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シューマンの曲と言ったらトロイメライくらいしか知らない、クラシックにもピアノにも今まで全く縁が無く、むろん音符も読めない、私も含めそんな人は前半であきらめてしまいそうな長編小説、それでも作者の非凡な力量が、行間に一瞬シューマンのピアノ協奏曲の1小節を立ちあがらせて見せるような、、、音楽大学の学生などクラシック畑の住人ならページのすべてに音楽を感じることができるはず。
好き嫌いは分かれると思うが、テーマとストーリーに関してこの文体は合っていると感じる、前半の緩慢で退屈(クラシック畑の住人でない私にとって)な流れに飽きて、読み終わるのにずいぶん時間を要したが、後半のミステリー仕立ての展開となぞ解きは読者を勢いづかせる。
シューマンとクラシック好きな人にとってはたまらない一冊、凡人には芸術の香り高さが鼻につく。
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