雨の日は嫌いではない、家は百姓をしていたから晴れの日は両親はいつも畑か田んぼに出ていた。
雨の日は小屋のひんやりした土の上に筵を敷いて母親は藁で何かを作っていた、私は同じ筵の上に座り外の雨を見ている、何か話をしたのだろうが今は覚えていない覚えているのは何故かひんやりとした、それでいて優しい雨の感触だ。
母は50円を渡して村に一軒だけあった雑貨屋でお菓子を買って来てと言った、母はどんな菓子が好きだろうと随分迷って買って帰った菓子をひっそりと二人で食べた。
それからもう40年以上過ぎて、父は死んだが母は健在だ、今も現役の百姓で家で食べるほとんどの野菜は母が作る、軽トラックで畑に行き、たまに写真の庭に置いたベンチで近所のばあちゃんと大きな声で話をしている。
今日は雨で外は静かだ、私は一日中図書館から借りてきた本を読んでいた。
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