』をテレビ鑑賞。
 じんわり染みる佳作だ。『怪物』よりこっちが好き。是枝作品は、こういう親と子の小さな物語がいい。事件はいらない。

「私、女優なのよ。本当の話なんかしない。事実なんか面白くないわ」

●アニメ版の『ザ・ファブル』を9話まで一気見。名前はよく聞く漫画およびドラマだけど、見たのは初めて。なるほど、こういうお話だったのか。

「お前が思う命ってやつを、今、考えろや!!」

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映画『ミッシング』石原さとみ

2024-06-03 21:31:16 | エンタメ
●石原さとみ主演『ミッシング』鑑賞。しんどい映画だ。𠮷田恵輔・脚本監督。
 ある日、6歳の娘が行方不明に。その時間、母親はライヴを観ていた--。以下、ネタバレを含みますので注意してください。



 事件の被害者に襲いかかる悪意と、善意と、無関心。悪意は増幅し、善意はしぼむ。
 世の中にあふれるクズや、興味本位のマスゴミの顔を見せられ、本人は間違ったことをしてるつもりはないだろうけど間違ったことをしている人たちにも苛立ちながら、でも、自分が絶対にクズの側にいないかと問われれば、自信は持てない。刃はこちらにも向く。

「壊れた世界の中で光を見つける物語」とあるが、物語は何も解決せず、わずかな光だけが照らされて終わる。我が身にできることがあるとしたら、せめて日々、悪意の側にならないように自制(自省)しながら、思慮深く生きていくこと。

「考えすぎだよ」に対して「考えすぎるくらい考えましょうよ!」という、テレビマン中村倫也のセリフと。
「お気持ちはわかりますが」に対して「お気持ちはわかりますって……それ、どのくらい本気でこちらの気持ちを考えたつもりで言ってます?」という、石原さとみの冷めた眼のセリフが刺さった。セリフはうろ覚えです。

 石原さとみさんは一部に「演技過剰」とか「頑張っている感が出すぎ」という感想もあるようだけど、壊れていく母親の役なんだからオーバーアクトとは思わないし、夫役の青木崇高さんの、せめて自分だけは冷静さを保とうとする感情を押さえた芝居との対比も、妻(母)の立場、夫(父)の立場、それぞれを浮き上がらせて感情移入しやすい。
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