本屋大賞1位ということで、図書館に還ってくるのを待ち構えて借りて読んだ「なぞ解きはディナー・・・・・」、大外れでした、どこがいいのか全然わかりません、「自分で金出して買わなくてよかった」というのが感想です。
以前、”本屋大賞に外れはない”とブログで書いた私としては全く残念です、「失礼ですが、全国の本屋さんの目はふしあなでございますか?」。
で、口直しではないのですが本当の文章を読みたくなってアマゾンでぽちっと購入したのが、石牟礼道子「苦界浄土」。
御存知の方も多いと思いますが、昭和30年代に原因が究明され、企業活動による健康被害いわゆる公害の原点となった、有機水銀中毒病(水俣病)を、長い年月をかけ患者さん、関係者に取材しまとめたルポルタージュ文学です。
物語に似た作者の風景描写、患者の話を挿入するときに多用される芦北・水俣地方の方言が音楽のように調和し、九州南部の漁業を中心とした田舎の町の暮らしをいきいきと想像させます。
作品の初出は1969年、40年以上前の作品ですが、いい作品は残ります、紙としてではなく、心に・・・。