王様の「秘密の参謀本部」

田端到&ビンゴ本郷の実験創作プロジェクト

911と歌舞伎町ビル火災

2024-09-11 18:13:23 | Weblog
●今年も9月11日がやってきた。
 昨年の夏、ニューヨークへ行ったとき、グラウンドゼロを訪問する予定だったのに、あまりの暑さに面倒くさくなり、断念した。そのことを今も悔いている。
 その前にバンクシーの絵を見に行き、迷って炎天下をだいぶ歩いたのがいけなかった。行く順番を間違えた。見ておくべきだった。

●911がニュースになると、一緒に思い出す大事故がある。
 同じ2001年の9月1日に新宿の歌舞伎町で起きた雑居ビル火災だ。火元の横にあったゲーム喫茶の店や、同じビルにあったキャバクラ(セクシーパブ)などから、40人を超える多くの死傷者が出た。原因は放火とされ、直前にゲーム喫茶で負けてトラブルになった中国人の存在も報じられた。

 歌舞伎町のゲーム喫茶とキャバクラなんて、当時よく通っていたわけではないけれど、私がそこにいた可能性はゼロじゃなかったし、巻き込まれた知り合いがいても不思議のない場所だった。
 火災のほんの数分前に入店して還らぬ人となったサラリーマン3人組がいたことや、ルーズソックスと制服姿のまま亡骸になった女性従業員の様子などが、報道やワイドショーの対象となった。

 ダメだ。この件に関しては今もまだ、よくまとまらない。911よりよっぽど自分に近い大事故だったのに、世界の中の出来事としては911に吹っ飛ばされ、20年以上たった今、この事故に触れる記述はほぼ見かけない。
 遺族が真相究明を求めてメディアに出てくるといったことも、ほぼなかった。犠牲になった人たちがそれまでどんな人生を歩んだ人だったのかをクローズアップする報道もなかった。セクシーキャバ嬢と、キャバクラの客、違法ゲーム喫茶の客という、遺族や本人が名乗り出にくい属性の被害者が多かったためだ。アニメ会社の火災とはそこが違う。

 でも、40人以上が亡くなったんだよ。911で亡くなった日本人の数より多い。ときどき思い出して、犠牲になった人たちを悼む気持ちを忘れずにいたい。

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