日盛りの道の上で

日々の日記と家族のこと、仕事と趣味、雑感少々

小さいこと・大きいこと

2011-03-31 08:53:36 | インポート
昨日次男が就職先である大阪へ出発した、熊本と大阪はこの春新幹線が全面開通して直通で3時間たらずの距離になったが、彼が必要とするときそばにいて力になってやれないのは心配だ。

20歳になった一人前の男に何を心配するのかと思うのだが、初めての土地でそれほど世渡りが上手でもない彼が遭遇するさまざまな困難にどう向き合っていくのか、世間ではほんの小さいことだが、親にとってはとても大きな思いだ。

80歳を過ぎた私の母は、次男の手を握って号泣した。
次の正月には帰ってくるだろうか、いくらかたくましくなって、笑顔でまた会える日を楽しみにしている。

写真は新八代駅での九州新幹線つばめです、この列車を見送りました。


息子とのラストラン

2011-03-24 13:07:17 | インポート
3月21日、20歳になった息子と熊本県八代市から人吉市まで球磨川を遡る自転車のラストランに行った、5年前、息子が知った人間もいない高専に入学する3日前に行ったコースと同じである。

あれから5年が過ぎこの春無事に卒業し、社会人としての第1歩を踏み出そうとしている息子への励ましのつもりだったが、道すがらいろいろなことが思い出されて、「ああ4月からはこいつはもういないのか」と思うと悲しくなった。

どこでもたくましく生きていくタイプでは決してない彼を、また知った人もいない都会に送り出すのが心配なのは、まだ子離れができていないからだろうか、もくもくとペダルを漕ぐ彼の背中に「がんばれ」と声にならない声援を送りながら、咲き始めたサクラの花の下を2台の自転車が行く。

※写真はWikiペディア(球磨川)から借用しました、球磨村一勝地付近を上流側から撮ったものです、向かって左側に自転車で通った細い道があり、右側に国道219号線が走っています、八代から人吉手前の渡(わたり)までこの細い道は40Km程続き、熊本県の自転車好きには知られた道です、JR肥薩線の線路にほぼ並行して走り、昔のままの木造駅舎がいい休憩場所になっています、舗装は荒れているところが多いので、ロードレーサーはパンク対応の準備が必須です。


ただ頭を垂れて

2011-03-15 08:50:43 | インポート
雪が降る、冷たい雨が降る東北地方の海の近くの一面がれきの山と化した、かって町であった風景をテレビの画面で見ながら、声もなく慟哭する。

家族の安否も知れず、家を失い避難所で毛布にくるまりうずくまる幾万の人々に、かける言葉も思いつかず、ただ頭を垂れて祈り、なにがしかの金を銀行に振り込み、また無言で職場での仕事を続ける。

被災された多くの人々が、せめて一刻も早く暖かい家と、満足な食事と、十分な医療が受けられますように、ただ、一日に何度も頭を垂れて祈るばかりです。


自転車の一年

2011-03-08 16:40:09 | インポート
久しぶりに昔のブログを読み返してたら、通勤で使っている自転車「ラレークラブスペシャル」(以下CLSと表記)を買ってからちょうど一年がたってました。

買った当初はよくブログのネタにしてたのですが、一年間で古女房よろしく空気のような存在になったCLSの近況を報告したいと思います。

☆耐久性:については値段が結構したこともあり、問題は特にないと言いたいのですが、先日後側のマッドガード(薄いアルミ製)がシートステーに固定されるねじ部分からぽっきり2つに折れました、振動による亀裂が原因ではないかと思います、とりあえず布のガムテープで3重に巻いて接合し使ってますが、今のところ大丈夫のようです、毎日の通勤で往復30km、月に20日で600km、この一年間で7000km以上は走ってると思いますので、まあしょうがないかなというところです、だけど雨の日も行かざるを得ない通勤に使う自転車にはマッドガードは必須というのが1年間使ってみての感想です。

☆消耗品:タイヤ、前後のブレーキシューは交換しました→最初付いていたタイヤが異例にパンク回数が多かったので、半年ほどでパナレーサーのツーキニストに交換、パンク回数は減りました(交換してから1回)。
ブレーキはshimanoのVブレーキですが良くききます、→さすがに減ったのでシューのみ交換です。
前ブレーキワイヤーがなぜがほどけてきたので交換、ワイヤーカッターもいらずにペンチで綺麗に切断できました。

☆革サドル:雨の日も雪の日も乗り続けてろくにメンテもしなかったので、つぶれた蛙のように平べったく、また中央部がずいぶんへこんできました、尻にはなじんだようで特に問題は無くそのまま乗ってますが、見た目ちょっとかっこ悪いような・・・

☆負荷をかけた時:坂道や加速のとき力の入れ具合に応じてハンドル周りから「カチッ、カチッ」と異音がしてましたが、ポジションを楽にするため若干引き出していたハンドルポストを元に戻して、直りました。

☆通勤でドロップハンドルを使うことについて:前傾姿勢が最初はつらかったのですが要は慣れですね、いまではドロップハンドルでないと効率的にペダルを踏めないような気がします。

☆クロモリのフレームは振動を吸収するので乗り心地がいい:と聞きますが、CLSのフレームは該当しません、固いです、やっぱり高いフレームでないとだめなのでしょうか・・・

☆塗装はあまりよくない:最初ピカピカだったディープグリーンメタリックの塗装も1年たてば、やっぱり・・・

と、まあ、いろいろな不満点ばかり書きましたが、全体的にはいいバイクです、昔は多かったこのランドナーや、スポルティフと呼ばれるバイクですが、いまではほとんどすれ違うことがありません、のんびり走っても、ちょっとスピードを上げてもいい乗り味のバイクなんですけどねー。

それでは・・・


芸術の定義とは

2011-03-02 11:47:01 | インポート
例によって図書館から借りてきた2010年度の本屋大賞ノミネート作品を読みながら、この小説はあと20年後に残っているだろうかと考えた。

読みやすい文体、スピーディな物語の展開、そこそこ興味をひかれる展開の繰り返し、「これは絵のない漫画ではないのか」、(この比喩はすべての漫画を低俗と決めつける意図ではない)という気がしたからである。

文学だけではなく、絵画、彫刻、音楽その他芸術的なものは長い時間の評価を経て認められていく、このことで推察されるのは芸術は生まれた直後は「何者でもない」ということだ、高名な作家の作品であれ、若者の実験的な作品であれ、その作品の芸術性を決めるのはその後の時間と、時代の経過による。

ビートルズが全盛期だった1960年代、私は小学生だったが、それから40年がたって彼らの音楽は「クラシック」として将来に引き継がれるだろうと世界中のだれもが思っている。

村上春樹がデビュー作を書いたのは私が高校生の頃だったが、2011年の今、日本人でノーベル文学賞に最も近い作家と言われている。

口当たりのいい小説は、売れはするだろうが多分残らない、一回読めばその世界がすべてわかってしまう、読み返しはしない。

本屋大賞もいいが、全国の図書館司書が選ぶ「図書館大賞」というのがあったら結果に興味がある。