王様の「秘密の参謀本部」

田端到&ビンゴ本郷の実験創作プロジェクト

ステイゴールド追悼ミラクル

2015-02-22 01:22:42 | 競馬
 現在、種牡馬事典の本年版を絶賛執筆中だが、ステイゴールドに関してとんでもないミラクルデータを発見したので、発表させていただく。
 ステイゴールド産駒は京都の芝重賞より阪神の芝重賞が得意というのは、血統好きならみんな知っているだろう。データで示すとこうなる。

●ステイゴールド産駒の芝重賞成績(産駒デビューの05年から2015年2月15日まで)
 京都【5-2-4-63】出走74頭、連対率9.5%
 阪神【18-6-5-50】出走79頭、連対率30.4%

 デビューから先週までの、約十年間の通算成績がこれだ。阪神のほうが率にして3倍以上高い。
 では、この集計期間を少し変えてみる。09年から13年までの5年間。昨年版の種牡馬事典に掲載した期間のデータである。

●ステイゴールド産駒の芝重賞成績(09年から13年まで)
 京都【3-1-3-35】出走42頭、連対率9.5%
 阪神【12-5-1-38】出走56頭、連対率30.4%

 なんですか、これは!!! わしは3回くらい見直したぜ。

「京都の連対率9.5%、阪神の連対率30.4%」

 両方ともまったく同じ! こんなことあるんかい!
 これが連対率33.3%とか、12.5%とか、よくあるパーセンテージなら驚かない。でも、9.5と30.4ですよ。分母は京都が74と42、阪神は79と56なのに、パーセントが両方同じって、すごくね? 
 超ラッスンゴレライ黄金ミラクル偶然配合でしょう、これ。ネイチャー誌に掲載されるかも知れない。

 そりゃもちろん、もっと下の桁まで正確に計算すれば、いくらか違う数字になるけど(当たり前だ)。このタイミングで過去データを集計した人間だけが、偶然ぶつかることのできる数字のマジック。ステイゴールドが紡ぎ出したささやかな奇跡を、ここにおすそ分けしてみた。

 それで、このデータは何の馬券の役に立つんだって? 知らんがな。
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ネクストワールド、筋肉増強の裏ワザ

2015-02-05 23:45:57 | CGマンガ
 先日のNHKスペシャル「ネクストワールド」にIGF1のことが出てきたので一言。
 まず、番組ホームページから引用。

<遺伝子工学の最新の研究で、若いころの筋肉を取り戻すことが決して不可能ではないことがわかってきた。しかも、なんと注射1本で達成できるという。キーとなるのは、遺伝子の投与だ。
 筋肉を成長させる遺伝子、「IGF-1」(Insulin-like growth factors/インスリン様成長因子)である。体に投与すると、筋肉細胞に取り込まれて、細胞分裂をうながす物質を作るようになる。その結果、全身の筋肉がトレーニングに反応しやすく、自己修復力に優れた体質に生まれ変わる>

 番組では、ペンシルベニア大学が遺伝子操作により、マウスや犬を筋肉質な体質に作り変えることに成功。健康な人からの問い合わせも多く、アスリートも関心を示している、といったことが紹介されていた。

 私がここでちらほら宣伝してるマンガ(というか原作を書きたがっているマンガ)『バイオニック・ランナー』にも、IGF-1のドーピングが出てくる。
 2020年東京オリンピック、陸上の男子100mで世界記録が生まれる。しかし後日、遺伝子ドーピングが発覚し、優勝者アダム・オメガが失格となる。疑われたのは、IGF-1の遺伝子操作だった。
 が、オメガ側はすぐに記者会見を開いて反論する。「IGF-1遺伝子の導入は、子供の頃の自閉症治療のためだった」と---。
 
 そう、このIGF-1というタンパク質は筋肉増強や筋肉細胞の修復といった作用のほかに、自閉症の発現にも関与しているとされ、自閉症患者に導入する臨床試験がすでに始まっている。だから将来、そこを悪用されてドーピングの言い訳に使われるのではないか、という予測を書きたかった。

 ドーピングに引っかかる薬でも、病気治療のためなら許される場合がある。たとえばインスリンはドーピングでアウトだが、糖尿病の治療のために投与しているという証明書が事前に提出してあればアウトにならない。
 ならば将来、遺伝子ドーピングが問題になり、それを検知できるようになったとしても、病気治療のための遺伝子導入なら許されるケースが出てくるだろう。しかもその遺伝子投与が、本格的に競技を始めるよりずっと前の子供時代だったら……。世論も同情的な見方をしてくれるはずだ。

 上記の説明にあるように、IGF1遺伝子の導入によって全身の筋肉がトレーニングに反応しやすくなり、その効果は一生続く(人間における効果の程や、安全性についてはさておき)。
 もし私が有望なアスリートを手がける陸上クラブの専属マッド・ドクターだったら、どうにかしてこれを使おうと考える。その場合、ドーピング検査をすり抜ける手っ取り早い方法は、

「自閉症の治療を理由に、さっさと有望な子供にIGF-1遺伝子を入れちまえばいいじゃん! だって一生効果が続くんだぜ! 将来もしバレても、たぶん失格にはならないぜ!」
 というアイデアだったわけですが、ダメでしょうか。

 さらにそんな「ドーピング発覚→難病のための子供時代の治療」という事実が発覚した際の、世論の手のひら返しみたいなことも描きたかった。
 そして私のマンガの中では、筋肉増強体質と引き換えに、やがて副作用が出てほにゃららになっていくというストーリーなんだけど、今のペースでちまちま全部描いていたら、そこまでいくのに何年かかることやら。

 ぼやぼやしてると現実に追い越されそうだから、誰か代わりに絵を描いてくれませんか。どこかに原作だけ使ってくれる漫画誌ないですか。
 おもろいキャラがいっぱい出てくるぜ。競馬で使われた怪しいドーピングも、いっぱい知ってるぜ。東京ドームの秘密の地下空間(普段は競輪用のバンクが埋まっている)でカジノもやっちゃうぜ。しまいには小笠原諸島の無人島をひとつ買い上げて、そこに人体改造したバイオニック・ヒューマン集めて競技会やっちゃうぜ。








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