日盛りの道の上で

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ムラカミハルキさんについて少々

2022-07-04 16:30:24 | 日記
 「風の歌を聞け」という気取ったタイトルの本が高校の図書館にあって、40年以上前の田舎の文学少年だった私は、
そのタイトルから当時の自然回帰で旅志向の若者の軽薄な物語だと決めつけ、軽蔑し、パールバックやらヘッセやら
トルストイやらのガチ文部省推薦の物語をむさぼり読んでいたのですが、大人になり自分の金で本を買うにあたって
気になった「羊をめぐる冒険」というちょっとしゃれたタイトルの、こじゃれた装丁の本を手にしたのが運の尽き。
 「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」に打ちのめされ、「ダンス・ダンス・ダンス」にときめき、
「象の消滅」に涙し、家に来る野良猫に「うずまき」と勝手に名前をつけて餌を与える村上主義者になってしまい
ました、(ちなみに村上さんはファンのことを”ハルキスト”より”村上主義者”と呼んでほしいそうです)、で、近年の
作の出来不出来はともかく、(私は昔のほうが・・・・・・・・)近年のノーベル文学賞候補に毎年名前が出てくる
大作家になられたわけですが、先日「村上さんのところ」という村上春樹さんとファンがe-mailでやり取りする(ファン
の質問に村上さんが答える)本を読んでいたところ、作家で文学者の丸谷才一さんが亡くなられた際、葬儀に参列した
村上さんにご遺族からある原稿を渡された、その内容は村上さんがノーベル文学賞をとった際の丸谷さんの祝辞を書いた
ものだった、というエピソードを読んで、日本の文壇から外された感のある村上さんも認める人は認めているんだなと
思った次第です、ちなみに作家の村上龍さんも村上さんがノーベル賞を取った時の祝辞を毎年書いていて、何回もかいて
いるので、書くたびに面白くなるというコメントをされているようです、村上龍さんはご健在ですので、ぜひその面白い
祝辞を私が生きているうちに聞いてみたいものです、みんなで期待しましょう。



「散歩する道にある牧草畑です、草が海のようでした」

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